こんにちは、
ともやんです。
ヨーゼフ・クリップスは、1902年4月8日ウィーン生まれ。1974年10月13日ジュネーブで死去。
今年が生誕120年で、今日が没後48年目の命日です。
僕のお気に入りの指揮者です。
実力があり実績も素晴らしい、でもスター指揮者ではなく通好みの人という感じです。
僕はそんな指揮者が好きです。
クリップス以外では、ハンス・シュミット=イッセルシュテット(1900-1973)フランツ・コンビチュニー(1901-1962)ルドルフ・ケンペ(1910-1976)と言った人たちがいます。
彼らに共通しているのは、特別なことをしているわけではないのに、その音楽は充実して深い内容を持ち感動させてくれます。まさに正攻法な解釈なのです。
もう少しスター性のあった人では、オイゲン・ヨッフム(1902-1987)やコリン・デイヴィス(1927-2013)もそんな巨匠でした。
結局は僕自身も音楽に関しては保守的なのでしょう。
ヨーゼフ・クリップスについて
実力があるのに少し地味な印象の人たちに共通しているのは、関連書籍や記事が少ないことです。クリップスに関してもやはり情報量は少なく、ネット検索してもCD関連のものばかりです。
その中で、次の本には「忘れえぬ指揮者たち」として真っ先に取り上げられています。
その本とは、『
『新版 巨匠たちの音、巨匠たちの姿 (1950年代・欧米コンサート風景)』植村攻著です。
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著者の植村氏は、音楽評論家でも音楽関連企業の人ではありません。銀行員です。大学卒業後1950年に銀行員となったが、1年間留学生としてシカゴで過ごし、帰国後今度はロンドン支店に配属されました。その1952年から59年までの7年間にアフター5や休暇を利用して通ったコンサートの模様を綴ったものです。
植村氏は、几帳面な方で、通ったコンサートの日時、演奏家などしっかり記録していて、後に書籍化され、音楽評論家顔負けというかそれ以上の素晴らしい本になっています。
その本の中の「忘れえぬ指揮者」の章の筆頭にヨーゼフ・クリップスを取り上げています。1950年代のロンドンというと正規の巨匠オットー・クレンペラーとフィルハーモニア管のコンビが話題をさらっていましたが、クリップスとロンドン響はそれに対抗するように、モーツァルト、ベートーヴェン、ブラームスといった人気プログラムでコンサートを行っていました。
クレンペラーの風貌や経歴からの独特なカリスマ的な雰囲気に対して、クリップスは丸顔に丸眼鏡で会社の重役のようなタイプで、太った身体を精力的に動かし、観客にも笑みを絶やさなかったそうです。また指揮ぶりは極めて情熱的でモーションも大きくフィナーレの盛り上がりでは、脳溢血でも起こさないか心配だったそうです。
クリップスのマーラー
クリップスの録音を見ると、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルト、ブラームスといったところが中心です。
オーストリア出身指揮者でいながら、ブルックナーの録音が見受けられないのが寂しいです。そんな中、マーラーの録音を見つけました。しかもBBC放送のエアチェックを録音したとは思えないほど、音質もよくクリップスの解釈を知るには素晴らしい資料でだと思います。
淡々と刻明に描く演奏は、後期ロマン派の作曲家マーラーが、まるでハイドンやモーツァルトと同時代の人だったんじゃないか、なんて錯覚をさせるほどのチャーミングな演奏になっています。
ぜひ、聴いてほしい名演です。
ヨーゼフ・クリップス 名盤 マーラー交響曲第4番
グスタフ・マーラー – Gustav Mahler (1860-1911)
交響曲第4番 ト長調
Symphony No. 4 in G Major
作詞 : 伝承 – Traditional
1.(17:38) I. Bedachtig, nicht eilen
2.(09:49) II. In gemachlicher Bewegung, ohne Hast
3.(23:08) III. Ruhevoll, poco adagio
4.(09:47) IV. Wir geniessen die Himmlischen Freuden. Sehr behaglich
total(60:22)
シュザンヌ・ダンコ – Suzanne Danco (ソプラノ)
ロンドン交響楽団 – London Symphony Orchestra
ヨーゼフ・クリップス – Josef Krips (指揮)
録音: 20 January 1957, Royal Festival Hall, London, England, UK
マーラー: 交響曲第4番 ヨーゼフ・クリップス 、 ロンドン交響楽団 シュザンヌ・ダンコ
名匠クリップスが振る、マーラー交響曲第4番!
「リリタ(Lyrita)」の創設者、リチャード・イッターが蒐集していたBBC放送のコレクションから、ヨーゼフ・クリップス&ロンドン響による「マーラーの交響曲第4番」の貴重な音源を復刻。ソリストは、ベルギーの名ソプラノ、シュザンヌ・ダンコが務めています。
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