こんにちは、
ともやんです。
2022年度 第60回「レコード・アカデミー賞」の室内楽部門の受賞ディスクは、スペインのヴァイオリニスト、リナ・トゥール・ボネ等によるラヴェルのヴァイオリンのための作品集(ムーヌへのオマージュ)でした。
リナ・トゥール・ボネ ヴィヴァルディ ヴァイオリン曲集
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1年と少し前、昨年に10月には、トゥール・ボネによるヴィヴァルディのヴァイオリン曲集を当ブログで取り上げています。
トゥール・ボネ レコード・アカデミー賞受賞作
さて、トゥール・ボネの受賞ディスク『ラヴェルのヴァイオリンのための作品集』は、存在感たかまる名手ボネ、ほとばしる魂の歌。
ラヴェルのヴァイオリン作品に深く関わったエレーヌ・ジュルダン=モランジュへのオマージュ珍しいピアノ・リュテアルも登場!というコピーでぜひ、聴いてみたいと思います。
また、トゥール・ボネというとビーバーの大作『ロザリオのソナタ』があります。2時間を要する大曲ですが、これもぜひ聴きたいと思います。
今日は、トゥール・ボネが、ビーバーも含む17世紀に活躍した作曲家たちの作品を取り上げた『La Bellezza』を聴きした。英語では『The Beauty』、日本語では『美』。
まさに時空を超えた美を感じる事が出来る作品で演奏です。
美 17世紀のヴァイオリン作品集 トゥル・ポネ ムジカ・アルケミカ
ニコラ・マッテイス – Nicola Matteis Jr. (1670-1737)
アリア・ファンタジア
1.(03:08) Alia Fantasia
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ロマヌス・ヴァイヒライン – Romanus Weichlein (1652-1706)
音楽の復興祭 Op. 1 – ソナタ第3番 – バッサカーリャ
2.(09:25) Encaenia musices, Op. 1: Sonata No. 3: Bassagalia
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ピアージョ・マリーニ – Biagio Marini (1594-1663)
「ラ・モニカ」によるソナタ
3.(04:31) Sonata sopra La Monica
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ヨハン・ハインリヒ・シュメルツァー – Johann Heinrich Schmelzer (1623-1680)
1つの弦楽器のためのソナタ集 – Sソナタ第4番
4.(09:21) Sonatae unarum fidium: Sonata No. 4
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アンドレア・ファルコニエーリ – Andrea Falconieri (1586-1656)
カンツォーナ、シンフォニア、ファンタジア、カプリッチョ、ブランド、コレント、ガリアルド、アルメイン、ヴォルテ集 第1巻 – フォリア
5.(03:47) Il primo libro di canzone, sinfonie, fantasie, capricci, brandi, correnti, gagliarde, alemane, volte: Folias echa para mi Senora Dona Tarolilla de Carallenos
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ハインリヒ・イグナーツ・フランツ・フォン・ビーバー – Heinrich Ignaz Franz von Biber (1644-1704)
技巧的で楽しい合奏 – パルティータ第5番 ト短調
Harmonia artificiosa-ariosa: Partia No. 5 in G Minor
6.(01:12) I. Intrada: Alla breve
7.(01:40) II. Aria: Adagio
8.(00:30) III. Balletto: Presto
9.(00:51) IV. Gigue
10.(05:45) V. Passacaglia
total(09:58)
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アントニオ・ベルターリ – Antonio Bertali (1605-1669)
チャコーナ ハ長調
11.(08:28) Ciaconna in C Major
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ヨハン・パウル・フォン・ヴェストホフ – Johann Paul von Westhoff (1656-1705)
ヴァイオリン・ソナタ第2番 イ短調 – 第3楽章 リュートの模倣(G. ピナルディによる即興)
12.(02:41) Violin Sonata No. 2 in A Minor: III. Imitatione del liuto (Introductory improvisation by G. Pinardi)
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ディートリヒ・ブクステフーデ – Dieterich Buxtehude (1637-1707)
ソナタ イ短調 BuxWV 272
13.(08:03) Sonata in A Minor, BuxWV 272
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マルコ・ウッチェリーニ – Marco Uccellini (1603-1680)
ソナタ、アリアとコレンテ集 第3巻 – 「ラ・ベルガマスカ」によるアリア
14.(03:40) Sonate, arie et correnti, Op. 3: Aria quinta sopra La Bergamasca
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ジョヴァンニ・パオロ・チーマ – Giovanni Paolo Cima (1570-1630)
合唱聖歌コンチェルト集 – 2声のソナタ
15.(05:10) Concerti Ecclesiastici: Sonata a 2
リナ・トゥル・ボネ – Lina Tur Bonet (ヴァイオリン)
ムジカ・アルケミカ – Musica Alchemica
録音: 12-14 September 2019, Chiesa di Sant’Eligio dei Ferrari, Rome, Italy
美~17世紀のヴァイオリン作品集(トゥル・ポネ/ムジカ・アルケミカ)
17世紀のヨーロッパは戦争や飢饉が多く起こった時代であり、同時に天文学が発展し、科学革命の時代でもありました。
既存の考えを破壊し新たな秩序を作ることがこの時代に通底する意識であったとも言えるでしょう。それは「美」に対する価値観の転換でもあったと言えます。
音楽史上で見ればバロック時代に入り、楽器制作の技術が向上し、また巧みに楽器を扱う奏者が増え、ヴァイオリン芸術が花開いた時代です。
そこに巻き起こった新しい「美」を切り取ってまざまざと伝えてくれるのがこのアルバム。スペインの人気女流リナ・トゥール・ボネが鮮烈な輝きを持って紡ぐ、バロック・ヴァイオリン芸術の精粋をお聴きください。
自ら創設したアンサンブル「ムジカ・アルケミカ」との演奏です。
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