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第九に魅せられたワーグナーのピアノ編曲版 17歳の情熱を現代に再現!

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ベートーヴェンの第九に魅せられ、

その普及に努めた音楽家にメンデルスゾーンがいます。

 

メンデルスゾーンの功績は、もちろん作曲家としてもそうですが、

指揮者、演奏家として功績も多大で、

最大のものが100年間忘れられていたJ・S・バッハの「マタイ受難曲」の復活と、

ベートーヴェンの第九の普及が挙げられます。

 

そしてもう一人忘れてはならない後の大作曲家がいました。

リヒャルト・ワーグナーです。

 

メンデルスゾーンが、

ベルリンで「第九」のピアノ版を所見で弾いたのが17歳の年でしたが、

4歳年下のワーグナーが「第九」と出会ったのも1930年17歳の時でした。

 




第九の魅せられたワーグナーの17歳の行動力の凄さ

 

リヒャルト・ワーグナーは、

ドイツのオペラ史上最大の巨人で

波乱万丈の生涯を送った人ですが、

10代の時からその行動力は並ではありませんでした。

 

17歳でベートーヴェンの第九と出会うと、

その楽譜をどこからから借りてきて、

それを書き写し、さらに全曲のピアノ版まで作ってしまったのです。

 

19世紀当時は、楽譜も高価で、楽譜をレンタルする貸本屋がありました。

のちのロベルト・シューマンと結婚するクララの父、

フリードリッヒ・ヴィークもそんな楽譜の貸本屋を経営していて、

ワーグナーは、自伝「わが生涯」に、ヴィークの店から借りたと書いています。

 

しかも書き写したほどですから、数か月も借りて、

督促状まで来て、当然自分の小遣いで賄えず、

ついに家族に泣きついて払ってもらったという逸話もあります。

 

またヴィークはのちにピアノの教師となり、

その娘クララは、シューマンと結婚するのですが、

 

ワーグナーとシューマンは仲が悪かったそうで、

ワーグナーのその時のヴィークへの恨みからかもしれません。

 

さて、ワーグナーは、ヴィークの店から借りた第九の楽譜で研究を重ね、

第九のピアノ編曲版を作り、それを一面識もない、

ショット社という出版社に「出版してくれ!」持ち込みました。

 

もちろん相手にされなかったのですが、

その時ピアノ編曲版の楽譜に添えられていた手紙が、

現存するワーグナー最古の手紙です。

 

これが17歳の少年の行動力でしょうか!

 

そして後日談としては、

このショット社は後にワーグナー作品の出版元になるわけです。

 

だからもしワーグナーがそれっきりの人だったら、

この第九のピアノ版も陽の目を見なかったでしょう。

 



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第九のピアノ版 ワーグナー17歳の情熱を現代に再現

 

ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン – Ludwig van Beethoven (1770-1827)
交響曲第9番 ニ短調 Op. 125 (編曲:ワーグナー)
Beethoven – Symphony No. 9 in D Minor, “Choral”
編曲 : リヒャルト・ワーグナー – Richard Wagner

 

1.(15:05)I. Allegro ma non troppo, un poco maestoso
2.(14:37)II. Molto vivace
3.(12:00)III. Adagio molto e cantabile – Andante moderato – Adagio
4.(24:39)IV. Finale: Presto – Allegro
total(66:21)

 

緋田芳江 – Yoshie Hida (ソプラノ)
穴澤ゆう子 – Yuko Anazawa (アルト)
櫻田亮 – Makoto Sakurada (テノール)
浦野智行 – Chiyuki Urano (バリトン)
小川典子 – Noriko Ogawa (ピアノ)
バッハ・コレギウム・ジャパン合唱団 – Bach Collegium Japan Chorus
鈴木雅明 – Masaaki Suzuki (指揮)
録音: May 1998, Hibiki no Mori Okegawa City Arts Theatre, Japan

 

ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱付き」(ワ-グナーによるピアノ編曲版)(バッハ・コレギウム合唱団/小川典子/鈴木雅明)

 

 

投稿日:2008/12/17
年末といえば第九です。普通の録音を聞くのも良いのですが、NMLの膨大なライブラリーの中から、少し変わった演奏をご紹介します。それは、ピアノ編曲版。同じ編曲ではリストのものが有名ですが、これはワーグナーが編曲した珍しい版。しかもリスト版にはない合唱付きで、小川典子、鈴木雅明という、世界的に活躍する日本人による演奏です。他にマーラー編曲版(CRC2107)などもあります。

ナクソス・ミュージック・ライブラリーのコメントより

 

一台のピアノで表現するにはさすがに制限がありますが、

終楽章の独唱と合唱は、少人数故に精鋭の歌い手たちのアンサンブルは聴きものです。

 

また、第九を聴き込んだ人にはすごくおすすめです。

ピアノで表現できない部分は、自分の中でオーケストラ部分を再現して聴くことにより、

17歳のワーグナーの情熱に思いを馳せることができます。

 




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