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朝比奈隆のブルックナー第2番 雄大はスケールと詩情に身をまかせ

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僕は、80年代後半、

朝比奈隆氏のコンサートに何度が行きました。

 

もう30年ほど前なので、

正確な回数もプログラムもあまり憶えていませんが、
東京ということもあり、

オーケストラは、手兵の大阪フィルではなく、
新日本フィルや読売日響だったと思います。

 

読売日響では、ベートーヴェンの”英雄”がプログラムで、
そのは迫力ある音が印象的でした。

 

また、ブルックナーでは(何番か忘れた)終演後、

何度もカーテンコールで挨拶して、

朝比奈さんも当時既に80才前後だったけど、

 

ああ、幸せな方だな、とじーんとした記憶があります。

 

さて、今年は朝比奈隆氏の生誕110年。
カラヤンと同い年なんですね。

 

カラヤンは、89年に81才で逝きましたが、朝比奈氏は、その後10年以上も
演奏活動して、しかもシカゴ交響楽団の招きで、アメリカにも渡っています。

 

そして21世紀のゲートをくぐられた2001年10月29日に永眠されました。




ブルックナー第2交響曲 朝比奈隆&都響

 

アントン・ブルックナー(1824-1896)
交響曲第2番ハ短調(ハース版)

 

Ⅰ(19:19)Ziemlich schnell(かなり急速に)
Ⅱ(16:04)Adagio.Feierlich,etwas bewegt(荘重に、やや動きをもって)
Ⅲ(09:11)Scherzo:Schnell(急速に)
Ⅳ(20:22)Finale:Mehr Schnell(より速く)

 

録音:1986年9月11日 東京文化会館にて
朝比奈隆指揮
東京都交響楽団

 

こんなことを言うと、朝比奈さんのファンから怒られそうですが、
僕は、80年代に朝比奈さんのコンサートに何度か行きました。

 

ブルックナーも聴いたと思います。

ベートーヴェンも聴きました。

 

でも、正直言って、朝比奈さんのブルックナーには感動しなかったのです。

 

終演後の観客の熱狂を尻目に、僕は朝比奈さんの音楽が分からないのか、
と劣等感を覚えたものです。

 

また、逆に朝比奈さんに熱狂する人たちは、
昔からのファンで、音楽の出来よりも朝比奈さん自身への敬意の表現として
熱狂しているか、と思ったりもしました。

 

でも、今年に入って朝比奈さんの生誕110年ということもあり、
朝比奈さんのCDを積極的に聴くようになり、
しかも、ブルックナーを毎日繰り返し聴くことを続けていると、

 

ああ、そうだったのか!!!

 

とまるで、雨雲が一気に吹き飛び、真っ青な空が広がったように、わかったのです。

 

つまり、僕が未熟だった、それだけだったのです。

 

当時の僕は、30才前後、ブルックナーを聴いていたつもりが不十分だったのと、
朝比奈さんの真摯で、厳しくて、武骨で、頑固で、格調が高い音楽が、
わからなかったのです。

 

そう、僕のブルックナー初体験は、カラヤン指揮ベルリンフィルで、
ムード満点の華麗な演奏だったから、朝比奈さんの剛毅で素朴な演奏は、
良く咀嚼しないとその味わいがわからなかったわけで、

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当時の僕は、柔らかくて食べやすいものばかりだったのです。

 

でも、時は経ち、僕は少しは成長したのかもしれません。

 

ヨッフムを聴き、クレンペラーを聴き、シューリヒトを聴き、

クナッパーツブッシュを聴き、十分耳が肥えてきたのです。

 

そして聴いた、朝比奈さんの第2番。

 

詩情豊かな演奏に、身も心も任せたいと思う演奏で、
聴くというよりも、浸る、溶け込むという感覚になります。

 

出来ることなら、30年前に戻って、また朝比奈さんの実演を聴きたい!




朝比奈隆のブルックナー 歴史的な名盤

朝比奈隆は、1908年東京生まれ。
はからずもヘルベルト・フォン・カラヤンと同い年です。

 

京都帝国大学卒。

指揮をロシア出身のメッテルに学びました。

 

1947年(昭和22年)、関西交響楽団(現大阪フィルハーモニー交響楽団)を組織。
1953年(昭和28年)ヘルシンキ交響楽団を指揮、以降ベルリンフィル、

北ドイツ放送響、スロヴァキアフィルなど数多くの海外オーケストラに客演。

 

1996年5月には、シカゴ交響楽団の招きで

ブルックナーの第5交響曲を指揮をして話題になりました。

 

個人的には、1975年大阪フィルのヨーロッパ公演の時の記録、
ブルックナーの遺体を聖遺物として守護する聖フローリアンで演奏された、
ブルックナーの第7交響曲のLP2枚組が宝物です。

 

 

 

作曲家と作品に奉仕しようという謙虚で誠実な姿勢が胸を打つ感動のブルックナー。

まとめ

 

ここ2週間ほどは、毎日ブルックナーです。

第1番から始めて、いろんな指揮者の演奏を聴いてきました。

 

名盤の誉れの高い、ヨッフムの新旧2種類の全集や、ティントナーの渋い演奏、
コンビチュニーの剛毅な演奏、カラヤンの華麗な演奏、ヴァントの厳しい演奏などなど、

 

その中で朝比奈隆の演奏は、武骨で、素朴だけど、

噛めば噛むほど味わいの出てくる演奏なのです。

 

さあ、これから中期から後期の巨峰に臨むわけで、

クナッパーツブッシュ、クレンペラー、朝比奈隆などが峰々が遥かに見えます。



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