こんにちは、
ともやんです。
田園のスタジオ録音がされた同じ年、1952年1月、ついにヴィルヘルム・フルトヴェングラーは、ベルリン・フィルとの契約書にサインをしました。
正式には、1934年にヒンデミット事件で抗議の辞任をして以来、18年ぶりの首席指揮者=音楽監督に復帰したのです。
なお、フルトヴェングラーが演奏できなかった45年から47年の功労者だったチェリビダッケへの配慮で彼のコンサートを増やす要請もしています。
しかし、ここで両者の行き違いがあり、カラヤンの存在が少しずつ大きくなったように思います。
チェリビダッケがへそを曲げたのは、やりたかった国外ツアーは、全てフルトヴェングラーが担当し、スイスツアーもハンス・クナッパーツブッシュが担当、チェリビダッケは、ドイツ国内ツアーのみを担当するという内容に対してでした。
チェリビダッケは、国外ツアーが指揮できないなら、ドイツ国内ツアーもしないとゴネたのでした。
これにはフルトヴェングラーは、せっかくお前のためにコンサート増やしてやろうとしたのに、その態度はなんだ!とばかりに、
チェリビダッケを追い落とすためにカラヤンにも指揮させろ、となったわけです。
よく、フルトヴェングラーの後任が、カラヤンではなく、チェリビダッケだったら?
という想像をする人がいますが、チェリビダッケの人間性から考えて、遅かれ早かれ、チェリビダッケとベルリンフィルは、けんかして、カラヤンが来たと思います。
つまり、カラヤン=ベルリンフィルは、遅かれ早かれ誕生したのというのが僕の考えです。
フルトヴェングラー ベートーヴェンの交響曲”田園”と第8番
ルードヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)
交響曲第6番ヘ長調作品68“田園”
Ⅰ(11:50)Allegro ma non troppo
Ⅱ(13:23)Andante molto mosso
Ⅲ(05:58)Allegro
Ⅳ(04:08)Allegro
Ⅴ(09:19)Allegretto
録音:1952年11月24日・25日スタジオ
ウィリヘルム・フルトヴェングラー指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
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交響曲第8番ヘ長調作品93
Ⅰ(07:54)Allegro vivace e con brio
Ⅱ(04:34)Allegretto scherzando
Ⅲ(05:52)Tempo di menuetto
Ⅳ(07:34)Allegro vivace
録音:1948年11月13日ライヴ
ウィリヘルム・フルトヴェングラー指揮
ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団
ベートーヴェン: 交響曲全集(2010リマスター)<限定盤>
フルトヴェングラーのベートーヴェンに対する思いが伝わる名盤であり遺産! このBOXでの音源は、2010-2011年にアビー・ロード・スタジオのエンジニアにより、オリジナル・ソース(78回転レコードのメタル・マスターまたはアナログ・テープ)の選定から行われ、96kHz/24bitにてリマスターされたものです。
ワーナーミュージック・ジャパン
フルトヴェングラーのベートーヴェン交響曲
フルトヴェングラーの録音では、やはりベートーヴェンが一番です。
特に第3番“英雄”第5番、第7番、第9番の録音の中には、永遠に残したい世界遺産級が残されています。
それに比べ、偶数番号は、正規のスタジオ録音は、第4番と第6番“田園”のみで、しかも指揮者と曲の相性なのか、上記奇数番号の曲にくらべ、今一つであり、また他の巨匠の演奏に比べても聴き劣りしてしまいます。
田園は、第1楽章から表題の「田舎に着いた時の愉しい気分」を全く無視したようなスローテンポと深沈とした雰囲気で、突っ込みたくなる気持ちになりますが、響きは有機的で人間味とコクもあり、気が付いた時には、フルトヴェングラーの世界に引き込まれています。
そしてなんと言っても終楽章が素晴らしいです。
テンポはやや速めの設定で、心が澄んでいくような演奏です。
そして最後には、ぐっとテンポを落とし深く祈るように終わり様は、誠に感動的で素晴らしいです。
第8番は、全集として売り出すのに仕方なく入れた録音という感じで、針音が混ざる劣悪な音質です。
大体フルトヴェングラーと言えばベートーヴェンですが、どういうわけか第2番と第8番はあまり得意でなかったのか録音も少ないですね。
展開部やコーダでの追い込みや迫り方にフルトヴェングラーらしさは感じられます。
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