こんにちは、
ともやんです。
名前が知れている、録音の数が多いというのは、ある程度その音楽家の実力を示すとは思いますが、では逆が真かというとそうでもないと思います。
つまり無名で録音が少なくてもその演奏を聴くと素晴らしいと思う音楽家は意外と多いと思います。
20代から30代の若い音楽家ならまだしも、それが50代を過ぎているにもかかわらず、録音が少ないため名前が知られてないけど、その少ない録音を聴くとなかなかいいじゃないか、いや下手な有名指揮者よりも全然いいよ、って指揮者や音楽家を見つけるのはコレクターの楽しみでもあります。
ドリアン・ウィルソンについて
1964年、カリフォルニア生まれの指揮者ドリアン・ウィルソンもその一人だと思うのです。
ネットで調べてみてもあまり詳しいプロフィールが公開されていません。
僕の持つ資料では次のように書かれています。
“カリフォルニア出身。オベリン音楽院、インディアナ大学、ウィーン国立音楽大学などで学び、バーンスタイン最後の弟子の一人。
1989年、デンマークのニコライ・マルコ国際指揮者コンクールに入賞。アメリカ人ながら25歳でモスクワ・フィルの第2指揮者となり、サンクト・ペテルブルク響やサンクト・ペテルブルク・フィルなどを指揮。
その後、1998年から2003年までドイツのフォアポンメルン劇場の音楽監督を務め、ベオグラード・フィルの音楽監督も務めた。日本のオーケストラにも客演し、群馬交響楽団、東京シティ・フィルと録音も残している。”
今年58歳ですからりっぱなベテランでこれから円熟期を迎える人だと思います。
ドリアン・ウィルソンの演奏について
今回、ドリアン・ウィルソン指揮東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団によるチャイコフスキーの交響曲第5番を聴きました。
第1楽章の開始はおとなしめで、まさかこのままじゃないよな、と聴いていくと、演奏が進むに連れなかなかいい味わいが出てきます。
特に金管と木管の響かせ方には味があり魅力的です。
しかも強奏の部分でもうるさくならず、常に格調の高さがあります。
そして第二楽章。深沈として落着きはらった演奏が感銘深いです。
第三楽章もチャーミングの極で、終楽章の泰然とした雰囲気も素晴らしいです。
最後までインテンポで通す堂々たる演奏です。
ライブなので、聴衆の拍手も収録されていますが、あまりの素晴らしさにフライング気味に拍手やブラボーが飛んでいるのは少し残念ですが、その気持ちはよくわかります。
ドリアン・ウィルソン、注目の人です。
ドリアン・ウィルソン チャイコフスキー交響曲第5番
ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー – Pyotr Il’yich Tchaikovsky (1840-1893)
交響曲第5番 ホ短調 Op. 64
Symphony No. 5 in E Minor, Op. 64
1.(15:40) I. Andante – Allegro con anima
2.(13:56) II. Andante cantabile con alcuna licenza
3.(06:14) III. Valse: Allegro moderato
4.(12:47) IV. Finale: Andante maestoso – Allegro vivace
total(48:37)
東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団 – Tokyo City Philharmonic Orchestra
ドリアン・ウィルソン – Dorian Wilson (指揮)
録音: 17 October 2008, Tokyo Opera City Concert Hall, Tokyo, Japan
チャイコフスキー 交響曲第5番(東京シティ・フィル/ウィルソン)
チャイコフスキー:交響曲 第5番 ホ短調 Op.64
リムスキー=コルサコフ:歌劇「金鶏」より シュマハの女王の踊りードドンの踊り
ムソルグスキー:歌劇「ボリスゴドノフ」より 序奏とポロネーズ(リムスキー=コルサコフ編曲)ドリアン・ウィルソン(指揮)
東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団2008年10月17日 東京オペラシティ・コンサートホール(ライヴ)
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