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ヨゼフ・スーク 名盤 メンデルスゾーン、ブルッフ&ベルク協奏曲

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こんにちは、
ともやんです。

今日8月8日は、チェコの名ヴァイオリニスト、ヨゼフ・スーク(1929-2011)の誕生日。
彼は作曲家ドヴォルザーク(1841-1904)のひ孫で、同名の作曲家ヨセフ・スク(1874-1935)の孫でもあります。

さて、諏訪内晶子さんのエッセイ「ヴァイオリンと翔る」を読んでいるとヴァイオリニスト、ヨゼフ・スークが登場します。

彼女がニューヨークのジュリアード音楽院に留学時、プラハのスークの自宅を訪ね2度レッスンを受けたことがあると記しています。

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諏訪内晶子 ヨゼフ・スークのレッスン

諏訪内さんは、ヨゼフ・スークのレッスンで不思議な経験をしたそうです。

スークのプラハの自宅は、これが著名な音楽家の住まいかと思うほど質素なアパートだったそうです。玄関を入ると正面に楽譜がたくさん入った棚があり、その横に大変な数、多分数百台のミニカーのコレクションが置かれていたそうです。

謹厳で端正な演奏をするスークと多数のミニカーのコレクションのギャップで、諏訪内さんは思わず吹き出しそうになったそうです。

スークのレッスンは1回2時間ほどでしたが、その間スークは弾いている諏訪内さんに対して何も言わなかったそうです。その代わり、頭を抱えて座っていたり室内をウロウロ歩き回ったりしていたそうです。

しかし、スークは何も言わないのに不思議なことにいつも弾いているベートーヴェンやブラームスが、ずっとイメージを膨らませて弾くことができたという不思議な経験を得たそうです。

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ヨゼフ・スークの演奏について

ヨゼフ・スークは、チェコの音楽家ということから、世界的なヴァイオリニストに関わらず、華やかなイメージからは遠く、地味で質素な雰囲気です。

実際、彼の演奏録音を聴いても、テクニックを誇示することもなくむしろ控えめに心を込めて弾いている感があります。

しかし、今回改めて聴くとその美しい音色にとても魅かれました。
美しいと言っても甘美なものではなく、もっと質素で清い音なのです。

諏訪内さんのエッセイに描かれているように、スークの著名人ぽくないシャイで素朴な人柄が感じられます。

聴いた3曲の中では、ベルクの協奏曲が素晴らしいです。
この作品は、アルマ・マーラーと再婚相手のヴァルター・グロピウスの娘マノンが18歳で急逝したことを悼んで作曲したものです。

そしてベルク自身もこの作品完成から4ヵ月後に50歳の生涯を閉じています。
まさに自身のレクイエムでもあったのです。
スークの真摯な演奏は、まさにそんな作品にぴったりの清廉な演奏で感銘深いです。

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ヨゼフ・スーク メンデルスゾーン、ブルッフ&ベルク

フェリックス・メンデルスゾーン – Felix Mendelssohn (1809-1847)
ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op. 64
Violin Concerto in E Minor, Op. 64, MWV O14

1.(12:36) I. Allegro molto appassionato –
2.(07:41) II. Andante – Allegretto non troppo
3.(06:29) III. Allegro molto vivace
total(26:46)

ヨゼフ・スーク – Josef Suk (ヴァイオリン)
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団 – Czech Philharmonic Orchestra
カレル・アンチェル – Karel Ancerl (指揮)
録音: 25-26 March 1964, House of Artists, Prague, Czech Republic

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マックス・ブルッフ – Max Bruch (1838-1920)
ヴァイオリン協奏曲第1番 ト短調 Op. 26
Violin Concerto No. 1 in G Minor, Op. 26

4.(08:30) I. Prelude: Allegro moderato
5.(03:38) II. Adagio
6.(08:13) III. Finale: Allegro energico
total(20:21)

ヨゼフ・スーク – Josef Suk (ヴァイオリン)
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団 – Czech Philharmonic Orchestra
カレル・アンチェル – Karel Ancerl (指揮)
録音: 11-12 September 1963, House of Artists, Prague, Czech Republic

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アルバン・ベルク – Alban Berg (1885-1935)
ヴァイオリン協奏曲
Violin Concerto

7.(11:20) I. Andante: Allegretto
8.(14:44) II. Allegro –
total(26:04)

ヨゼフ・スーク – Josef Suk (ヴァイオリン)
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団 – Czech Philharmonic Orchestra
カレル・アンチェル – Karel Ancerl (指揮)
録音: 18-19 January 1965, House of Artists, Prague, Czech Republic

メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番 ベルク:ヴァイオリン協奏曲 ヨゼフ・スーク/カレル・アンチェル チェコ・フィルハーモニー管弦楽団

ヨゼフ・スーク(1929年8月8日 – 2011年7月6日)は、同姓同名の作曲家を祖父にもち、ドヴォルザークの曾孫にあたるチェコのヴァイオリニストです。

今回復刻の、スプラフォン本国が保有するオリジナルのアナログ・マスターテープからのダイレクトのDSD化では、ボヘミア・ヴァイオリン楽派の継承者らしい木目調の落ち着いた音色と甘美な艶やかさが眼前に再現することに驚かされます。

1960年代のスークの惚れ惚れするほどの音色美と響きの豊かさが、初めて音盤上に収録されたといっても過言ではないでしょう。

この「音」の魅力に、天衣無縫なフレージングとフィンガリング、そして端正な造形力が加わり、音楽を自然に息づかせながら実に味わい深い演奏を成し遂げているのです。

元々DSDでの弦楽器、特にヴァイオリンの再現能力は優れていますので、従来以上に鮮明になった楽器の音色と倍音、背後に潜む静寂とのコントラストや、アンチェル&チェコ・フィルの反応も十全に感じることができると思います。

マスターテープにはこれだけの情報があったのかと驚くほどの素晴らしい音質を堪能ください。



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