こんにちは。
ともやんです。
最初聴いた瞬間、ブラームスの交響曲第5番かと錯覚したくらいシェーンベルクの素晴らしい編曲とラトル&バーミンガム市響との録音です。
ブラームス~シューンベルク編曲:ピアノ四重奏曲第1番 ト短調 作品25
サイモン・ラトル指揮
バーミンガム市交響楽団
1984年6月録音
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『シェーンベルク:管弦楽作品集』ブラームス/オーケストレーション:シェーンベルク ピアノ四重奏曲 第1番 ト短調 作品25
※残念ながら、バーミンガム市響との録音は単独のCDが見つかりません。ベルリンフィルの新録でお楽しみください。
僕が、クラシック音楽を聴き始めた頃は、有名な指揮者は、僕の祖父くらいの世代で、若手と言われていたアバド、マゼール、ムーティでさえ、僕の父親くらいの世代でした。
だから、僕と同世代の指揮者が出てこないかな、と思っていましたが、僕も年を取るにつれ、同世代の指揮者たちの活躍が目立つようになってきました。
その第一人者が、サイモン・ラトルです。
ラトル ブラームス ピアノ四重奏曲第1番 管弦楽版
サイモン・ラトルは1955年生まれで、僕より2歳年上。
ロンドン・オリンピックの開会式でオーケストラを指揮していた姿が印象的で、イギリスを代表する世界的な指揮者です。
このLPは、僕が初めてラトルの演奏に触れたもので、しかもその才能、恐るべしと感じた記念的LPです。
また選曲もユニーク、もしこの曲がブラームスの未発表の自筆楽譜発見なんて発表されたら信じてしまうくらいブラームス的なんです。
編曲者のシューンベルクは、厳格にブラームスの様式のなかにとどまって、現在、もしブラームスが生きていたとしても、ブラームスが行ったこと以上のことはしないという法則を守って編曲を行ったそうです。
実際、第1楽章のイントロが開始された瞬間、ブラームスの響きそのものと鳥肌が立つくらいです。
それはシューンベルクの編曲が凄いのか、ラトルの演奏が素晴らしいのか、多分、その両方なんでしょう。
ただ、さすがにシューンベルクは12音音楽の創始者で20世紀の人ですね。
打楽器の扱いや響きには、特に第4楽章あたりは、20世紀の作曲家ショスタコービッチぽいな、と思わせる部分がないでもありません。
僕がサイモン・ラトルという自分と同時代の指揮者の才能を強く感じた名盤です。
ブラームス ピアノ四重奏曲第1番 管弦楽版
ヨハネス・ブラームス – Johannes Brahms (1833-1897)
ピアノ四重奏曲第1番 ト短調 Op. 25 (編曲:A. シェーンベルク)
Piano Quartet No. 1 in G Minor, Op. 25 (orch. A. Schoenberg)
編曲 : アルノルト・シェーンベルク – Arnold Schoenberg
1.(13:59) I. Allegro
2.(08:19) II. Intermezzo: Allegro ma non troppo – Trio
3.(10:49) III. Andante con moto – Animato
4.(09:18) IV. Rondo alla zingarese: Presto
total(42:25)
バーミンガム市交響楽団 – City of Birmingham Symphony Orchestra
サイモン・ラトル – Simon Rattle (指揮)
残念ながら、バーミンガム市響との単独盤は、現在のカタログで探すことはできませんでした。
ただし、ラトル自身、この曲がお気に入りのようにベルリンフィルと再度録音しています。
なお、同曲をバーミンガム市響でという方は、ぜひバーミンガム市響との録音集からお聴きください。
このCD52枚セットは、ラトルがスターダムを駆け上がっていた頃の記録が詰まっています。
『シェーンベルク:管弦楽作品集』ブラームス/オーケストレーション:シェーンベルク ピアノ四重奏曲 第1番 ト短調 作品25
世界最高峰のオケと奏でる指揮者お得意の20世紀音楽
ブラームスのピアノ四重奏曲をシェーンベルクが管弦楽作品へとアレンジしたものをはじめ、管弦楽版の室内交響曲や「映画の一場面への伴奏音楽」などをライヴ収録。20世紀作品も得意とし、キャリアの早い時期から世界で認められたその実力が発揮された、注目すべきアルバムです。
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1980年に、若干25歳でバーミンガム市交響楽団首席指揮者・音楽監督に就任したラトル。徐々に世界的なオーケストラに育て上げ、ラトルのもとでヨーロッパ随一の演奏能力を持つようになり、特にロマン派音楽や現代音楽の解釈で高い評価を得られるようになりました。
ここにラトルとバーミンガム市交響楽団による録音をすべて収録した(協奏曲の伴奏ものは除く)限定ボックスです。ワーナーミュージック・ジャパン
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