こんにちは、
ともやんです。
フランツ・コンヴィチュニー(1901-1962)は僕の好きな指揮者で、中学生時代から親しんだ指揮者でした。
60才という働き盛りで亡くなった関係で、残された録音が手兵のライプチヒ・ゲヴァントハウス管とのベートーヴェン交響曲全集がもっとも有名です。
その剛毅な表現は、ベートーヴェンのイメージにぴったりでどこにも作為がないのに聴いていてぐいぐい迫ってくる響きは、感銘深いものがあります。
また、その功績を惜しんでか、残された録音がいくつか出ているのが嬉しいことです。
今日は、その中から1961年3月24日にStaatsoper Unter den Linden(オンターデン・リンデン国立歌劇場)でのライブ録音をご案内します。
フランツ・コンヴィチュニーの61年ライヴ
ニコロ・パガニーニ(1782-1840)
ヴァイオリン協奏曲第1番 ニ長調 作品6
Ⅰ(17:55)Allegro maestoso
Ⅱ(05:28)Adagio
Ⅲ(07:25)Rond0;Allegro spirituoso
リカルド・オドノポソフ(Ricardo Odnoposoff)(Vn)
フランツ・コンヴィチュニー指揮
ベルリン国立歌劇場管弦楽団
録音:1961年3月24日
Staatsoper Unter den Linden(オンターデン・リンデン国立歌劇場)でのライブ。
※リカルド・オドノポソフ(1914-2004)は、アルゼンチンのブエノスアイレス出身のヴァイオリニスト。
パガニーニのヴァイオリン協奏曲第1番は、パガニーニの没後出版されましたが、作曲されたのはパガニーニ29歳の1812年でした。
作品7番のロ短調協奏曲よりも有名な曲です。
これはパガニーニの創った全演奏技巧を盛った曲です。
イタリア風の情熱に富む主旋律、明快な和声、精力的な管弦楽です。
僕は、今回のこのCDで初めて聴きましたが、親しみやすい旋律とヴァイオリンの超絶技巧もわかりやすく、思わず掛け声を掛けたくなるような曲です。
コンヴィチュニーは、分厚い響きでサポートしています。
コンヴィチュニー チャイコフスキー交響曲第4番
ピョートル・チャイコフスキー(1840-1893)
交響曲第4番ヘ短調作品36
1.(18:53)Andante sostenuto-Moderato con anima-Moderrato assai,quasi Andante-Allegro vivo
2.(09:07)Andantino in modo di canzone
3.(05:29)Scherzo.Pizzicato ostinato.Allegro
4.(09:58)Finale.Allegro con fuoco
フランツ・コンヴィチュニー指揮
ベルリン国立歌劇場管弦楽団
録音:1961年3月24日
taatsoper Unter den Linden(オンターデン・リンデン国立歌劇場)でのライブ
チャイコフスキーの第4番、そして第5、第6の3つの交響曲は、チャイコフスキーの巨大なる遺品です。
第5、第6が著しくチャイコフスキーのあの陰鬱な色を含んでいるのに対し、この第4番はむしろ活力があり、明朗で運命への軽い諧謔が示されています。
作品32番の「フランチェスカ・ダ・リミニ」の完成後まもなく構成が終わり、1877年からその翌年の冬にかけて完成されました。
僕は、チャイコフスキーの第4番以降の交響曲を愛します。
特に第5番が好きで、CDも何枚も持っています。
第4番は、60年のカラヤン指揮ベルリンフィルのスリリングで圧倒的な名演があります。
コンヴィチュニーのチャイコフスキーは、まさに質実剛健、堅固な構成で固められ、終楽章など途中でテンポを落としたりするところなんか、風格が漂います。
ただ、コンヴィチュニーは、この演奏の翌年、1962年7月28日にベオグラードで帰らぬ人となっています。
享年60歳。
長生きの多い、指揮者の中では、早すぎる死でした。
まとめ
もしコンヴィチュニーが長生きしていたら、どんな大指揮者になっていたでしょうか。
コンヴィチュニーは若いころ、ゲヴァントハウス管のビオラ奏者として、フルトヴェングラーの指揮ももと演奏しています。
そのほの暗い響きは師匠譲りでしょうか。
もっと聴いてほしい指揮者です。
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