カラヤンのチャイコフスキー交響曲第4番
ピョートル・チャイコフスキー(1840-1893)
交響曲第4番ヘ短調作品36
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮
ベルリンフィルハーモニー管弦楽団
Ⅰ:Andante sostenuto-Moderato con anima 19:36
Ⅱ:Andantino in modo di canzona
Ⅲ:Scherzo.Allegro
Ⅳ:Finale.Allegro con fuoco
録音1960年2月 アリアCD復刻
カラヤンがベルリンフィルの首席指揮者になって5年目。
自分の求める音楽のため新しく優秀な奏者を入団させ、ドイツのベルリンフィルから世界のベルリンフィルへと飛躍した頃のやる気満々の頃の録音。
帝王としての船出
フルトヴェングラー亡き後、ベルリンフィルだけでなく、ウィーン国立歌劇場の芸術監督、ザルツブルク音楽祭の監督も手中に収め、カラヤンの音楽界の帝王としてのスタートが始まりました。
そしてカラヤンは仕事だけではなく、プライベートでも新しいパートナーを見つけます。
失業者時代を支え、空襲下のベルリンを共に生き抜いてきた妻アニータとの別れでした。
音楽界では、欲しいものは全て手にしていたカラヤンでしたが、子供がいませんでした。カラヤンは既に50才になっていましたが、だからラストチャンスと思ったのでしょうか、
25才も年下のフランスのトップモデル、エリエッテ・ムーレと結婚したのです。
このチャイコフスキーには、この船出を祝福するかのような漲るパワーが感じます。
この時代のベルリンフィルについて、「マンチェスター・ガーディアン」誌にこんなことが書かれていました。
奏者の誰もが全身全霊で弓を動かし、管を吹き、打楽器を打ち鳴らしていた。
音の一つひとつが生命力を持つと同時に、ほかのすべての音と一体になっていた。
歴史あるベルリンフィルを世界最高のオーケストラとしての新時代を築こうという気迫あふれる名演です。
最高にチューンされたF1マシンの疾走を目の当たりにしたような圧倒されっぱなんしの演奏です。
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