こんにちは、
ともやんです。
フランツ・コンビチュニー(1901-1962)は、東ドイツの名指揮者で、第二次世界大戦後、名門ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団を再建した立役者です。
しかし、惜しまれるのはその早過ぎる死です。
1962年にツアー中のベオグラードで倒れて帰らぬ人なりました。
しかし、残されたその録音から、堅固で力強く逞しい音楽が聴こえてきます。
コンヴィチュニーの録音では、シューマンとベートーヴェンの交響曲全集が有名で、ロングセラーを続けています。
今回、その中からベートーヴェンの交響曲第3番”英雄”を聴きましたのでご案内します。
コンヴィチュニーのベートーヴェン 重量級の響きに感激
遅めのテンポで、踏みしめるような足取りの演奏です。
確実に、強く、逞しく歩み第一楽章は、提示部の繰り返しをしていることを考えても20分近く掛けて演奏しています。
しかも遅いと言っても弛緩することなく、常に覇気を満ちています。
こんな凄い演奏だったんだ、と改めて聴いて身震いしました。
80年代から始まったピリオド楽器による演奏スタイルが、すっかり浸透して、しかもその影響でモダン楽器のオーケストラまでピリオド楽器スタイルで演奏したりして、なんか腰が軽くなったと感じていました。
特には、ずしっと来るような演奏を聴きたいと思っていました。
昨年、ベートーヴェンの生誕250年に合わせて録音されたネルソンス指揮ウィーンフィルによるベートーヴェンの交響曲全集は、正攻法の真っ向勝負で気持ちいいですが、いまひとつ凄みに乏しい気がします。
かと言って溌溂として躍動感あふれる演奏でもないので、このコンビということで期待したのですが、いまひとつという感じです。
ただ、ヴァントにしても朝比奈にしても、その積み重ねで巨匠と称されるようになったので、ネルソンスは、しっかり着実に前進して行って欲しいと思います。
いずれ、コンヴィチュニーのような凄み溢れる演奏が聴かれると信じています。
コンヴィチュニー ゲヴァントハウス管 ベートーヴェン交響曲第2番
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン – Ludwig van Beethoven (1770-1827)
交響曲第3番 変ホ長調 「英雄」 Op. 55
Symphony No. 3 in E-Flat Major, Op. 55, “Eroica”
1.(19:40) I. Allegro con brio
2.(15:48) II. Marcia funebre: Adagio assai
3.(06:07) III. Scherzo: Allegro vivace
4.(11:24) IV. Finale: Allegro molto
total(52:59)
ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 – Leipzig Gewandhaus Orchestra
フランツ・コンヴィチュニー – Franz Konwitschny (指揮)
録音: 1959-1961
シューマン、ベートーヴェン: 交響曲全集 フランツ・コンヴィチュニー 、 ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
コンヴィチュニーとライプツィヒ・ゲヴァントハウス管のベートーヴェンの”英雄”は、ひと言でいえば凄みのある演奏です。
僕は、以前コンヴィチュニーがシュターツカペレ・ドレスデンを指揮した”英雄”を聴いて髑髏島のキングコングだと形容しましたが、あっちがキングコングならこっちがゴジラです。
どっちにしても迫力満点の演奏です。
最後に
なんで、50年も60年も前の演奏の録音に心を奪われるのか?
しかも音質にしてもモノラルだったり、古い録音だったりむしろ聴きやすいものが少ない。
それでもどうしても聴かずにはいられません。
それが不思議でした。
でもコンヴィチュニーの録音を聴いていてわかったのです。
それは凄みです。
往年の指揮者からはなにか凄みを感じるのです。
僕は現代の指揮者にもその凄みはあると思っています。
これからも探し求めて行きたいと思います。
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