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アンチェル ドヴォルザーク 交響曲第7番&第8番 ライブ

アンチェル
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こんにちは、
ともやんです。

チェコの名指揮者カレル・アンチェル。
1908年4月11日、ボヘミア南部トゥチャピの生まれ。1973年7月3日に亡命先のトロントで死去。65歳でした。

現在の僕とほぼ同じ年齢で亡くなりましたが、その生涯は激動の時代に翻弄されたものでした。

今日はアンチェルが首席指揮者を務めたチェコ・フィルハーモニー管弦楽団との未発表音源から同郷の大作曲家ドヴォルザークの交響曲第7番と第8番を聴きました。

アンチェルの激動の65年の人生に思いを馳せながら聴きました。

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アンチェル 指揮者

アンチェルはまさに時代に翻弄された指揮者と言えます。1908年生まれということは、カラヤン、朝比奈隆と同い年。
三人とも、若手の新進音楽家として活躍を始めた矢先で大戦に巻き込まれてしまいましたが、その中でもアンチェルは、チェコの出身でユダヤ系だったことで、筆舌に尽くし難い辛酸を舐めてきました。

39年にチェコがナチスドイツに占領されるとアンチェルは家族と共に強制収容所に送られてしまいました。結局、両親と妻子はそこで命を落とし、アンチェルだけが生還したのです。

戦時下には悲惨な体験をしながら、大戦後は音楽界に復帰し1950年にはチェコ・フィルの芸術監督兼首席指揮者に就任し、名門の再建に尽力しました。

古い音楽ファンの語り草になっているのは、1959年にアンチェル率いるチェコフィルが来日公演を行いましたが、たまたま同時期に来日公演を行っていたカラヤン&ウィーンフィルのアンサンブルを上回っていたということです。
アンチェルは短期間でチェコフィルを世界最高峰のオケにまで育えてあげていたのです。

しかし、そんな良い関係も1968年にアンチェルの予期しないところで打ち切られてしまいました。
ソ連が、チェコの民主化運動を抑えるためにプラハに軍事侵攻を行ったのです。
たまたまアメリカに演奏旅行に来ていたアンチェルは、帰国を諦めチェコフィルも辞任しカナダに亡命したのです。

その時アンチェル60歳。
その後トロント響の首席指揮者に就きましたが、大きな実績を遺すことなく73年に永眠しました。

最後は体調も思わしくなかったようですが、チェコ人、ユダヤ人であるだけで二度も時代に翻弄されながらも、失ったものを心に秘め持っているものを大切に生きた生涯に畏敬の念を持たずにはいられません。

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アンチェル ドヴォルザーク ライブ

アンチェルとチェコフィルのライブの未発表音源がCD15枚組で発売されています。
これは素晴らしいことで、アンチェルとチェコフィルの全盛期を知る、楽しむということで最適なCDボックスだと思います。

僕は、すでに同時代のスタジオ録音はいくつか聴いていて、その引き締まった即物的な演奏ながら、その響きにえも言えぬ有機的な温かさを感じ、ドヴォルザーク、ベートーヴェン、マーラー、ショスタコーヴィチの録音に深い感銘を受けていました。

今回、ドヴォルザークの交響曲第7番と8番を聴きましたが、なんだこの木目のような素朴で暖かな響きは!と至福の1時間半を過ごしました。

ぜひ聴いて欲しい名演です。

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アンチェル ドヴォルザーク 交響曲第7番&第8番 ライブ

アントニン・ドヴォルザーク – Antonin Dvorak (1841-1904)
交響曲第7番 ニ短調 Op. 70, B. 141
Symphony No. 7 in D Minor, Op. 70, B. 141

1.(10:18) I. Allegro maestoso
2.(08:19) II. Poco adagio
3.(07:12) III. Scherzo: Vivace – Poco meno mosso
4.(08:43) IV. Finale: Allegro
total(37:10)

チェコ・フィルハーモニー管弦楽団 – Czech Philharmonic Orchestra
カレル・アンチェル – Karel An?erl (指揮)
録音:1962年2月18日/ドヴォルザーク・ホール、ルドルフィヌム(プラハ)(モノラル)

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交響曲第8番 ト長調 Op. 88, B. 163
Symphony No. 8 in G Major, Op. 88, B. 163

5.(09:24) I. Allegro con brio
6.(10:16) II. Adagio
7.(06:15) III. Allegretto grazioso – Molto vivace
8.(09:56) IV. Allegro ma non troppo
total(35:15)

チェコ・フィルハーモニー管弦楽団 – Czech Philharmonic Orchestra
カレル・アンチェル – Karel Ancerl (指揮)
録音:1960年2月10日/ドヴォルザーク・ホール、ルドルフィヌム(プラハ)(モノラル)

カレル・アンチェル&チェコ・フィルハーモニー管弦楽団~ライヴ音源集

アンチェルは1939年のナチスのチェコ占領後1945年まで強制収容所に送られ、両親と妻子はアウシュヴィッツ収容所で虐殺されています。音楽家であったアンチェルはテレジン収容所に送られ生還。その後共産主義国チェコスロバキアの反ユダヤ主義を生き抜いたアンチェルは1950年から68年までチェコ・フィルハーモニー管弦楽団の芸術監督・首席指揮者に就任し、その間当団を名門オーケストラに育て上げ1959年の来日公演を含む世界各地での演奏会を成功させております。

当セットの注目すべき点は正規初出音源であること。しかもチェコ・フィルとのほぼすべてのスタジオ録音をリリースしたスプラフォンの『ゴールド・エディション』(計48枚)とは全くの別音源で、チェコ放送(国営チェコスロバキア放送)のアーカイブに保管されているオリジナル・マスター・テープから正規ライセンスで復刻しております。

なかでもドヴォルザークの交響曲第7番&第8番、『聖書の歌』やスークの『アスラエル』交響曲、交響詩『人生の実り』などの名作、アンチェルが敬愛していたマルティヌーの交響曲第1番、カベラーチの交響曲第5番『ドラマティカ』、そして20世紀の主要作品(ドビュッシー、ラヴェル、R.シュトラウス、プロコフィエフ、ストラヴィンスキー)など興味の尽きないレパートリーをお楽しみいただけます。



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