クラシック音楽は、人生の隠れ家と言った人がいました。
クラシック音楽の名盤は、出会うものだと言った人もいました。
僕クラシック音楽に興味を持ったのは小学生の時でした。はっきり憶えていないけど、4年生か5年生頃だったと思います。
出会いは、岩城宏之指揮のNHK交響楽団でした。
岩城氏の表情豊かな指揮ぶりに魅せられましたんですね。
そしてLPを始め買ったのが、1971年中学2年生、もしかして1年生の冬だったかと思います。
初めて買ったのが、カラヤン指揮フィルハーモニア管とのベートーヴェンの運命とチャイコフスキーの悲愴でした。
そしてその2~3ヶ月後に購入したのが、フルトヴェングラー&ウィーンフィルとのベートーヴェンの英雄でした。
そしてそれから50年近く経つのにいまだにこの二人の録音に興味が尽きないなんて当時の僕は、想像もしませんでしたね。でも、中学生の時に一生の趣味を持てたのは幸せなのかもしれません。
アンチ・カラヤンだった中学生時代
青臭い中学の時、なんも分かってないのにやれ誰の指揮者の演奏がいいとか、なんて友人と意見を戦わせていたものです。
そして僕らの指標にしたのが、音楽評論家・宇野功芳氏でした。
宇野氏の分かりやすい、歯に衣着せぬストレートな表現は、中学生の僕らにも響いてきました。
宇野さんは、その頃からアンチ・カラヤンというか、彼のLPには
厳しい批評を与えていました。だから僕は自然とアンチ・カラヤンになったのです。
でも、正直言って僕はカラヤンが特に嫌いではありませんでした。
高校生の時に買ったブルックナー第4番「ロマンティック」はいまでも愛聴盤です。
また最近では、70年代の録音したチャイコフスキーの交響曲第5番には圧倒されました。
ただ、ベートーヴェンではいいなと思う物は少なかったですね。
カラヤン&フィルハーモニア管には脱帽
そんな中、新宿のディスクユニオンで、カラヤン&フィルハーモニア管コンビのベートーヴェン交響曲全集を購入しました。
まあ、1,400円程度と安価だったので、ちょっと聴いておこうか程度の軽い気持ちで購入しました。
そして、聴いてみました。
これがなかなかいいんですよ、力演なんですね。
なんといっても小細工をしないで正攻法でアプローチしているのが好感が持てます。
直球だけの真っ向勝負で後年の豪華絢爛はまだなく、例えば2番では熱い情熱を感じ、7番では、すでに重厚な音楽つくりを感じさせてくれます。
ただ、残念なのが、特に第3番英雄や第9番で感じるレガート奏法です。丁寧な柔らかい印象を与える反面、ベートーヴェンならもう少し素朴でゴツゴツした感じがいいのに、と思ってしまいます。
しかし、この全集は、カラヤンを再認識させてくれたCDには違いありません。
まとめ
カラヤンの音楽は、絹の肌ざわりなんです。
高級感がありしっとりと柔らかいのです。それに合う音楽はいいのでしょうが、ベートーヴェンはもっと素朴で粗さがあり、刺激的なものが欲しいです。
言うなれば、木綿の肌触りかそれでも物足りず、麻の肌ざわりでしょうか。
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