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カラヤン ドヴォルザーク交響曲第8番 新世界より ウィーン・フィル

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こんにちは、
ともやんです。

久し振りにカラヤンの録音を聴きました。
聴いたのは、1985年1月と2月に録音したドヴォルザークの交響曲第8番と第9番”新世界より”の2曲。

どちらも通俗的な名曲であり、カラヤンも得意として何度も録音している作品です。
録音の時期が1985年ということ、ウィーン・フィルの録音ということ。
ここにこの演奏録音の意義があると思うのです。

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カラヤンとベルリン・フィルの関係

カラヤンは、ベルリン・フィルの終身指揮者という契約をしていました。つまり引退もしくは亡くなるまでその地位にあるということです。

交渉上手なカラヤンは、1954年11月に首席指揮者のフルトヴェングラーが亡くなった後、翌年に控えたベルリン・フィルのアメリカツアーの指揮者を打診されました。

当然カラヤンは受けるわけですが、ベルリン・フィル側は、予定していたフルトヴェングラーが亡くなったので、とりあえずこのツアーを乗り切るためにカラヤンの力を借りようくらいでした。だからカラヤンがだめなら、他の指揮者を当たればいい程度でした。

しかし、招聘側のアメリカがカラヤンを指名してきたのです。
ここでカラヤンは強気に出ます。

ツアーは、1955年戦後10年目にあたる節目で、敗戦国西ドイツ(当時)としてはなんとしても成功させたい。当然政府も動いていたので、ベルリン・フィルとしても中止は出来ない。
そんな弱みに付け込んでカラヤンは、ベルリン・フィルの首席指揮者しかも終身でという要求をベルリン・フィルに対して突きつけてきたのです。

政府、アメリカ、そしてカラヤンの板ばさみになったベルリン・フィルを運営側は結局カラヤンの要求を飲むことにしたのです。

そしてカラヤンは、55年のベルリン・フィル戦後初のアメリカツアーを成功に導いたのでした。

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カラヤンとベルリン・フィルの関係悪化

いくら運営側の事情で指揮者がカラヤンになっても現場の団員は、ハイハイと素直に従うわけではありません。

当然フルトヴェングラー信奉者も多く残っていましたが、フルトヴェングラーと共に指揮者だったチェリビダッケが、個性が強すぎて態度も強硬だったので、オケのメンバーは、友好的なカラヤンの方がマシという雰囲気はあったようです。

そしてカラヤン時代になり、レコーディングも増えオケのメンバーの収入も増えました。録音を聴いて思うのは、カラヤンの就任から20年ほどはいい関係だったのではと感じます。特に70年代前半くらいが絶頂期だったのではないでしょうか?(あくまで個人的見解です)。
でもその後は、なにか崩れ往く美というものを感じるようになります。それを表面的な厚化粧でカバーするという感じで。あっ、あくまで個人の感想ですので。

そしてカラヤンとベルリン・フィルの関係もギクシャクしていきます。
81年にはザビーネ・マイヤー問題でカラヤンとオケが対立します。
マイヤーは、若き女性のクラリネット奏者でしたが、当時まだ女性奏者のいなかったオケにカラヤンは強硬に入団させようとしたのです。
もちろんマイヤーは実力者でしたが、美人だったのがいけなかった。
結局マイヤーは賢明にも自分から身を引いたのでとりあえずその問題は終わりましたが、カラヤンとオケとの信頼関係は崩れ出したのです。

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そんな時、一時期離れていたウィーンフィルとの関係が強くなってきたのです。
この録音は、そんな時のもの。

カラヤンの華麗な表現にウィーン・フィルの美音が融合してゴージャスな演奏になっています。ただ、聴いていてどこかに淋しさを感じてしまうのです。

現代の日本風に言えば、後期高齢者になったカラヤンが、同じオーストリア人として故郷に帰った安堵も感じさせる名演でもあります。特に第8番にはそんな雰囲気が存分に感じます。

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カラヤン ドヴォルザーク交響曲第8番 新世界より ウィーン・フィル

アントニン・ドヴォルザーク – Antonin Dvorak (1841-1904)
交響曲第8番 ト長調 Op. 88, B. 163
Symphony No. 8 in G Major, Op. 88, B. 163

1.(09:42) I. Allegro con brio
2.(11:07) II. Adagio
3.(05:35) III. Allegretto grazioso – Molto vivace
4.(10:02) IV. Allegro ma non troppo
total(36:26)

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アントニン・ドヴォルザーク – Antonin Dvo?ak (1841-1904)
交響曲第9番 ホ短調 「新世界より」 Op. 95, B. 178
Symphony No. 9 in E Minor, Op. 95, B. 178, “From the New World”

5.(10:00) I. Adagio – Allegro molto
6.(12:27) II. Largo
7.(08:36) III. Molto vivace
8.(11:25) IV. Allegro con fuoco
total(42:28)

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 – Vienna Philharmonic Orchestra
ヘルベルト・フォン・カラヤン – Herbert von Karajan (指揮)
録音:1985年1月(第8番)、2月(新世界より)、ウィーン

ドヴォルザーク:交響曲第8番・第9番≪新世界より≫ ヘルベルト・フォン・カラヤン ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

チェコの巨匠ドヴォルザークの人気交響曲の揃い踏み。ボヘミアの民俗色が濃厚な第8番と、アメリカ滞在中の作曲者が祖国への郷愁を美旋律で描いた第9番≪新世界より≫は、共に日本人の琴線を刺激してやまない名作です。

両曲を、帝王カラヤンが晩年にウィーン・フィルを指揮した、雄弁かつ壮麗な名演奏でお楽しみください。



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