こんにちは。
ともやんです。
NAXOSは廉価盤レーベルです。
通常CD1枚もので1,000円前後で購入できます。
NAXOSはクラシック音楽の百科事典を標榜しています。
その百科事典的な膨大なレパートリーが特徴です。
値段も演奏もそこそこ。
録音も新しいので、BGM的に聴くにはちょうど良い、と思っていました。
ところがです。
ゲオルグ・ティントナーのブルックナー交響曲全集を聴いてからNAXOSへのイメージは変わりました。
そして、敬愛するアリアCD店主、松本大輔著「このNAXOSを聴け!」https://amzn.to/2Frk7Do を読んで確信に変わりました。
もしかしてクラシック・レーベルで残るのはグラモフォンとナクソスだけじゃないの!?と。
と、いうことで今日はNAXOSから、目からウロコ的な名盤をご案内します。
ベートーヴェン交響曲第9番 ドラホシュ&エステルハージ・シンフォニア
それは、ベートーヴェンの第九です。
ベートーヴェンの第九のCDとなるとそれこそ何百種類出たかわからないくらいです。
これだけ経費の掛かる曲なのに、それだけ売上が見込めるのか、または演奏家としてそんなの度外視で録音して残したいのかわかりませんが、とにかくたくさんあります。
またクラシックファン向けにどの演奏がいいか、どのCDがいいかなんて企画もさんざんされてきた曲です。
確か、ベートーヴェンの自筆譜は世界遺産にも指定されていたと思います。
そんな曲をなんでいまさらNAXOSで聴くんだ、と言われそうですが、これがいいのです。
演奏は、ベーラ・ドラホシュ指揮ニコラウス・エステルハージ・シンフォニア。
長年クラシックに親しんだ人でも、えっ!?誰?という演奏家です。
ベーラ・ドラホシュは、1955年ハンガリー生まれでフルートの名手です。
プラハ国際フルートコンクールで最優秀賞を取ったほどの人です。
またブダペスト交響楽団の主席奏者を長く務めた人です。
90年代から指揮もするようなったようです。
ニコラウス・エステルハージ・シンフォニアは、ハンガリーの主要管弦楽団の手練れを集めた室内オーケストラです。
第九 ドラホシュ指揮ニコラウス・エステルハージ・シンフォニア
これみよがしの迫力や表現は全くありません。
でも曲が本来持つ美に改めて気づかせてくれる新鮮な魅力に溢れています。
ベートーヴェンってこんなに素朴で美しかったんだ、とすごく親密感を抱かせる演奏なのです。
フルトヴェングラーの神業もありません。
カラヤンの秀麗さもありません。
クレンペラーのような仰ぎ見るものもありません。
そもそもそのような演奏と比べるものでもありません。
しいて言えば、友人からもらったアマチュアオーケストラのチケットで、何の期待もしないで出かけて、思いがけない名演に接し、なんか心が満たされてニコニコしながら家に帰るときの満足感を得た時のようです。
うまく表現が出来ません。
例えば、クルマを例にしましょう。
我が家は軽自動車ですが、ダイハツのそのクルマはよく走るし燃費はいいし、使っていて全く不満はないし、十分満足しています。
会社の近くにメルセデス・ベンツのショールームがあります。
カフェも併設されているのでよく行きます。
Eタイプなんて買おうとは思わないけど、ローンなら無理すれば買えるかもしれません。でも買えば面倒なだけです。どこに置くんだ?買い物に乗ってくの?
つまりダイハツとベンツは較べようがないのです。
ただ、自分にとって必要なのはダイハツです。
もし、クラシック初心者の友人から、ベートーヴェンの交響曲全集を聴きたいのだが何がいいか?と相談を受けたら、迷うことなくドラホシュ盤を勧めます。
間違ってもフルトヴェングラーはないし、カラヤンはあり得ないし、クレンペラーも難しいです。
そしてドラホシュ盤を繰り返し聴いたらいいよって言います。
あとは本人の意思です。
ドラホシュ盤を繰り返し聴いたら他の演奏も聴きたくなるでしょう。
なんとなくドラホシュ盤の良さが分かっていただけたでしょうか?
小管弦楽によるニュー・スタンダードと呼ぶに相応わしいベートーヴェン像を作りあげているのです。
https://amzn.to/2TMCfA8
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ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン – Ludwig van Beethoven (1770-1827)
交響曲第9番 ニ短調 「合唱付き」 Op. 125
Symphony No. 9 in D Minor, Op. 125, ‘Choral’
64:54
作詞 : フリードリヒ・フォン・シラー – Friedrich von Schiller
ハスミク・パピアン – Hasmik Papian (ソプラノ)
ルクサンドラ・ドノーセ – Ruxandra Donose (メゾ・ソプラノ)
マンフレッド・フィンク – Manfred Fink (テノール)
クラウディオ・オテッリ – Claudio Otelli (バス・バリトン)
ニコラウス・エステルハージ合唱団 – Nicolaus Esterhazy Chorus
ニコラウス・エステルハージ・シンフォニア – Nicolaus Esterhazy Sinfonia
ベーラ・ドラホシュ – Bela Drahos (指揮)
録音: August 1996, Italian Institute, Budapest, Hungary
ドラホシュは、エステルハージ・シンフォニアとベートーヴェンの交響曲全曲を録音しています。どの演奏もフレッシュな魅力に溢れています。
またハイドンの交響曲集も超おすすめです。
ドラホシュの第九 小管弦楽によるニュー・スタンダード
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン – Ludwig van Beethoven (1770-1827)
交響曲第9番 ニ短調 「合唱付き」 Op. 125
Symphony No. 9 in D Minor, Op. 125, ‘Choral’
1.(14:44) I. Allegro ma non troppo, un poco maestoso
2.(13:46) II. Molto vivace
3.(13:05) III. Adagio molto e cantabile – Andante moderato
4.(23:19) IV. Finale: Presto
total(64:54)
作詞 : フリードリヒ・フォン・シラー – Friedrich von Schiller
ハスミク・パピアン – Hasmik Papian (ソプラノ)
ルクサンドラ・ドノーセ – Ruxandra Donose (メゾ・ソプラノ)
マンフレッド・フィンク – Manfred Fink (テノール)
クラウディオ・オテッリ – Claudio Otelli (バス・バリトン)
ニコラウス・エステルハージ合唱団 – Nicolaus Esterhazy Chorus
ニコラウス・エステルハージ・シンフォニア – Nicolaus Esterhazy Sinfonia
ベーラ・ドラホシュ – Bela Drahos (指揮)
録音: August 1996, Italian Institute, Budapest, Hungary
ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱付き」(ニコラウス・エステルハージ・シンフォニア/ドラホシュ)
CD帯紹介文
いつの間にか日本人にとっても国民的音楽になってしまった「第九」、もちろんいつかは演奏に参加してみたいし、この曲くらいはCDを複数持っておきたいものです。ドラホシュ盤なら廉価で最新録音、小編成の管弦楽で今まで気づかなかった音を再発見させてくれる上に迫力も十分、よく聞きとれるハンガリーの優秀な合唱団(歌うための参考盤にするなら何より重要)、と魅力満載。レーベル創設10周年を迎えたナクソスの記念碑的録音になること確実のベートーベヴェン交響曲全集、ここに完成です。
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