こんにちは、
ともやんです。
ハンガリーのブダペスト出身で、のちにアメリカのクリーヴランド管弦楽団を世界的なオーケストラに育て上げた名指揮者ジョージ・セル。
1897年6月7日生まれで、1970年7月30日に死去。
しかもこの訃報は、日本のファンに衝撃を与えたようで、なぜなら亡くなる1ヵ月ほど前まで大阪の万国博覧会公演で来日し、東京、大阪などで素晴らしい演奏を聴かせていたからです。
関連記事では、急逝と書かれていますが、癌だったことから本人はもしかしてと覚悟をしていたかもしれません。
多分、何事にも正面から勝負するセルのイメージからは、そんなことを考えてしまします。
さて、今年が生誕125周年ということで、記念的なCDが多く出ているようです。
その中で、シュトラウス・ファミリー(ヨハン・シュトラウス2世と弟のヨーゼフ・シュトラウス)によるウィンナワルツ集という録音があります。
あの厳格なセルが、緩いウィンナワルツをどんな演奏を?
と恐る恐る聞きましたが、これがなかなか楽しいのです。
考えてみれば、セルは、ブダペスト生まれですが、幼少期に家族でウィーンに越し、そこで成長していますから、ウィーン子と言ってもいいくらいです。
さて、演奏はどうか?
さすがクリーヴランド管のアンサンブルは素晴らしいです。
しかし、その中にふとテンポを落とす部分で何とも言えない郷愁を感じさせてくれるのです。
まだ寒い早春のころ、ふと頬をなぜる温かな春風のような、絵も言えぬ和やかさが流れます。
ぜひ、聴いてみてください。
ウィンナ・ワルツ名演集 ジョージ・セル&クリーヴランド管弦楽団
ヨハン・シュトラウス2世
・ワルツ「美しく青きドナウ」作品314
・ワルツ「春の声」作品410
・常動曲作品257
・喜歌劇「こうもり」序曲作品362
ヨゼフ・シュトラウス
・ワルツ「うわごと」作品212
・ワルツ「オーストリアの村つばめ」作品164
J.シュトラウス2世&ヨゼフ・シュトラウス
・ピチカート・ポルカ
ウィンナ・ワルツ名演集 ジョージ・セル クリーヴランド管弦楽団
ハンガリー・オーストリア帝国の残照の中で多感な青春時代を過ごしたセルにとって、ウィーンの音楽ともいうべきシュトラウス一家の作品は自分の血肉ともいうべき親しみのある存在でした。
セルの指揮活動50周年を祝って作成されたアルバム「Magic Vienna」にシュトラウスのワルツやポルカが選ばれたのもその証左といえるでしょう。
圧倒的な精緻さでクリーヴランド管をコントロールしながらも、あちこちに郷愁に溢れた歌心を覗かせています。
ワルツ「春の声」など、オーケストラがスピーカーから飛びだしてきそうな弾力的リズムに驚かされます。ノリノリで珍しく2周回する「常動曲」の最後ではセル自身の言葉「And so forth」(などなど)も聞くことが出来ます。
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