こんにちは、
ともやんです。
凄い演奏とは聴いていましたが、これほどとは思いませんでした。
何と言ってもショパンは、ロマン派のピアニストで作曲家。
淡々と演奏されても面白くない。
第1番の最初の一音から違う!
凄い!
なんだ、この濃厚なロマンティシズムは!
ショパンのピアノ協奏曲は、管弦楽の部分がつまらないと言われし、数日前に聴いたアルゲリッチの伴奏をするアバド&ロンドン響など、ツィメルマンを聴いた後では、あまりの淡白さで聴く気がしなくなる。
ツィメルマンの志 ショパンへの思い
クリスチャン・ツィメルマンは、1956年生まれのポーランド出身のピアニスト。
だから今年で65歳。僕より1歳年上。
CD紹介の本などには、ツィマーマンと表記されているものもあります。
スペルは、Zimermanなので、英語読みだとツィマーマンなのでしょうか。
あのボブ・ディランの本名は、Zimmermanなので、ユダヤ系だと音楽家だと思います。
ここで、再び先日聴いたアルゲリッチの伴奏をするアバド&ロンドン響を例に挙げます。
僕は、ショパンはいま一つ苦手でした。
特にピアノ協奏曲は、あまり聴く気がしませんでした。
先日聴いた、アルゲリッチとアバドの共演盤もピアノで出てくるまでの長い序奏が苦手でした。なんでこんなに淡々と淡白に演奏するんだろうと不思議に思い、不満も感じました。
ただ、CD評などには、アバド&ロンドン響がしっかりサポートなど的に書いているのです。つまりアバドの指揮が問題ではなく、ショパンのピアノ協奏曲の伴奏は、あくまでピアノが主役で、本当の伴奏に徹する的な演奏が主流だったと思います。
しかし、ツィメルマンは、それが不満でした。
そんなら、俺が自分の思い通りになる楽団を組織して、思うような演奏をしてやるという志しを持ったのです。
そして、それを実行に移し、スポンサー探しから始め若手音楽家を集め、ポーランド祝祭管弦楽団を組織しましました。
それが1998年12月のこと。
それから、コンチェルトでは考えられない長時間のリハーサルで練り上げ、ショパンの2つのピアノ協奏曲を持って、3ヵ月間、40公演に及ぶ世界演奏旅行を敢行したのです。
このCDはその演奏旅行の途次に、イタリアでのスタジオ録音の記録です。
ツィメルマン ショパンピアノ協奏曲第1番&第2番
とにかく第1音からして他のCDとはまるで違う。
表情がたっぷりとつき、テンポも大きく変動させ、陰影の幅を大きく取り、しかも微妙な抑揚もつけて、溢れんばかり、滴るように濃厚なロマンティシズムをたっぷりと味わわせてくれる演奏です。
この演奏を聴くと他のCDがもの足りなくなってしまいます。
ツィメルマンのピアノソロも見事!
宇野功芳氏は、著書に次のように表現しています。
“結晶化した強靭なタッチ、鮮明な強弱の対比、音色の無限の変化。あるときは艶がしたたり落ち、甘さがとろけ、あるときは散りゆく花のようなはかなさを秘め、悲しみの心が切なくふくらみ、その上、最高のしゃれっ気と名人芸的なピアニズムの粋を見せるのだからたまらない。”
ぜひ聴いてください。
フレデリック・ショパン – Fryderyk Chopin (1810-1849)
ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 Op. 11
Piano Concerto No. 1 in E Minor, Op. 11
1.(23:24) I. Allegro maestoso
2.(12:35) II. Romanza: Larghetto
3.(09:53) III. Rondo: Vivace
total(45:52)
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ピアノ協奏曲第2番 ヘ短調 Op. 21
Piano Concerto No. 2 in F Minor, Op. 21
4.(15:36) I. Maestoso
5.(11:06) II. Larghetto
6.(09:06) III. Allegro vivace
total(35:48)
クリスチャン・ツィメルマン – Krystian Zimerman (ピアノ)
ポーランド祝祭管弦楽団 – Polish Festival Orchestra
クリスチャン・ツィメルマン – Krystian Zimerman (指揮)
録音:1999年8月, トリノ, Auditorium Giovanni Agnelli
ショパン ピアノ協奏曲第1番・第2番 クリスチャン・ツィメルマン ポーランド祝祭管弦楽団
ショパン没後150年を機に、優秀な若手奏者を選抜してツィメルマン自らが組織したポーランド祝祭管弦楽団と綿密なリハーサルを繰り返した後に行われた演奏旅行の途次に録音されたピアノ協奏曲。細部にまでツィメルマンの意思が徹底され、全身全霊を傾けることで実現した奇跡的名演。
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