年末年始休暇も昨日で終わり、
今日から出勤です。
まあ、今日行けば明日と明後日も休みですが、
長い休暇の後で出勤するのは多少気が重いものです。
そんな時に心に勇気を与えてくれるのが
ベートーヴェンです。
昨日に続き、注目指揮者ガブリエル・フェルツの演奏で、
ベートーヴェンの第3番”英雄”と第5番という名曲中の名曲を聴いてみました。
鬼才ガブリエル・フェルツ エキサイティングなベートーヴェンを聴
ガブリエル・フェルツは、1971年にベルリンで生まれ、
さまざまな指揮者コンクールを経ながらエリート街道を歩みました。
2001年には29歳の若さでアルテンベルク・ゲラ劇場の
音楽監督になったほどの人です。
しかも、その若さについて尋ねれられた時、
フェルツは、「フルトヴェングラーは僕より2つ若いときにすでに音楽監督をやっていた。」
と答えたというから、相当の自信家か野心家なのだろうと思います。
それとも単なるビッグマウスでしょうか?
いやいやそれはないでしょう、しかるべきポストに就いていますかね。
ガブリエル・フェルツは原点に戻った鮮烈な演奏
演奏時間は、英雄は50分を、運命は30分をそれぞれ切っていることから、
速いテンポで進めるエキサイティングな演奏です。
特徴は、何と言ってもベートーヴェンの楽譜を信じ、
一般的に行われている楽譜への改変を排して、
原典のまま再現しているところです。
具体的には、英雄では、
第一楽章の再現部でホルンが英雄の主題を
高らかに奏する場面も楽譜通り、木管に引き継いでいます。
また、第5番の再現部で、運命動機の提示から、
一旦区切りを入れるように、ファゴットが奏する部分は、
一般的にはホルンに改変している場合が多いですが、
フェレスはそのままファゴットに吹かせています。
僕個人としてもファゴットの断然良いと思います。
そして、モダン楽器のオーケストラに古楽器奏法も取り入れ、
推進力のある鮮烈な演奏を展開していて、おすすめの演奏です。
しかも速いテンポにも関わらず、細部の細かなニュアンスも
きちんと描き切っているところが驚異的です。
シュツットガルトのオーケストラというと放送交響楽団が有名ですが、
フィルハーモニー管もなかなか手練れの集団です。
この世代の指揮者にはネルソンスやユロフスキなど
面白い指揮者がいるので、今後も楽しみですね。
ガブリエル・フェルツ ベートーヴェン交響曲第3番&第5番
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン – Ludwig van Beethoven (1770-1827)
交響曲第3番 変ホ長調 「英雄」 Op. 55
Symphony No. 3 in E-Flat Major, Op. 55, “Eroica”
1.(16:54) I. Allegro con brio
2.(15:33) II. Marcia funebre: Adagio assai
3.(05:49) III. Scherzo: Allegro vivace
4.(11:30) IV. Finale: Allegro molto
total(49:46)
シュトゥットガルト・フィルハーモニー管弦楽団 – Stuttgart Philharmonic Orchestra
ガブリエル・フェルツ – Gabriel Feltz (指揮)
録音: 8 November 2012 and 29 May 2013, Recorded live from Liederhalle Beethovensaal, Stuttgart
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ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン – Ludwig van Beethoven (1770-1827)
交響曲第5番 ハ短調 「運命」 Op. 67
Symphony No. 5 in C Minor, Op. 67
5.(07:03) I. Allegro con brio
6.(09:31) II. Andante con moto
7.(04:55) III. Allegro
8.(08:17) IV. Allegro
total(29:46)
シュトゥットガルト・フィルハーモニー管弦楽団 – Stuttgart Philharmonic Orchestra
ガブリエル・フェルツ – Gabriel Feltz (指揮)
録音: 8 November 2012 and 29 May 2013, Recorded live from Liederhalle Beethovensaal, Stuttgart
ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」, 第5番「運命」(シュトゥットガルト・フィル/フェルツ)
ガブリエル・フェルツは、ハンブルク州立歌劇場でゲルト・アルブレヒトの助手を務め、リューベック市劇場へ転身。ブレーメン劇場、アルテンブルク・ゲラ市の管弦楽団および歌劇場の音楽総監督、そしてシュトゥットガルト・フィルの首席指揮者、シュトゥットガルト市の音楽総監督を務め、2013-14シーズンからは、ドルトムント市の音楽総監督、ドルトムント・フィルの首席指揮者に就任するなど、ドイツを中心に圧倒的な勢いで大活躍中のマエストロ。
独特の解釈で話題を呼んできたマーラーの交響曲サイクルに続き、フェルツとシュトゥットガルト・フィルが手がけたのはベートーヴェン! 第3番「英雄」と第5番「運命」、革命的で歴史的な2つの交響曲に真っ向から対峙するガブリエル・フェルツ。期待のベートーヴェン・プロジェクトの始まりです。
東京エムプラス 発売・販売元 提供資料 (2015/01/22)
最後に
年末、コンサート「ベートーヴェンは凄い! 全交響曲連続演奏会」に行ってきました。
そこで気になったのが、演奏が終わったとの拍手というか
「ブラボー!」という声が早すぎるのです。
会場放送なので、注意を促せないものでしょうか?
僕の一列目の70代とおぼしき男性も、
もう演奏が終わる前から、拍手の準備をしているくらいです。
コバケンさんが、指揮棒を下す前から、
拍手や掛け声を掛けられて多少の興ざめがあります。
拍手や掛け声は、指揮者が指揮棒を下す前まで待て!
ああ、アンケート用紙に書けばよかった。
ちなみにこのフェルツの録音は、ライブで終演後の拍手も収録されていますが、
演奏がきちんと終わり、一呼吸おいて拍手を掛け声を送っています。
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