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ヨーゼフ・クリップスの名盤 モーツァルト交響曲選集

クリップス
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こんにちは、
ともやんです。

モーツァルトのCDは、たくさん持っていますが、ヨーゼフ・クリップス指揮コンセルトヘボウ管との選集ほど、指揮者、オーケストラ、録音3拍子揃って高水準というものなかなかありません。

しかも選集ということで21番から41番までという収録曲もいいですね。

ベーム、グラーフ、ホグウッドで全集を所有していますが、正直、全てを聴いておりません。

僕の場合は、やはり20番台の25番、29番から後の作品ですね。

だから、この収録20曲でCD6枚組などは、出張や旅行に持っていくにもちょうどいいのです。

出張など、慣れない土地での緊張したビジネスのあとで、ホテルの一室で一人聴く、クリップスのモーツァルトは最高に癒されますし、クラシック音楽好きになって良かったなと思う時間でもあります。

さて、クリップスのモーツァルト交響曲選集は、あまりにも素晴らしいので、選集全体をまとめてレビューするのは、もったいないので1枚ずつご案内していきます。

今日は、30番、33番、34番。

30番の音が鳴りだした瞬間、あまりに清らかで煌めく音に一瞬でこころを奪われます。

参照文献:「名曲事典」属啓成(さっかけいせい)著、音楽之友社、
「クラシック音楽鑑賞事典」神保璟一郎著、講談社学術文庫
「モーツァルトをCDで究める」福島章恭著、毎日新聞社

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ヨーゼフ・クリップス モーツァルト交響曲第30番

ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-1791))
交響曲第30番ニ長調K.202

Ⅰ(06:37)Molto allegro
Ⅱ(03:48)Andantino con moto
Ⅲ(04:05)Menuetto-Trio
Ⅳ(03:32)Presto

ヨーゼフ・クリップス指揮
コンセルトヘボウ管弦楽団
録音:1973年6月

1773年3月、モーツァルト17歳の時に、第3回のイタリア旅行から帰って来て、その年のうちに7曲と、74年に3曲、計10曲の交響曲を書きました。

これら10曲は明らかに2つの趣の異なるグループに分けられ、最初の5曲(22番、23番、24番、26番、27番)は、新たにイタリアで受けた影響と思われるイタリアの序曲形式によるものでした。

一方、あとの4曲(25番、28番、29番、30番)は、ウィーンの様式によった独立した4楽章で構成される交響曲でした。

こちらの方に後年名曲とされる25番、29番が含まれるのが興味深いですね。

もう一曲は、番号はついていませんが、ニ長調K.196があります。

第30番は、1774年5月5日ザルツブルクで完成した、このグループ最後のもので、このあと4年間、モーツァルトは交響曲から遠ざかります。

典雅にしてフレッシュな曲想で、クリップスの指揮とコンセルトヘボウの豊かな響きがそれを際立出せてくれます。

特にコンセルトヘボウ管の弦の絹のような肌触りの音と、それを伝えてくれる録音が最高です。

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ヨーゼフ・クリップス モーツァルト交響曲第33番

ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-1791))
交響曲第33番変ロ長調K.319

Ⅰ(07:37)Allegro assai
Ⅱ(04:36)Andante moderato
Ⅲ(02:48)Menuetto-Trio
Ⅳ(06:41)Finale:Allegro assai

ヨーゼフ・クリップス指揮
コンセルトヘボウ管弦楽団
録音:1973年6月

ベートーヴェンの第8交響曲と比較されるほど、楽しく、明るく、ユーモアに満ちていますが、この交響曲の作られた1779年ごろは、ザルツブルクにいて、むしろ苦渋の時代でもありました。

初演された当時は、三楽章でしたが、のち、メヌエットの楽章がウィーンで書かれ、今日の形となりました。

興味深いのが、展開部では新しいモティーフがいろいろ積み重ねられて使用されますが、これがなんと第41番ジュピター交響曲の終楽章のフーガの主題なのです。

第1交響曲にも使われていること考えると面白いですね。

演奏は、何も言うことはありません。

ただただ、クリップスの創り出すモーツァルトの世界に浸るだけです。

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ヨーゼフ・クリップス モーツァルト交響曲第34番

ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-1791))
交響曲第34番ハ長調K.338

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Ⅰ(07:19)Allegro vivace
Ⅱ(07:06)Andante di molto piu tosto allegretto
Ⅲ(06:25)Finale(Allegro vivace)

ヨーゼフ・クリップス指揮
コンセルトヘボウ管弦楽団
録音:1973年9月

1780年、モーツァルトの24歳のときの作品です。

ちょうどこの2年前には最愛の母を亡くし、恋愛にも失敗したモーツァルトではありますが、そうした憂鬱な影はみじんもこの曲の中には見出せません。

などと解説書では書いてありますが、

第1楽章の短調に転調した時の寂しさに暗い影を感じるのは僕だけでしょうか。
人間的にも成長して、曲想にも深みが出てきたと思います。

名指揮者で、特にモーツァルト指揮者でない人の中にも、この曲に特別な思いを持っている人もいて、例えばルドルフ・ケンペなどは、特別にこの曲を取り上げています。

このブログでも取り上げていますので、良かったらあわせてお読み頂ければ幸いです。

ルドルフ・ケンペのモーツァルト交響曲第34番

とにかく、クリップスとコンセルトヘボウ管の演奏は最高です。

しかも、木管や金管の音は、波間に陽光がキラキラ輝くように、響くさまは絶品です。

まとめ

私の敬愛する評論家福島章恭氏の著書「モーツァルトをCDで究める」の中のクリップス指揮コンセルトヘボウ管についてのコメントが素晴らしいです。

以下の引用いたします。

素材の味を生かした薄味の料理のように、

これは回を重ねると本当のさが分かってくる。

一度、この絶妙の味を知ると、化学調味料たっぷりのニセモノは口に合わなくなるのだ。

クリップスの演奏を繰り返し聴いて、本物の分かる耳を育てて頂きたい。

モーツァルト: 交響曲集(第21-36番・第38-41番), リハーサル付(第33番)<タワーレコード限定>

↑ ↑ ↑
どうですか、ぜひ何度も繰り返し聴いてみてください。

現在の販売状況を見ると、タワーレコードから、限定盤が出ていて、これがなんと33番のリハーサル付きだそうです。

僕が持っているCDセットには収録されていないので、これは買いですよ。



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