こんにちは、
ともやんです。
パーヴォ・ヤルヴィは、現在世界的にみてもっとも多忙な指揮者の一人です。
タワーレコード・オンラインにアップされている簡単なプロフィールを見ても、それは伺えます。
1962年12月30日生まれ、エストニア・タリン出身の指揮者。指揮者のネーメ・ヤルヴィを父にもち、弟のクリスチャンは指揮者、妹のマーリカはフルート奏者。タリンの音楽学校で打楽器と指揮を学び、米・カーティス音楽院で研鑽を積む。レナード・バーンスタインに師事。シンシナティ響、フランクフルト放送響、パリ管などで音楽監督や首席指揮者を歴任後、ドイツ・カンマーフィルの芸術監督、N響の首席指揮者やチューリッヒ・トーンハレ管の首席指揮者兼音楽監督、hr響の桂冠指揮者などを務め、国際的に活躍。
さて、以前首席指揮者と務めていたフランクフルト放送交響楽団とのブルックナー交響曲全集が、ブルックナーの没後125年を記念して8月25日発売されました。
ブルックナー・ファンとしては、注目盤は聴かないと、ということで早速第0番から聴きだしました。
パーヴォ・ヤルヴィ ブルックナー交響曲全集 概要
フランクフルト放送響とのブルックナー交響曲全集は、第0番から第9番までの10曲が収録されています。
最初の録音が、2006年11月に行われた第7番で、最後で2017年3月の第0番と足掛け11年に渡っての完成です。
まず前半の第0番から第4番までの触りだけ聴いてみました。
パーヴォ・ヤルヴィ ブルックナー 交響曲全集より第0番&第1番
また先日は、第0番と第1番のレビューも記しました。
さて、今日は第3番を聴きました。第2番を飛び越えたのは、特に大きな理由があったわけではありません。単に大好きな第3番を早く聴きたかっただけだからです。
やっぱいいです。テンポはやや速め。僕は、あまりにゆったりしたブルックナーよりもやや速めの演奏が好きです。特に第4番以前の作品にはそれを感じます。
聴いていて、あれ、もう終わったの?と印象で、聴き終わってからまた第1楽章から聴き直したくらいです。
第3番は、1872年から73年に掛けて作曲された曲で、既に50歳を手前にしていましたが、大器晩成の彼がこの後もどんどん力作を作曲していきます。
僕はこの曲が大好きで、第1楽章の弦の伴奏に乗って、トランペットで奏でられる主題を聴いただけでわくわくしてしまいます。
で、ブルックナーとしては初期のこの作品は、スローテンポでもっさり演奏されるよりもやや速めの演奏を好みます。
パーヴォ・ヤルヴィの演奏は、ヨッフム&ドレスデン盤の55分代よりも4分近く短い51分台で駆け抜けます。
でもそこに速いという印象はなく、しっかり奏で切っています。
そして、金管を抑え気味で弦と木管主体の響きも好きです。
次は、後期に作品も聴いて行くのが楽しみです。
パーヴォ・ヤルヴィ ブルックナー 交響曲第3番
アントン・ブルックナー – Anton Bruckner (1824-1896)
交響曲第3番 ニ短調 WAB 103 (1889年稿・ノヴァーク版)
Symphony No. 3 in D Minor, WAB 103 (1889 version, ed. L. Nowak)
1.(20:15) I. Massig bewegt
2.(13:04) II. Adagio. Bewegt, quasi andante
3.(06:43) III. Scherzo: Ziemlich schnell
4.(11:51) IV. Finale: Allegro
total(51:53)
フランクフルト放送交響楽団 – Frankfurt Radio Symphony Orchestra
パーヴォ・ヤルヴィ – Paavo Jarvi (指揮)
録音:2017年3月
フランクフルト、アルテ・オーパーでのライヴ・レコーディング
ブルックナー:交響曲全集[第0番~第9番] パーヴォ・ヤルヴィ フランクフルト放送交響楽団
経験を積んだ老齢の指揮者のみが名演を成し遂げるというイメージがあるブルックナーの交響曲ですが、ヤルヴィは、速めのテンポで音楽を息づかせ、細部を緻密に仕上げつつ、ブルックナーの特徴である巨大なブロック構造を明晰に提示しています。
特に初期交響曲は「シューベルトやメンデルスゾーンの延長にある」と捉えた清新なアプローチが極めて新鮮で、N響定期でも披露され絶賛されたのも記憶に新しいところ。中期以降でも「第5番」の終楽章フーガの明晰な音捌き、「第7番」の歌謡性や「第9番」の宇宙的な深遠さの表出など、それぞれの作品の個性を鮮やかに捉えています。タワーレコードより
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