こんにちは。
ともやんです。
ワルター&コロンビア交響楽団によるステレオ録音の中でも、特に素晴らしい録音です。
ワルターと文通の経験もある評論家故宇野功芳の著書「名指揮者ワルターの名盤駄盤」でも、この録音を高く評価しています。
一部、以下抜粋します。
“スケルツォ以降はワルターのすべてのレコードの中でも最高傑作に数えられるものであろう。それどころかフルトヴェングラーやベームに比してもぼくはこのワルターを第一に買いたいのである。”
フランツ・シューベルト(1797-1828)
交響曲第9番ハ長調「ザ・グレート」
ブルーノワルター指揮
コロンビア交響楽団
名盤とは聞いていいましたが、これほどまでとは思いませんでした。
シューベルトのザ・グレートは、ワルターの数ある録音の中でも名盤の誉れが高いものでしたが、これはクラシック音楽ファンのみならず、多くの音楽ファンに聴いてもらいたい名盤です。
コロンビア響に溢れるワルターへの愛
ワルターはゆったりとしたテンポで進めていきますが、特に特別なことをしている訳ではありません。
でも、この演奏が心に響いてくるのは、各パートの演奏者が、演奏する喜びに溢れ、生き生きと自分のパートを演奏し切っているところです。
このコロンビア交響楽団は、アメリカのコロンビア・レコード社がレコード録音用に結成されたオーケストラで常設ではなかったようです。
そんなこともあり、オーケストラの響きとしては、充実さに乏しいとか、小編成から響きが薄いなどいう評論も見受けられます。
その傾向は分かりますが、僕が一番感じるのは、コロンビア響のメンバーが、ワルターを敬愛し、ワルターと一緒に音楽をする悦びに溢れ、ワルターの音楽を後世に遺して行くんだという使命感に溢れている感じが伝わってきます。
ブルーノ・ワルター シューベルト交響曲第9番「ザ・グレート」
フランツ・シューベルト – Franz Schubert (1797-1828)
交響曲第9番 ハ長調 「ザ・グレート」 D. 944
Symphony No. 9 in C Major, D. 944, “Great”
1.(14:39) I. Andante – Allegro ma non troppo
2.(15:04) II. Andante con moto
3.(09:52) III. Scherzo: Allegro vivace – Trio
4.(12:31) IV. Allegro vivace
total(52:06)
コロンビア交響楽団 – Columbia Symphony Orchestra
ブルーノ・ワルター – Bruno Walter (指揮)
録音: January / February 1959, Hollywood, United States
シューベルト:交響曲第9番「ザ・グレイト」 ブルーノ・ワルター コロンビア交響楽団
ブルーノ・ワルター(1876-1962)が最晩年の1957年~61年にかけて残したステレオ録音は、彼の膨大なディスコグラフィの中でも最重要の演奏であり、長い音楽活動のさまざまな経験と深い洞察とが結実した、録音の「世界遺産」級の名盤ぞろい。
特別に組織されたコロンビア交響楽団との緻密なリハーサルとセッションを積み重ね、音響効果の優れたアメリカン・リージョン・ホールで最新鋭の機材・技術で収録されたステレオ初期の名録音です。
それらを1998年以来21年ぶりに新規リミックス&リマスターし、2020年度第58回「レコード・アカデミー賞」特別部門・特別賞を受賞した『ブルーノ・ワルター全ステレオ録音SA-CDハイブリッド・エディション』(全7巻・2019~20年発売)からの分売です。
この「ザ・グレイト」はロマンティックな情緒に満ち、しかも凄まじいまでの緊張感と迫力が全曲にわたって途切れない稀有の名演。絶妙なテンポの動かし方や木管の金管の独特のバランスはワルターならではの名人芸といえましょう。ワルターがコロンビア交響楽団と残した最高傑作の1枚です。
ワルター&コロンビア響の名盤ベスト3
ワルター&コロンビア響のシューベルトの「ザ・グレート」は、このコンビのベスト3に入る名演の名盤だと思います。
このコンビがステレオ録音を行ったのが、1957年から1961年とわずか4年ほどでした。
すでに80才を超えたワルターには、体力的に辛いこともあったと思います。
でも、残されているリハーサル録音を聴くと、意外と若々しい声で、熱心に指示を与えるワルターが聴かれます。
とても80才という年齢は感じさせません。
ワルター&コロンビア響のベスト3は、
ベートーヴェン交響曲第6番「田園」
マーラー交響曲第1番「巨人」
そして、このシューベルトのザ・グレートですね。
ではまた。
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