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ヤンスク・カヒッゼの名演 ロシアの朝比奈と呼びたい悠然たる英雄

ベートーヴェン
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ヤンスク・カヒッゼ(CDの帯にはジャンスク・カヒッゼとをよび仮名を付けていた)は、
1936年のジョージアに生まれ、

2002年に66歳という指揮者としては、
若いくらいでがんで亡くなっています。

 

経歴をみるとなかなかの人で、
モスクワではマルケビッチの指導も受けています。

 

トビリシ交響楽団の音楽監督を長く就てめていて、
90年代には、フランスにも進出し、
パリ管弦楽団を指揮した、

ベルリオーズの「ファウストの劫罰」は高い評価を受けました。

 

フランスのル・モンド紙は、「スラブのカラヤン」と称したほどです。

 

さて、カヒッゼ親子の演奏中心に収録された、
ベートーヴェンの交響曲全集では、

 

ヤンスク・カヒッゼ指揮の第3番“英雄”が白眉です。

さっそく聴いてみました。




ヤンスク・カヒッゼ指揮トビリシ響のベートーヴェン“英雄”

 

ルードヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)

交響曲第3番変ホ長調作品55“英雄”
ⅠAllegro
ⅡAdagio
ⅢAllegro
ⅣAllegro-Andante-Presto
録音:1999年11月スタジオ
ヤンスク・カヒッゼ指揮
トビリシ交響楽団

 

第1楽章は、悠然たるテンポで展開していきます。

 

ル・モンド紙は、「スラブのカラヤン」と呼んだそうですが、
僕なら、「スラブの朝比奈隆」と呼びたくらいです。

 

理由は、その悠然たるテンポ設定です。

 

朝比奈隆の指揮をドイツ人よりもドイツっぽい演奏と言った
評論家がいましたが、

 

ヤンスク・カヒッゼの演奏は、
往年のドイツの巨匠の演奏を思い出させる名演です。

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100人の指揮者がいれば100通りのベートーヴェン

 

クラシック音楽は、作曲家が書いたスコアを
実際の音にして。聴衆に届けて初めて作品になります。

 

同じ文章を読んでも、それぞれ個性があるように、
同じスコアでも100人の指揮者が演奏すれば、
100通りの演奏があるわけです。

 

ベートーヴェンが好きなのと、
ベートーヴェンの交響曲はわかりやすいので、
低敵的に中古CDショップに足を運んで、

知らない指揮者の演奏ないかな、と探すのが楽しいひと時です。

 

ヤンスク(ジャンスク)・カヒッゼという指揮者の名前も、
1週間前には、知りませんでした。

 

世界は広いですね。

 

こんな出会いがあるから、中古CDショップ通いは
やまられないのです。

まとめ

 

本場ドイツでは、僕の知らない指揮者が、
伝統の響きも懐かしい、名演が繰り広げられているのかもしれません。

 

一方、日本に来る外国人観光客が、
日本人自身が、あまり興味を示さないし、

忘れ去られようとしている
伝統芸能に興味を示したりします。

 

ベートーヴェンの本場と思われるドイツ・オーストリアでは、
古楽器演奏に始まり、斬新的で実験的な方向にも大いに進んでようなのに、

 

離れた、ジョージア、そして極東日本では、

往年のドイツ風の演奏がカヒッゼや朝比奈に

よってされていたのは、興味深いです。



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