こんにちは、
ともやんです。
今年2019年8月28日は、カール・ベーム(1894-1981)の125回目の誕生日でした。
僕がクラシック音楽を聴き始めた’70年代は、ベームとカラヤンの人気が双璧で、スマートでゴージャスな演奏のカラヤンに対して野暮ったいけど中身にある演奏するベームという対立構図があり、中学生のくせに生意気にも友人と意見を戦わせていたものです。
でもいま考えるとどちらもドイツ・グラモフォンの看板指揮者でレコード会社が仕掛けて評論家たちが煽っていたのではと勘ぐってしまいます。
僕は、’73年3月にウィーンフィルの来日公演に行きましたが、指揮者がベームでなくアバドだったことが後々まで残念だったことを思い出します。
ベーム&シュターツカペレ・ドレスデン シューベルト「ザ・グレート」
さて、今日は今から40年前の1979年1月12日にドレスデンで行われたコンサートのライブ録音をご案内します。
いくつかCDが出ていますが、こちらが同日演奏された未完成も収録されているのでおすすめです。
↓
Sein Dresdner Abschiedskonzert(ベームのドレスデン最後のコンサート)
ザ・グレートは、開始のホルンのかっちりとして、でもなんか朴訥としたソロから堪りません。そしてシュターツカペレ・ドレスデンので、弦と木管の響きがまたいいのです。
当時の首席指揮者が、ブロムシュテットでしたので、この素朴にして艶やかな響きの素晴らしかったことが頷けます。
ベームも戦前首席指揮者を務めていました。
ベームはこの曲を得意としていてベルリンフィル、ウィーンフィルの来日公演の録音もありますが、僕はこのドレスデンの演奏が一押しです。
オーケストラの響きと84歳にしてなおも燃えるベームの熱演が聴けるからです。
おすすめの録音です。
一緒に収録されている同日の「未完成」も地の底から響いてくるイントロとスローテンポの展開でこちらもオーケストラの響きを堪能できます。
また、ベームの首席時代の42年の第5番も収録されています。
颯爽として演奏で、壮年期のベームを知ることができる演奏です。
しかも1956年10月6日のラジオ放送でのベームの肉声も聴くことが出来ます。
↓
Sein Dresdner Abschiedskonzert(ベームのドレスデン最後のコンサート)
フランツ・シューベルト – Franz Schubert (1797-1828)
交響曲第8番 ロ短調 「未完成」 D. 759
Symphony No. 8 in B Minor, D. 759, “Unfinished”
1.(11:47) I. Allegro moderato
2.(11:38) II. Andante con moto
total(23:25)
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フランツ・シューベルト – Franz Schubert (1797-1828)
交響曲第9番 ハ長調 「ザ・グレート」 D. 944
Symphony No. 9 in C Major, D. 944, “Great”
1.(13:54) I. Andante – Allegro ma non troppo
2.(13:29) II. Andante con moto
3.(11:01) III. Scherzo: Allegro vivace
4.(12:07) IV. Allegro vivace
total(50:31)
シュターツカペレ・ドレスデン – Dresden Staatskapelle
カール・ベーム – Karl Bohm (指揮)
録音: 12 January 1979, Festival Hall of the Dresden Palace of Culture
Sein Dresdner Abschiedskonzert(ベームのドレスデン最後のコンサート)
ベーム シューベルト交響曲第9番「ザ・グレイト」をSACDで
タワーレコードでは、ベームの生誕125周年を記念して、タワーレコード限定としてSACDでも販売しています。
【SACDハイブリッド】 シューベルト:交響曲第9番≪ザ・グレイト≫<タワーレコード限定> カール・ベーム 、 シュターツカペレ・ドレスデン
1979年のライヴを世界初SA-CD化。オリジナル・アナログ・マスターから本国で新規マスタリング
カール・ベームとシューベルトとの結び付きは強く、モーツァルトやベートーヴェン、ブラームス、そしてR.シュトラウスと並んで生涯にわたり取り上げ続けた作曲家でした。
音源もステレオ期の正規録音ではベルリン・フィルとの交響曲全集やウィーン・フィルとの一部の曲(さらに75年の来日時のライヴも)の後、最晩年のこの1979年収録の「グレイト」のライヴが、ベームにとっては最後のシューベルト録音となりました。
「グレイト」自体としても別のオケでのリハーサル風景も残されており、その執拗なまでの拘りはベームの音楽に対する姿勢が如実に現れたかのようで、大変興味深いシーンとなっていました。
ベーム84歳時のこの録音は1日のライヴが収録されており、急遽リリースされたと思われます。この演奏はベームの死後に追悼盤として、ウィーン・フィルとのデジタル録音の第九(PROC1992で発売中)と共に日本では81年の12月に発売されました。
ベームのDGの「グレイト」のなかではもっとも演奏時間が短く、壮年期のライヴを彷彿させるかのように熱く、推進力に満ちた演奏となっているのが特徴です。
by タワーレコード
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