こんにちは、
ともやんです。
フルトヴェングラー生誕135年の掉尾を飾る世紀の大発見!
“全人類の至宝”とまで讃えられてきた、フルトヴェングラー至高の名演ライヴ「バイロイトの第九」、その真実がついに明らかにされる!
なんて派手なコピーに釣られて購入しましたCDです。
結論は、購入してよかった、です。
フルトヴェングラー バイロイトの第九
フルトヴェングラーの第九は、このブログでも取り上げていますが、12種類説、13種類説がありますが、前の記事でも書きましたが、この「バイロイトの第九」の音源とするEMI盤とスウェーデン放送盤をそれぞれ別の制作と考えれば13種類、同じと考えれば12種類。
またウィーン・フィルとの5月30日盤と31日盤をどう見るかで、最少で11種類、最多で13種類というところが個人的な結論です。
このバイロイトの第九は、1951年7月29日に戦後初めて再開されたバイロイト音楽祭のオープニングを飾った演奏でした。フルトヴェングラーの第九の中ではもちろん、あらゆる第九の録音の中でもトップクラスに評価されている演奏です。
ただ、何せ70年以上前の録音だけでに古さは否めません。
EMI盤に関しても初出のLPは良かったけど、その後プレスされたものは音質が落ちたとか、CD化によって音質が落ちたとか、またフルトヴェングラーがステージに出てくるときの足音入りとか、拍手が完全にカットされたものとかいろいろ出ています。
そういう意味と歴史を記録するという意味では、このスウェーデン放送盤が、何種類もの聴いた僕としては一番貴重なものではないかと思うのです。
単純に音質だけに関しては、平林直哉氏がオープンリールから復刻したグランドスラム盤が上回るとは思いますが。
しかし、このスウェーデン放送盤を聴いて不思議だったのは、EMIクラシックスの『THE GREAT EMI RECORDING』のCD21枚組では、足音が収録されているのでが、スウェーデン放送盤では聞き取ることが出来ません。
あの足音は何だったんでしょうか?
フルトヴェングラー スウェーデン放送の中継放送
以下、僕の拙い編集では伝わりにくいと思うので、タワーレコード・オンラインショップの文章をそのまま記して参考にして頂きたいと思います。
まさに1951年7月29日、スウェーデン放送によって中継放送された番組、冒頭の4か国語(ドイツ語、フランス語、英語、スウェーデン語の順)によるアナウンスから巨匠の入場、渾身の指揮、やや長めのインターバルをはさみ、最後の2分半以上に及ぶ大歓声と嵐のような拍手(と番組終了のアナウンス)まで、85分間、一切のカットなしに当夜のすべての音をSACDハイブリッド盤に収録しました。
冒頭アナウンスは「1951年バイロイト音楽祭。バイエルン放送がリヒャルト・ワーグナー音楽祭(バイロイト音楽祭)のオープニング・コンサートをバイロイト祝祭劇場からドイツ・オーストリア放送、英国放送、フランス放送、ストックホルム放送を通じてお届けします。曲はヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮によるベートーヴェンの交響曲第9番です。」というもので、これがまさに生中継だったことがうかがえます。
発掘のきっかけはキングインターナショナルと縁の深かった仏ターラ・レーベルの主宰者故ルネ・トレミヌ氏が遺していった『Furtwangler / A Discography by Rene Tremine』(ターラ・プロダクション 1997年刊)A4版56ページの冊子。
この中の「バイロイトの第九」(1951年7月29日 バイロイト、祝祭歌劇場管弦楽団)の項の最後の行に次のような記述が―Bavarian Radio, Munich and Swedish Radio (archive LB 14784)。バイエルン放送、ミュンヘン放送、そしてスウェーデン放送も放送していたというのです。
この1行の記述を頼りに、弊社では長年の付き合いがあるスウェーデンBISのロベルト・フォン・バール会長に音源探しを依頼。
そしてついに、見つかったのです!あのトレミヌ氏でさえも入手できずに、70年もの間スウェーデン放送局に眠っていた「バイロイトの第九」放送音源が。
フルトヴェングラー バイロイトの第九 スウェーデン放送
― – na Not Applicable
ドイツ語、フランス語、英語、スウェーデン語によるアナウンス
1.(01:57) Welcoming Radio Announcements in German, French, English and Swedish
———————
02:19アナウンス – 拍手2.
Programme Announcement – Applause
スタジオ・ナレーター – Studio narrator, (ナレーター)
聴衆 – audience
録音: 29 July 1951, Festspielhaus Bayreuth, Germany
———————
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン – Ludwig van Beethoven (1770-1827)
交響曲第9番 ニ短調 「合唱付き」 Op. 125
Symphony No. 9 in D Minor, Op. 125, “Choral”
3.(18:01) I. Allegro ma non troppo e un poco maestoso
4.(11:46) II. Molto vivace
5.(19:13) III. Adagio molto e cantabile
6.(24:56) IV. Finale: Presto – Allegro assai
total(73:56)
作詞 : フリードリヒ・フォン・シラー – Friedrich von Schiller
エリーザベト・シュヴァルツコップ – Elisabeth Schwarzkopf (ソプラノ)
エリーザベト・ヘンゲン – Elisabeth Hongen (アルト)
ハンス・ホップ – Hans Hopf (テノール)
オットー・エーデルマン – Otto Edelmann (バス)
バイロイト祝祭合唱団 – Bayreuth Festival Chorus
バイロイト祝祭管弦楽団 – Bayreuth Festival Orchestra
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー – Wilhelm Furtwangler (指揮)
録音: 29 July 1951, Festspielhaus Bayreuth, Germany
― – na Not Applicable
拍手 – スウェーデン語とドイツ語による番組終了のアナウンス
7.(02:44) Applause – Closing Remarks in Swedish and German
スタジオ・ナレーター – Studio narrator, (ナレーター)
聴衆 – audience
録音: 29 July 1951, Festspielhaus Bayreuth, Germany
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー スウェーデン放送所蔵音源によるバイロイトの第9
トラック6、13分08秒付近に音量が一時的に落ちる箇所がございますが、これはスウェーデン放送所蔵のマスターテープに起因するものです。中継放送をスウェーデン放送がテープに同時収録している際に起こったと思われ、BISはその音を修正せずそのまま使っています。タワーレコード・オンラインショップの商品説明より
フルトヴェングラーのバイロイト第九
フルトヴェングラーの指揮によるバイロイトの第九は、演奏は1回限りだったと思いますが、録音した放送局や媒体、またはLPやCDの製作段階の違いでいろんな版が出ています。
また本番は1回だけですが、世に出た音源が、ゲネプロのものではないかというものもあります。
演奏が素晴らしいだけに愛好家は、その真髄を知りたくなるんでしょうね。
スウェーデン放送所蔵音源のLP
フルトヴェングラーのLP スウェーデン放送所蔵音源によるバイロイトの第9
日本独自企画で製作されたLPで、完全限定300セットです。
2021年末、フルトヴェングラー生誕135年の掉尾を飾る世紀の大発見として、BISレーベルからリリースしたフルトヴェングラー至高の名演ライヴ「バイロイトの第九」のSACDハイブリッド盤(KKC-6435 / BISSA-9060)から2年。
日本独自企画として2枚組LPの完全限定盤の登場しました。
BISレーベルからのライセンスで東洋化成プレスの重量盤です。
盤鬼平林氏の酔狂企画
フルトヴェングラー バイロイトの第九[モノラル&疑似ステレオ]<限定生産盤>
フルトヴェングラー没後70年記念、酔狂企画の第2弾は、不滅の名演であるバイロイトの第9を2種類の復刻で収録しました。Disc1は英HMVの初出LP、ALP1286/87からの復刻です。
同種のものはGS-2009(2006年)に発売しましたが、今回は未使用と思われる極上の状態の盤を手に入れ、そこから新規に復刻しました。
このALP盤はフルトヴェングラーが亡くなった翌年に発売されたためか、フルトヴェングラーの残り香が感じられるような、独特の音がします。
Disc2は今でも人気のある疑似ステレオ版です。本物のステレオではないとわかっていても、つい引き込まれてしまう魅力があります。
バイロイトの第九のアナログLPレコード
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー バイロイト祝祭管弦楽団ベートーヴェン: 交響曲第9番<限定盤>
フルトヴェングラー生誕135年記念!
2021年新リマスター音源によるアナログLP盤発売!
ここに収録された第九交響曲は、2021年9月24日発売の「フルトヴェングラー正規レコード用録音集大成」用として、2021年Studio Art & Sonによるオリジナル・マスターテープからの24bit/192kHzリマスター音源が採用されています。
これまでの一番新しいリマスター音源は2010-2011年にアビイロード・スタジオによるものでしたが、今回は最新デジタル機器とさらなる高ビットによる入念なる新しいリマスターにより、これまで以上にマスターテープに残された記録が再現されています。
バイロイトの第九 バイエルン放送音源
フルトヴェングラー バイロイトの第九 (7/29/1951) (音源: バイエルン放送)
2009年の発売でセンセーションが起きた、バイエルン放送を音源とするバイロイトの第九。
フルトヴェングラー・センター盤「バイロイトの第九」は、そもそも会員向け頒布という性格のため、同センターへの入会が必須条件という特殊CDでしたが、キング・インターナショナルとORFEOとの粘り越しの交渉の末このたび市販流通化が実現したものです。
EMIとはちがう、フルトヴェングラー1951年「バイロイトの第九」のまったく新たなソースと言えます、
バイロイトの第九 拍手と足音入り
2011年に”ヴィルヘルム・フルトヴェングラー生誕125周年記念企画”としてリリースされたリマスターSACD(ハイブリッド)シリーズの通常盤。
本盤は、拍手、足音も収録されているので、これが決定盤かと思っていました。
フルトヴェングラーの颯爽とした足どりの足音が収録されています。
しかし、スウェーデン放送音源盤には収録されていないので、今ではあの足音は本番のものか、それともゲネプロのものか、とわからないです。
まとめ
2024年に没後70年を迎えたヴィリヘルム・フルトヴェングラー。
録音に積極的でなかったからか、それともステレオ録音が一般的になる僅か数年前に亡くなってしまったからか、残されて録音の音質が明瞭でないためにかえって、その演奏が神格化された感じがあります。
僕も含めて、その不十分な音質から何かを感じさせるものを感じさえられて、それを何とか聴き取りたい、そしてフルトヴェングラーの真髄を知りたいと世界中の音楽ファンが望むことから、同時期の演奏と思われる録音がいろんな形で出ているのだと思うのです。
正直、僕は全部聴いてみたいし、次々に出てくるCDを極力聴くことを実行しています。
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