カラヤンのチャイコフスキー第5番
ピョートル・チャイコフスキー(1840-1893)
交響曲第5番 ホ短調 作品64
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮
ベルリンフィルハーモニー管弦楽団
1971年録音
僕は、チャイコフスキーの交響曲では、この5番が一番好きです。
流れとしては、ベートーヴェンの5番やブラームスの1番に通じる、苦悩から希望への流れで気持ちを熱くしてくれます。
そんな曲なので、素朴な演奏よりもケレン味たっぷりの演奏にググっときます。
その代表がカラヤン&ベルリンフィルのコンビです。
1970年代前半は、このコンビが絶好調の頃。
僕は、高校生の頃、ブルックナーの“ロマンティック”を同時期の1971年録音のカラヤン&ベルリンフィルで聴いたものですから、しばらく普通のブルックナーの演奏にパワー不足を感じてなじめなかったものです。
まるで、最初に乗ったクルマが3000cc超えのV8気筒だったものだから、
次に乗ったコンパクトカーがどんなに完成度が高くても物足りないと
感じるのに似ていると思いました。
カラヤン名盤の一押しはチャイコフスキー
カラヤンは、1930年代にベルリンフィルを初めて振って、喝采を浴びたものの当時の常任指揮者フルトヴェングラーから警戒され、
僕はフルトヴェングラーがカラヤンの才能に嫉妬したと思うのですが、
フルトヴェングラーの亡くなる1954年まで僅かな回数しかベルリンフィルを振ることが出来ませんでした。
片やフルトヴェングラーに可愛がられたチェリビダッケは400回以上も振っていたのにです。
僕はこの期間のカラヤンが好きです。
自分の夢を諦めず、虎視眈々とチャンスを狙っていたカラヤン。
また、カラヤンの2回目の夫人は、確か1/4ユダヤ人の血が流れていました。ナチス統治下では致命的なことですが、そんなことよりも愛をとった、ところも僕がカラヤンに好感を持った理由でもあります。
まとめ
カラヤンはチャイコフスキーを得意としていて録音も多いですが、
この71年の録音は、カラヤンのたたみ掛ける様な激情ほとばしる演奏で、
首根っこを押さえられて、どうだぁ!って感じの圧倒されっぱなし演奏です。
ただし、個人的にはカラヤンの演奏は50年代から70年代前半ピークで、
それ以降の演奏はあまり聴くになれません。この辺りをピークにあとは下り坂になっていったのでしょうか?
それとも僕の単たる食わず嫌いでしょうか。
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