こんにちは、
ともやんです。
今年2021年は、スイスの名指揮者ペーター・マーク(1919-2001)が亡くなってから20年です。
このブログでもマークのCDを2回ほど取り上げていますが、略歴をチェックしてみましょう。
ペーター・マークのプロフィール
1919年5月10日、スイス東北部ザンクト・ガレン生まれ。
世代的には、1918年のバーンスタインと同世代。もっともバーンスタインのスター性と華やかさに比べるとかなり地味な印象です。意外と通ぶったクラシックファンが、バーンスタインなんかよりマークの方が断然いいよ、なんて言っていそうです。知らんけど。
さて、マークは、大学では、チューリッヒ大とバーゼル大で哲学と神学を修めています。音楽家としてコルトーにピアノ、フルトヴェングラーのアシスタントとして指揮法を学んでいます。
そのため指揮者としてのデビューは遅いようで、第二次大戦後の1952年デュッセルドルフ歌劇場を振り出しに、56年にボン歌劇場、ウィーン・フォルックスオーパー(65-68)、トリノのテアトロ・レージョ(74-76)と劇場を渡り歩いています。
意外とシンフォニック・オーケストラの経験は少なく、ベルン響(84-86)、パドヴァ・ヴェネト管などです。
また、禅に傾倒して1962年から2年間、香港で禅僧として修業しています。大学で神学も収めているくらいなので、宗教に対する興味も深かったと思われます。
録音では、60年にデッカにロンドン響と録音した、メンデルスゾーン”スコットランド”が有名で、人によっては、レコード史上に燦然と輝く名盤と絶賛する人もいます。僕も聴きましたが、これは聴いた方がいいです。
マーク メンデルスゾーン交響曲第5番と第1番
メンデルスゾーンは、5曲の交響曲を遺しています。
ただ、番号と作曲年は、番号と違うので以下のチャックしてみます。
第1番 1824年 15歳
第5番「宗教改革」 1830年 21歳
第4歳「イタリア」 1833年 24歳
第2番「賛歌」 1840年 30歳
第3番「スコットランド」1842年 33歳
むかしは、メンデルスゾーンは裕福な家に生まれたボンボンだと思っていました。才能はあったのだろうが、音楽に深みがなくムード音楽的だと思っていました。
でも、近年メンデルスゾーンの室内楽なども聴くようになったり、その深く素晴らしい世界に接したり、若干20歳にバッハの「マタイ受難曲」の蘇演をしたことを知るにつれ、音楽史にいなくてはならなかった存在だと認識するようになりました。
今回聴いた交響曲第1番と第5番は、特に第1番は若干15歳の時の作品で、後年のスコットランドに通じる哀愁を感じる曲想と終楽章のバッハを想起させるフーガなど、この人はとんでもない人ったことがあります。
マークとマドリード響は、瑞々しさを湛えた演奏で、オケの麗しい響きと録音のよさにもうっとりする演奏です。
ぜひ、聴いてみてください。
マーク&マドリード響 メンデルスゾーン交響曲第1番・第5番
フェリックス・メンデルスゾーン – Felix Mendelssohn (1809-1847)
交響曲第5番 ニ長調 「宗教改革」 Op. 107
Symphony No. 5 in D Major, Op. 107, “Reformation”
1.(12:16) I. Andante – Allegro con fuoco
2.(06:12) II. Allegro vivace
3.(04:19) III. Andante
4.(08:24) IV. Andante con moto – Allegro vivace
total(31:11)
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交響曲第1番 ハ短調 Op. 11
Symphony No. 1 in C Minor, Op. 11
5.(10:40) I. Allegro di molto
6.(07:06) II. Andante
7.(07:03) III. Menuetto: Allegro molto
8.(08:55) IV. Allegro con fuoco
total(33:44)
マドリード交響楽団 – Madrid Symphony Orchestra
ペーター・マーク – Peter Maag (指揮)
メンデルスゾーン: 交響曲全集 ペーター・マーク マドリード交響楽団
ARTSレーベルの名盤がXRCDで復活!
菅野沖彦氏も激賞したメンデルスゾーンの名録音!
最新マスタリングの効果も抜群、ペーター・マークの神髄ここにあり!
国内レーベルGlobal Culture Agencyによる注目企画。入手困難だったペーター・マークの名盤が装いも新たに高品位なセットで復活。ARTSレーベルから取り寄せたオリジナル・マスター音源を丁寧にリマスタリングし、通常CDプレーヤーで再生可能な高音質フォーマットであるXRCDとして商品化しました。
オリジナルのARTS盤も十分に定評ある音質でしたが、それを凌駕する素晴らしい音質となっているのが一番の注目点です。音作りの方向性としては実際の演奏に本来備わっていたものを丁寧に掬い取るアプローチであり、ペーター・マークの狙った演奏効果、細やかな表情付けのひとつひとつまでが、はっきりと眼前に立ち現れるマスタリングとなっています。
ペーター・マークが得意としたメンデルスゾーンの交響曲を全曲網羅したセット。情熱的な盛り上がり、浮き立つリズム、開放感あふれる明るい響き、厳粛な宗教性から壮麗な盛り上がりまで、メンデルスゾーンの音楽が持つ愉悦に思いきり浸れる名演です。
それは決して度を越すことなく実に真っ直ぐな表現であり、明快な解釈と巧みなバランス・コントロールが生み出す賜物と言えます。加えてこの高音質!オルガンと合唱を伴う『讃歌』の大迫力のクライマックスにおいても響きは混濁することなく、各楽器の肌触りがしっかりと感じられ、ヴィオラの厚みや木管の色彩も鮮明。強奏時のトロンボーンやティンパニの質感もたまらない気持ちよさです。
『スコットランド』『イタリア』の2曲はオリジナルのARTS盤がオーディオ評論家・菅野沖彦氏にとってのリファレンス・ディスクになったほどの名録音。今回のXRCD化でオーケストラの質感はさらに向上し、より微妙な音色の移り変わりを味わえるようになりました。
『スコットランド』第2楽章での、スピード感を保ったまま滑らかに強弱を変化させ、様々な楽器にメロディを歌わせていく流麗さ。『イタリア』第1楽章で随所に散りばめられた細やかなアクセントが作り出す、明るく跳ね回る立体的な音響。メンデルスゾーンならではの妙味を鮮やかに描き切ったペーター・マークの凄さの真価を、今までにない精度で聴くことが出来る大注目のXRCDです。
キングインターナショナル
モーツァルト交響曲第40番&ジュピター ペーター・マークの名演で
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