こんにちは、
ともやんです。
僕がクラシック音楽のCDやLPを聴くのは楽しいから、面白いからなど娯楽のためでそこに哲学的な要素を持って聴くことはありません。
しかし、ある少数の演奏家、指揮者が創り出す音楽からは、思わず身を正して聴いている自分を発見することがあります。
それは、クレンペラーであったり、フルトヴェングラーであったり、トスカニーニであったり、ワルターであったり、朝比奈隆であったり、おおよそ20世紀の巨匠と呼ばれた人たちの演奏からは録音と言えども、無意識に身を正してしまいます。
オーラーを感じてしまうからだと思います。
その中の一人にムラヴィンスキーがいます。
ドミートリー・ショスタコーヴィチ – Dmitry Shostakovich (1906-1975)
交響曲第5番 ニ短調 Op. 47
Symphony No. 5 in D Minor, Op. 47
1. I. Moderato
2. II. Allegretto
3. III. Largo
4. IV. Allegro non troppo
レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団 – Leningrad Philharmonic Orchestra
エフゲニー・ムラヴィンスキー – Evgeny Mravinsky (指揮)
1954年モスクワにて録音。
このLPを聴くときも思わず背筋を伸ばして聴いている自分がいました。なんと厳しく、透徹され、透明感があり美しい演奏なんだろう。
ショスタコービッチの交響曲の中ではポピュラー故に皮相的な曲と下に見る人もある曲ですが、ムラヴィンスキーの演奏で聴けば、そんな人も黙ってしまうでしょう。
ムラヴィンスキーは元々貴族の出身ですが、ロシア革命で貧しい生活を強いられ、50年以上の指揮者生活も厳しいソ連当局下で活動していた彼は、生涯共産党員にはならず、常に孤高の反骨精神を忘れなかったそうです。
彼が無くなったのは1988年。
ゴルバチョフのペレストロイカとグラスノスチの結果、1990年にソビエト連邦は崩壊しましたが、ムラヴィンスキーがもう少し生きていたらなんと感じたでしょうか?
ムラヴィンスキー ショスタコーヴィチ交響曲第5番 1973
さて、上記のLPおよび同じ音源としてのCDは、入手困難なようです。
そこでステレオ録音の名演として有名な1973年のSACDをご案内しておきます。
『ショスタコーヴィチ:交響曲第5番 ニ短調 Op.47』
エフゲニー・ムラヴィンスキー(指揮)
レニングラード・フィルハーモニー交響楽団
録音:1973年5月3日、レニングラード・フィルハーモニー大ホール(セッション)
Shostakovich Symphony No.5 Op.47 エフゲニー・ムラヴィンスキー レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団
ムラヴィンスキーの数ある『革命』の中でも、あの特別な73年の日本公演に匹敵する音質、演奏内容といえる(平林直哉)
さすがオリジナルテープからのデジタルトランスファーだけあってすばらしい音質! 演奏はまさに完璧の一言で、ムラヴィンスキーらしい異様な緊張感と迫力で一気に聴かせます。聴いていて恐ろしくなるほど。それにしてもいつ聴いてもムラヴィンスキーはすばらしい! 平林直哉氏の資料に基づいた解説も大いに参考になります。
キングインターナショナル
音楽(クラシック) ブログランキングへ
↑
クリック応援お願いします。
コメント