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ヴィリヘルム・ケンプ ベートーヴェン ピアノソナタ全集

ケンプ
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こんにちは、
ともやんです。

ヴィリヘルム・ケンプ(1895-1991)。
ドイツの名ピアニストです。名指揮者カール・ベームと同世代です。

ケンプと言うと高齢になってからの写真を見ることが多く、好々爺とした感じで、「鍵盤の獅子王」と称されたヴィリヘルム・バックハウスと対極のように感じます。

写真だけ見ていると、ニコリともしないバックハウスが人を近づけない孤高の印象を与えます。

一方、ケンプの方は、優しいお爺さんという印象を与えます。

でも二人の遺されてピアノソナタ全集を聴くと共通点も多いです。
どちらも武骨で人に聴かせるというよりも自分とベートーヴェンが語り合っているような演奏です。

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ベートーヴェン 初期のピアノソナタ ケンプの名演で

ピアノ・ソナタ第1番へ短調 作品2の1
ピアノ・ソナタ第2番イ長調 作品2の2
ピアノ・ソナタ第3番ハ長調 作品2の3
ウィリヘルム・ケンプ(ピアノ)1965年録音。

ベートーヴェンは全32曲のピアノ・ソナタを作曲・出版しています。

20代前半から50代前半まで、1793年~1822年に掛けてで、9曲の交響曲、16曲の弦楽四重奏曲、と合わせてベートーヴェンのライフワークと言うべく生涯に渡って作曲しています。

だから、初期の作品から順を追って聴いていくと、曲想に人間としての成長が刻み込まれているのが感じられます。

さて、初期の作品2の3曲は、1793年~95年に掛けて、ベートーヴェン23才から25才に作曲された曲です。

ベートーヴェンは、少年の頃から優れたピアニストだったので、自分を表現する手段としてはピアノが最適だったのではと思います。

だから、大規模な交響曲に比べ、時々の心情も表現しやすかったと思います。

ピアノ・ソナタ第1番~3番は、まさに青春の1ページに希望と不安、夢と野望など感受性の豊かさを感じさせます。

それを録音当時70才の御大ウィリヘルム・ケンプが、青春時代を振り返るかのように懐かしい気持ちをいっぱい込めた演奏が好きです。

僕もそんな演奏が分かる年になったのかもしれません。

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ヴィリヘルム・ケンプ ベートーヴェン ピアノソナタ全集

『ベートーヴェン:32のピアノ・ソナタ全集』

【曲目】
CD1 第1,2,4番
CD2 第3,5,6,7番
CD3 第8「悲愴」,9,10,11番
CD4 第12,13,14「月光」,15「田園」
CD5 第16,17「テンペスト」,18,19番
CD6 第20,21「ワルトシュタイン」,22,23「熱情」,24番
CD7 第25,26「告別」,27,29「ハンマークラヴィーア」
CD8 第28,30,31,32番

【演奏】
ヴィルヘルム・ケンプ(Pf)

【録音】
1964年11月~1965年1月 ハノーヴァー

『ベートーヴェン:32のピアノ・ソナタ全集』ヴィルヘルム・ケンプ

どんなにいろいろなベートーヴェンのソナタを聴いたとしても結局、バックハウスか、このケンプの演奏に戻ってきてしまう……。そんな愛好家たちの心の拠り所となっている名演です。

多少無骨でも、指の回りが悪くてもハートで聴かせる、そんな人間味溢れる音楽が永遠の人気の秘密なのかもしれません。



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