こんにちは、
ともやんです。
クラウス・テンシュテット(1926-1998)は、旧東ドイツのメルゼブルクの生まれ。
ライプツィヒ音楽大学でピアノをローゼン、ヴァイオリンをダヴィッドソンに学びました。
1948年にハレ市立劇場のコンサートマスターに就任しましたが、52年に同団の指揮者に転向しました。
旧東ドイツ国内で活動していた時は、知名度も低かったですが、71年から西側で活動するようになり注目されるようになりました。
’79年から北ドイツ放送響の首席指揮者、’80年にはミネソタ管の首席客演指揮者、’83年からはロンドン・フィルの首席指揮者に就任しました。
しかし、’85年に癌と診断され、ロンドン・フィルの職務を全うできないとして辞任を申し出たのです。
当然、オーケストラ側からは強く慰留され、最終的に桂冠指揮者として留まることになりました。
皮肉なもので、病魔との闘いが進むにつれ、その芸風はより気迫と深みを増して行ったのです。
’93年から治療に専念するため事実上の引退となり’98年1月11日に永眠しました。享年71歳。
このブログでは、
テンシュテットの名盤 マーラーの巨人 生命を削るような魂の凄演
を以前アップしています。
マーラー:交響曲第2番 ハ短調「復活」テンシュテット&ロンドン・フィル
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またマーラーの”巨人”の翌年のロンドン・フィルとの”復活”も壮絶な演奏です。
テンシュテットとチョン・キョンファ
ヴァイオリニストのチョン・キョンファは、テンシュテットの信奉者でした。そしてどうしてもテンシュテットとの共演の録音を残したいと願っていました。
しかし、テンシュテットは、EMIの専属アーティスト。一方、チョン・キョンファは、デッカと契約していました。
そのため、チョン・キョンファは、デッカを離れ、EMIと契約してテンシュテットとの録音を果たしたという物語があります。
世界的なヴァイオリニスト、チョン・キョンファにそこまで慕われたテンシュテットの音楽性と人間性も素晴らしい人だったことを証明しています。
ベートーヴェンの協奏曲は、以前コンドラシンと共演していて2回目の録音。
敬愛するテンシュテットのサポートで、深く味わいのある名演を展開しています。
テンシュテット&チョン・キョンファ ベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン – Ludwig van Beethoven (1770-1827)
ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op. 61
Violin Concerto in D Major, Op. 61
1.(24:53) I. Allegro ma non troppo
2.(09:42) II. Larghetto
3.(10:07) III. Rondo: Allegro
total(44:42)
チョン・キョンファ – Kyung-Wha Chung (ヴァイオリン)
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団 – Royal Concertgebouw Orchestra
クラウス・テンシュテット – Klaus Tennstedt (指揮)
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マックス・ブルッフ – Max Bruch (1838-1920)
ヴァイオリン協奏曲第1番 ト短調 Op. 26
Violin Concerto No. 1 in G Minor, Op. 26
4.(08:37) I. Prelude: Allegro moderato
5.(09:02) II. Adagio
6.(07:26) III. Finale: Allegro energico
total(25:05)
チョン・キョンファ – Kyung-Wha Chung (ヴァイオリン)
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団 – London Philharmonic Orchestra
クラウス・テンシュテット – Klaus Tennstedt (指揮)
ベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲 ブルッフ ヴァイオリン協奏曲 第1番 チョン・キョンファ クラウス・テンシュテット ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
「クラシック・マスターズ」シリーズ。無駄を排し、透徹したヴァイオリンの音色。精神的に高められた、チョン・キョンファならではの信念に満ちた音色が立ちのぼっているアルバム。聴いていても身が引き締まるような格調高い演奏は、熾烈さと静寂を併せ持ち、ベートーヴェンの第2楽章で結実する。マックス・ブルッフも名技を凝らした名演を披露している。
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