こんにちは、
ともやんです。
ベートーヴェンは、オペラに関しては「フィデリオ」しか書いていません。
しかしこのオペラ用の序曲として4曲作曲しています。
「レオノーレ序曲」が第1、第2、第3の3曲に「フィデリオ序曲」。
それ以外では、劇音楽用として「コリオラン」「エグモント」「アテネの廃墟」「シュテファン王」「献堂式」の5曲、舞踏音楽の序曲として「プロメテウス」独立した序曲として「命名祝日」序曲を作曲しました。
つまり合計で11曲。
特に人気がありよく演奏されるのが、「コリオラン」「エグモント」「レオノーレ第3番」だと思います。
今日は朝から「コリオラン」序曲を20種類くらい聴いて、個人的に印象に残ったものを5つご案内しようと考えていましたが、結局7曲になりました。
しかし、わずか8分程度の曲ですが、どの演奏も聴くべきものがありました。
ベートーヴェン コリオラン序曲 おすすめ
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン – Ludwig van Beethoven (1770-1827)
「コリオラン」序曲 ハ短調 Op. 62
Overture to Collin’s Coriolan in C Minor, Op. 62, “Coriolan Overture”
コリンの悲劇「コリオラン」のために書いた序曲。主人公コリオランは、古いローマ貴族の家系に生まれ、庶民のために立ち上がり貴族階級に反抗します。
しかし母の懇願で改心し、貴族側に付いたため庶民軍に殺害されてしまいます。
母性愛の強さにベートーヴェンが創作意欲を掻き立てられたようです。
フルトヴェングラー&ベルリンフィル
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 – Berlin Philharmonic Orchestra
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー – Wilhelm Furtwangler (指揮)
演奏時間(09:00)
第二次大戦中の1943年のライブ録音。イントロから凄い迫力で、ティンパニの一撃が凄まじい。まるでナチスへの怒りの鉄拳の如しで、古い録音ながら歪みものなく鑑賞には支障はない。もし演奏会場にいたとしたら気を失うくらいの凄い演奏。
演奏だけなら一番衝撃を受けた録音。
シューベルト: 交響曲第9番「ザ・グレート」&ベートーヴェン: 「コリオラン」序曲
クレンペラー&フィルハーモニア管
フィルハーモニア管弦楽団 – Philharmonia Orchestra
オットー・クレンペラー – Otto Klemperer (指揮)
演奏時間(08:02)
名物評論家、故宇野功芳氏が、相変わらず、古いフルトヴェングラーだクレンペラーだと推薦していましたが、録音を聴くとやはり凄いものがありました。
クレンペラーの方は、ステレオ録音だけに重厚にして凄い迫力満点でCDとしてはこちらがおすすめ。
『クレンペラー / ベートーヴェン: 交響曲 & 序曲集 (限定盤)』
カラヤン&ベルリンフィル 来日公演
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 – Berlin Philharmonic Orchestra
ヘルベルト・フォン・カラヤン – Herbert von Karajan (指揮)
1966年4月12日東京文化会館
演奏時間(8:41)
4月12日から16日に掛けて5夜連続で行われたベートーヴェンツィクルスのトップを飾った演奏。最初に聴いた時、その迫力に圧倒されましたが、よく聴くとなかなか端正で美麗な演奏です。
ベートーヴェン交響曲全曲連続演奏会 ヘルベルト・フォン・カラヤン
マルケヴィチ&コンセール・ラムルー管
コンセール・ラムルー管弦楽団 – Lamoureux Concerts Orchestra
イーゴリ・マルケヴィチ – Igor Markevitch (指揮)
録音: November 1958, Polydor Studios, Paris, France
演奏時間(08:05)
掘り出し物の名演。なかなか芯があり迫力のある演奏。
コンヴィチュニー&ゲヴァントハウス管
ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 – Leipzig Gewandhaus Orchestra
フランツ・コンヴィチュニー – Franz Konwitschny (指揮)
演奏時間(08:23)
地味ながら質実剛健にして渋い演奏。だからかえって感銘が心に残る。
クレツキ&チェコフィルハーモニー
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団 – Czech Philharmonic Orchestra
パウル・クレツキ – Paul Kletzki (指揮)
録音: 28 June 1964
演奏時間(08:13)
クレツキは、ポーランドの名指揮者で気骨の人でした。チェコフィルとのベートーヴェン交響曲全集は、その気迫に圧倒されます。コリオラン序曲も同様。張り手を喰らったような衝撃の凄演です。
ホグウッド&エンシェント室内管
エンシェント室内管弦楽団 – Academy of Ancient Music
クリストファー・ホグウッド – Christopher Hogwood (指揮)
演奏時間(06:49)
古楽器スタイルからホグウッドです。どちらかというと穏健派のホグウッドにしては珍しく斬新的な演奏で、多くの指揮者が8分以上の演奏時間を6分台で駆け抜けます。
リヒャルト・ワーグナーはこの曲に関して次のように評しています。
“偉大な力、不撓の自信と熱狂せる反抗心が、憤怒、憎悪、復讐、破壊的精神のうちに台頭する姿を、眼前に彷彿たらしめる”
ベートーヴェンは、彼の性格をこの戯曲の主人公中に見出し、曲中に自己の表現を試みたと言われています。
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