こんにちわ、
ともやんです。
エーリヒ・ラインスドルフ(1912-1993)というと名前だけは、かなり前から知っていましたが、そのCDやLPは、ほとんど聴いてこなかった人です。
特に聴かなかった理由があったわけではありません。
むしろあえて聴く理由がなかった、といった方がいいかもしれません。
どちらかというと個性的なスタイルというより、職人的で即物的な演奏をする方という印象を持っていました。
さて、今日はライスドルフの名盤と言われる、ベートーヴェン交響曲第3番”英雄”を聴いてみました。
ライスドルフ 名盤 プロフィール
エーリヒ・ラインスドルフは、オーストリアのウィーンのユダヤ人の家庭に生まれました。ウィーン音楽アカデミーに学び、1934年から37年まで、ザルツブルク音楽祭で、ワルターとトスカニーニの助手を務めました。
38年渡米、メトロポリタン歌劇場でデビュー。43年、クリーヴランド管の音楽監督に就任。その後、ロチェスター・フィル(1947-55)、メトロポリタン歌劇場音楽顧問(1957-62)、ボストン響(1962-69)、ウィーン響首席指揮者(76)、ベルリン放送響首席指揮者(1978-81)などを歴任。
となかなかりっぱな経歴の持ち主です。
しかも、まつわるエピソードを見ると正義感が強く言動も歯に衣着せぬ的な人だったようです。
ウェストミンスターに録音されたモーツァルトの交響曲集からいくつか聴いてみるとやや情感に乏しいさっぱりとして即物的な演奏で、なにか彼の言動とも結びつくような感じです。
なお、38年に渡米しているので、ユダヤ系ということからナチから逃れたと思っていたら、それより先にアメリカに渡って、むしろ帰国できなくなり、伝手の頼って職を探し、アメリカで市民権を獲得したとのことです。
そんなライスドルフの演奏ですから、ベートーヴェンの英雄もさぞ、トスカニーニかセルを彷彿させる演奏では、と先入観を持っていましたが、これが意外や格調の高い演奏でした。
ラインスドルフ 名盤 ベートーヴェン 交響曲第3番”英雄”
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン – Ludwig van Beethoven (1770-1827)
交響曲第3番 変ホ長調 「英雄」 Op. 55
Symphony No. 3 in E-Flat Major, Op. 55, “Eroica”
1.(15:39) I. Allegro con brio
2.(16:13) II. Marcia funebre: Adagio assai
3.(06:10) III. Scherzo: Allegro vivace
4.(12:02) IV. Finale: Allegro molto
total(50:04)
ボストン交響楽団 – Boston Symphony Orchestra
エーリッヒ・ラインスドルフ – Erich Leinsdorf
録音:1962年
1940年代から60代のラインスドルフの名演が10枚に収められたボックスです。
しかもこの2,000円台というお値段は、超お得!
R・シュトラウス、ワーグナー、ベートーヴェン、シューマン、ドヴォルザーク、マーラーなどの名曲のラインスドルフの名演が聴かれます。
ベートーヴェンの英雄は、マイルドなアタックで非常に格調高く悠然とした演奏で、すっかり感銘を受けました。
ハッキリ言ってこの英雄を聴くだけでも十分元が取れるボックスです。
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