こんにちは、
ともやんです。
札幌交響楽団50年史という本を横浜市立図書館で借りました。
本というより辞典です。
A4サイズで厚さが3センチ以上。ハードカバーでCD付きです。
創設が1961年なので今年60周年です。
なお『札幌交響楽団50年史』は、Amazonで購入出来るようです。
僕は、日本のオーケストラは優秀だと思うし、海外の来日オケはそれなりに高額なので、月に1度は聴きに行っていました。しかし、このコロナ禍。戦禍の中でもいち早くコンサートを再開したオーケストラにとっても目に見えない新型コロナが難敵です。
さて、日本の、特に在京オケはほとんど聴いていますが、残念ながら札響のコンサートにはまだ行っていません。
では、なぜ札幌交響楽団に興味を持ったか?
僕が札幌交響楽団に興味を示した理由
それは2つのエピソードを読んだからです。
ひとつは、武満徹さん。武満さんは、黒澤明監督の映画『乱』で音楽担当になりました。そしていざ録音と言う時に、黒澤監督がロンドン交響楽団と考えていたところ、武満さんは札響と録音したいと主張したのです。
結局、黒澤監督が折れる形になりましたが、録音を聴いた監督は大いに納得されたそうです。
ふたつ目は、ヤマザキマリさんの存在。漫画『テルマエ・ロマエ』の原作者でもマリさんのお母さまは、札響の創設メンバーで、マリさんは17歳でイタリアに行くまで千歳で生活していました。
そのお母さまが破天荒な方なのです。それまで神奈川県鵠沼で女子大を出て会計事務所に勤務するお嬢様が、27歳にしていきなり、北海道にオーケストラが創設されるという情報を得て、会計事務所も勝手に辞め、身寄りも知人もいない札幌に単身向かったのです。
その時のことをお母さまは、マリさんに次のように語ったそうです。
「だって、クラシック音楽をやりたいという仲間が集まって、新しいオーケストラを一緒に生み出すなんて、そんなの滅多に出来ない体験じゃないの!想像しただけで面白うそうで、ワクワクしたわよ。」
この2つのエピソードで札響に興味を持ち、CDを10枚もまとめ買いして、50年史も読むことになりました。
あとは、ぜひ定期公演会を聴きたいと考えています。
山田一雄&札響 チャイコフスキー交響曲第5番 ライブ
“炎のヤマカズ”と言われることがあります。僕は、ヤマカズさんの演奏を聴く前から、ヤマカズさんこと山田一雄さんの指揮は、熱い!と聴いたり読んだりしていて、どんな演奏なんだろうと思っていました。
しかし、実際CDなどで聴くとむしろ端正で滋味あふれるもので、これは多分指揮姿からそういう印象をもたれたのではないかと感じました。
残念ながら実演も聴いていないのが惜しまれます。
そう言えば、小林研一郎さんも”炎のコバケン”と言われますが、こちらは逆にコバケンさんの唸り声も収録されているとまさに”炎のコバケン”という表現はわかります。
さて、この演奏、端正で滋味あふれる演奏ながら、終楽章の盛り上がりは、まさに”炎のヤマカズ”がぴったりの凄演です。
ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー – Pyotr Il’yich Tchaikovsky (1840-1893)
交響曲第5番 ホ短調 Op. 64
Symphony No. 5 in E Minor, Op. 64
1.(14:45) I. Andante – Allegro con anima
2.(12:59) II. Andante cantabile con alcuna licenza
3.(05:45) III. Valse: Allegro moderato
4.(12:58) IV. Finale: Andante maestoso – Allegro vivace
total(46:27)
札幌交響楽団 – Sapporo Symphony Orchestra
山田一雄 – Yamada Kazuo (指揮)
録音(ライブ):1983年1月20日 第233回定期演奏会 北海道厚生年金会館
チャイコフスキー: 交響曲第5番<タワーレコード限定> 山田一雄 札幌交響楽団
数々の名演を築いた山田一雄&札響の待望の初出音源をSACDハイブリッド盤で。ヤマカズが終生愛したチャイコフスキーは白眉
両者の有名なベートーヴェン・ツィクルス(1989-’91)より約6年前の貴重な記録が初登場べ得意としたチャイコフスキーの5番で聴かせる完熟した表現はヤマカズならでは。今回の発売のために、オリジナルのアナログマスターより、高品位でリマスター行いました。永久保存盤です。
山田一雄と札響の共演は、晩年のベートーヴェン録音の印象が強いせいもあって多いと思われがちですが、実は散発的だったようです。
1960年代より定期以外も含め何度か登場しただけであり、’80年代以降に共演する機会が増えたようです。山田にとってはむしろ晩年にあたり、ちょうど今回発売する’83年の演奏がその後の彼らを引き寄せる要因のひとつとなったのかも知れません。
山田にとってチャイコフスキーの交響曲第5番は、亡くなる約2年前の新星日響とのセッション録音が有名で、この時は演奏時間が約50分にも及ぶ重厚な演奏でした。
今回はその時より約6年前で尚且つライヴであるためそこまでの長大さはありませんが、それでも、約46分かけたスケールの大きな演奏です。一歩一歩慈しむかのような冒頭に始まり、旋律を十分歌わせながらも要所ではダイナミックに大見得を切る表現は、まさにヤマカズ節。指揮が見えにくいと言われていたようですが、完全燃焼する彼の音楽に、心から共感していた団員の想いが伝わってくる演奏です。この後、いよいよ両者は’89年からベートーヴェンに取り組むことになります。
今回の藤野氏による解説書には、当時のエピソードや山田本人へのインタビュー時の会話も収納されており、興味深い内容となっています。
コメント