こんにちは、
ともやんです。
今日は、スイスの名指揮者エルネスト・アンセルメの誕生日です。
1883年11月11日スイス生まれの名指揮者です。
アンセルメというと指揮者の世界でも学究的なタイプで、哲学や数学、美術、文学あるやる分野に精通した教養人でした。
しかも時は第二次世界大戦時、ナチス政権下のカール・シューリヒトやフルトヴェングラーにも救いの手を伸べた人でその博愛主義の人物でした。
今日がそんなアンセルメの録音でチャイコフスキーの三大バレエ音楽「白鳥の湖」「眠れる森の美女」「くるみ割り人形」を聴きました。
アンセルメ 数学の神童
アンセルメの父が幾何学者で母親も教師をしていました。彼の学究的な傾向は、そんな両親から受け継いだものだと思います。
しかもアンセルメは神童と言われていました。音楽ではなく数学でです。
地元の小学校を出た後はローザンヌ工業学校を経て、数学と物理をより深く学ぶためにローザンヌ大学に進みました。
卒業後は、しばらくの間、故郷の中学と高校で修学の教師をしていました。また1905年22歳の時には、パリの遊学しソルボンヌ大学に籍を置いたりしtていました。
数学者として勉学に励むアンセルメは、同時に音楽的な活動も行っていました。
小学生の時からピアノとヴァイオリンを学び、小学生時代には既にブラスバンドの指揮をするなど音楽にも才能を発揮していたのです。
ローザンヌ大学時代には、学生オーケストラの指揮をしたり、エルネスト・ブロッホに師事して正式に作曲も学びました。
とうことで20代前半でソルボンヌ大学遊学中は、父と同じ数学者としての道を歩むか、危険を冒して音楽家になるか大いに迷っていたそうです。
結局、ベルリンでアルトゥール・ニキシュの演奏を聴いて音楽家としての道を歩むことを決心したそうです。
アンセルメ バレエ音楽の大家
アンセルメは1910年の27歳の時指揮者としてデビューと言いますから、当時の指揮者としては遅めのデビューでした。
その後、アンセルメの音楽を形成したのは、近代バレエの恩人と言われる辣腕の興行師でディアギレフとの付き合いでした。
ディアギレフが主宰するバレエ・リュッス(ロシア・バレエ団)と15年間も活動を共にすることで、ストラヴィンスキーとも懇意となり、ストラヴィンスキーの作品はもちろんプロコフィエフの作品も含め多くの初演を行ったのです。
そのディアギレフとの活動を共にしている時、もうひとつ大きな仕事を成し遂げています。アンセルメは若い頃から、スイスに世界に誇れるオーケストラを創設する夢を持っていました。それで1918年に結成したのが、スイス・ロマンド管弦楽団だったのです。
創設当時は、48人程度の小さな楽団で、しかも財政的に困難こともありましたが、アンセルメは地道にオーケストラを育成し、財政的な基盤も固め20年掛けてヨーロッパでも一級のオーケストラと言われるまでに成長させました。
アンセルメ スイス・ロマンド管 チャイコフスキー 三大バレエ
“バレエの神様”ならではの素晴らしいリズム処理と鮮やかな色調と表情付けの卓抜さを感じさせる名演です。
ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー – Pyotr Il’yich Tchaikovsky (1840-1893)
バレエ音楽「白鳥の湖」 Op. 20
Swan Lake, Op. 20
スイス・ロマンド管弦楽団 – Swiss Romande Orchestra
エルネスト・アンセルメ – Ernest Ansermet (指揮)
録音: November 1958, Victoria Hall, Geneva, Switzerland
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バレエ音楽「眠りの森の美女」 Op. 66
The Sleeping Beauty, Op. 66
スイス・ロマンド管弦楽団 – Swiss Romande Orchestra
エルネスト・アンセルメ – Ernest Ansermet (指揮)
録音: April 1959, Victoria Hall, Geneva, Switzerland
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バレエ音楽「くるみ割り人形」 Op. 71
The Nutcracker, Op. 71
スイス・ロマンド管弦楽団 – Swiss Romande Orchestra
エルネスト・アンセルメ – Ernest Ansermet (指揮)
録音: November 1958, Victoria Hall, Geneva, Switzerland
エルネスト・アンセルメの芸術~ステレオ・レコーディングス 1954-1963年
伝説的なバレエ団バレエ・リュスの指揮者として数多くの新作バレエを初演、後年は自ら創設したスイス・ロマンド管弦楽団を半世紀にわたって率い、コンサートにレコーディングに活躍したエルネスト・アンセルメ(1883~1969)。彼は英デッカ・レーベルにLPレコードにして約150枚もの録音を残しました。その遺産より1954年から1963年までのステレオ録音を英スクリベンダムがCD45枚組のBOXに集成しました。全45枚にはハイドン、ベートーヴェン、ブラームスからルーセル、オネゲル、ストラヴィンスキーに至る交響曲録音を始め、自ら初演したファリャの『三角帽子』、バレエ・リュスの指揮者として何度も上演したストラヴィンスキーの3大バレエ、LP時代の決定盤として親しまれたドリーブ、チャイコフスキー、プロコフィエフなどのバレエ音楽の数々、『シェエラザード』や『展覧化の絵』など得意としたロシア音楽、親交のあったドビュッシーやラヴェルなどの近代フランス音楽が収録され、多彩な作品を楽しめる内容となっています。
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