こんにちは、
ともやんです。
ラファエル・クーベリックは、ブラームスの交響曲全集を2回録音しています。
今日ご紹介するの1回目の録音です。
僕は、未聴でしたが、友人の勧めのあって聴いてみました。
素晴らしいの一言です。
数あるブラームスの交響曲全集の中でもベストなもので入るのではと感じました。
ブラームス: 交響曲全集; ヤナーチェク: シンフォニエッタ<タワーレコード限定> ラファエル・クーベリック 、 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
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しかも現在タワーレコードから限定盤としてより原盤に近い内容で出ているのが嬉しいです。
クーベリック&ウィーンフィルのブラームス 英デッカ ステレオ黎明期の名盤
クーベリックとウィーンフィルのブラームス交響曲全集は、『交響曲CD 絶対の名盤』福島章恭著でも、非常に高く評価しています。
福島氏の文章を引用します。
英デッカのステレオ黎明期を代表する素晴らしい全集である。
クーベリックにはバイエルン放送響との全集もあるが、美しいのは断然こちらの旧全集だ。CDはいざ知らず、少なくともオリジナルの「レコード」としての価値は、クナッパツブッシュやシューリヒトの名盤たちに些かも引けと取らない。
うん?
オリジナルの「レコード」?
福島氏は、「レコード」は高く評価しているが、CDはいざ知らずなのです。
しかもこの録音を高く評価しているにもかかわらず、国内盤CDでは、その真価は伝わってこないと書かれています。
さらに、収録時間の関係で、一部リピート部分をカットするという暴挙までしているいるとのこと。
全く持って、信じられない話ですが、そのようです。
その点、タワーレコードの限定盤は、過去にそんな事実があったことを素直に認め、オリジナルに近い内容で提供しているので素晴らしいと思います。
クーベリックの名盤 ウィーンフィルとのブラームス交響曲全集
ヨハネス・ブラームス – Johannes Brahms (1833-1897)
交響曲第1番 ハ短調 Op. 68
Symphony No. 1 in C Minor, Op. 68
1.(14:03) I. Un poco sostenuto – Allegro – Meno allegro
2.(09:23) II. Andante sostenuto
3.(04:43) III. Un poco allegretto e grazioso
4.(16:52) IV. Adagio – Piu andante – Allegro non troppo ma con brio – Piu allegro
total(45:01)
録音:1957年9月23日-24日 ウィーン、ゾフィエンザール(ステレオ録音)
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交響曲第2番 ニ長調 Op. 73
Symphony No. 2 in D Major, Op. 73
5.(13:55) I. Allegro non troppo
6.(08:48) II. Adagio non troppo – L’istesso tempo, ma grazioso
7.(04:58) III. Allegretto grazioso (quasi andantino) – Presto ma non assai
8.(08:45) IV. Allegro con spirito
total(36:26)
録音:1957年3月4日-8日 ウィーン、ゾフィエンザール(ステレオ録音)
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交響曲第3番 ヘ長調 Op. 90
Symphony No. 3 in F Major, Op. 90
9.(13:59) I. Allegro con brio – Un poco sostenuto – Tempo I
10.(09:00) II. Andante
11.(06:08) III. Poco allegretto
12.(09:03) IV. Allegro
total(38:10)
録音:1957年9月23日-24日 ウィーン、ゾフィエンザール(ステレオ録音)
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交響曲第4番 ホ短調 Op. 98
Symphony No. 4 in E Minor, Op. 98
13.(11:22) I. Allegro non troppo
14.(11:09) II. Andante moderato
15.(06:23) III. Allegro giocoso – Poco meno presto – Tempo I
16.(09:49) IV. Allegro energico e passionato – Piu allegro
total(38:43)
録音:1956年3月24日-25日 ウィーン、ゾフィエンザール(ステレオ録音)
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 – Vienna Philharmonic Orchestra
ラファエル・クーベリック – Rafael Kubelik (指揮)
ブラームス: 交響曲全集; ヤナーチェク: シンフォニエッタ<タワーレコード限定> ラファエル・クーベリック 、 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
全集としては2種しかないクーベリックのブラームスの交響曲全集のうち、ステレオ初期のウィーン・フィルとの貴重な最初のセッション録音。
後のバイエルン放送響との録音では落ち着いた滋味溢れる好演奏を聴かせており、クーベリックのブラームス演奏はベートーヴェンと並んで高い評価を受けています。
ステレオ録音を始めたばかりのDECCAが、まだ40代になったばかりの若いクーベリックを使って全集録音を遂行しようとしたことは、当時いかに彼に期待を寄せていたかを物語っているとも言えます。
演奏は強靭な精神力を基に、クーベリック独自の圧倒的なブラームス感が濃厚に描かれています。後の演奏とは異なるこの響きは、ウィーン・フィルとDECCAとの組み合わせだからこその成果と言えましょう。
初出LPは現在でも非常に高値で取引されているほどのレア盤ですが、CD発売はこれまであまり恵まれていたとは言えませんでした。
以前の国内盤では収録時間の関係からか、一部楽章間の間隔が狭く、曲によってはオリジナルより短く収録されていた例もありました。
また、輸入盤でもこれまで発売機会は多くありませんでした。今回の再発ではマスターに忠実に各曲を収録し、音源もマスターに遡りあらたにCDマスターを制作。
ジャケットも可能な限り初出時デザインを採用しました(一部ブックレット内のジャケは除く)。国内盤では初めてのセット化であり、まさに記念イヤーを彩るディスクに仕上がっています。
また、特別収録として1955年に録音したヤナーチェクのシンフォニエッタを加えました。この曲は初出時10インチ盤として発売された大変貴重な音源で(その貴重なジャケ写はブックレット裏にカラーで収録)、モノラル録音ながらその音質の鮮明さと迫力、音の太さに驚くことでしょう。
1955年当時でこのようなHi-Fi録音ができたDECCAは、非常に先進的で尚且つ音楽的な感覚を大事にした稀なレーベルだったと思われますが、現代においても素晴らしい音質です。余談ですがブラームスの交響曲も初出時はモノラル盤で発売されました。
今回、ステレオ音源とは別のモノラル音源(エンジニアがステレオ盤と異なる)を試聴しましたが、ステレオ盤との余りの音質の違いに驚愕しました。
モノラルでありながらもその充実した響きは引けを取らないばかりか素晴らしい音質で、ステレオ盤とは別物です。
現在においてはステレオ盤ばかり評価されておりますが、機会があればぜひ復刻してみたいと思うほどの出来栄えでした。
尚、以前一部の国内盤の発売時に収録時間の関係からか一部割愛されていた提示部の繰り返しと楽章間のタイミングの縮小は、もちろん今回はありません。
タワーレコード (2014/01/30)
最後に
ウィーンフィルとブラームス交響曲全集は、1912年生まれのクーベリックの40代半ばの頃の録音です。
福島氏の著書の中で、バリリ四重奏団の一員であったヴァイオリニストのオットー・シュトラッサーの著書の内容を紹介しています。
それによると、このころのクーベリックは、自己主張が弱くて物足りない指揮者だった記述されているそうです。
しかし、僕はCDを聴く限り、そんな印象は受けないし、福島氏も主張しすぎないから、このような名演が生まれたのではないかと書かれています。
先日のマーラーに続いて、ブラームスも聴いて、僕の中でのクーベリック株は上昇中です。
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