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ワインガルトナー ベートーヴェン交響曲第9番 1935

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
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こんにちは、
ともやんです。

フェリックス・ワインガルトナー(1863-1942)当時オーストリア領(現クロアチア)のザーラに生まれ、オーストリア貴族の末裔とも言われています。
1942年5月7日にスイスで死去。だから今年は没後80年に当たります。

1863年生まれというと、マーラー(1860-1911)と同世代で、ドイツ、オーストリアの作曲家では、リスト、ワーグナー、ブルックナー、ブラームスといった後世に名を残している大作曲家たちがばりばり現役の頃です。

そんなことで若きワインガルトナーはリストの弟子になり、作曲家をめざしたそうですが、それでは食っていけないので、指揮者の仕事もするようになったそうです。

昔も今もクリエイティブな仕事というのは、売れればいいですが、そうでなければ副業なり兼業をしないと生活できないんですね。

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ワインガルトナーの功績

先月の9月10日、僕は合唱団の一員としてミューザ川崎で第九を歌いました。コンサートで歌ったのは5回目で、初めて楽譜なしで歌い自分としては満足でしたし、演奏もおーけすとら・ぴとれ座という若い音楽家中心のオケの熱演で感動的なものでした。

第九のコンサートは、合唱団メンバーは、曲が始まる前からオーケストラの後方の席で待つのが通例となっています。だから合唱団メンバーは、曲が始まってから約1時間近くは待っていなければいけないのです。
それが辛いかどうかは人それぞれでしょうが、運営側からは寝ないようにと厳しく言われていました。こっくりこっくりすると観客席からはよく見えるようです。
僕は、第一楽章から第三楽章まで指揮者の動きやオケ団員の演奏を楽しく観ていました。

さて、合唱団を曲が始まる前から配置しておくというのは、ワインガルトナーが提唱したことで、そこからこのスタイルが一般的になったそうです。
それまで一定ではなく、第三楽章が終わったあとぞとぞろと入場することもあったそうです。

また独唱者は、第2楽章の終了時に入場しましたが、こちらは紆余曲折があり、ワインガルトナーは合唱団と同じように曲が始まる時から控えさせたのですが、独唱者からはのどが乾いて発声が支障をきたすなど苦情が出たため、そのコンサート毎に第2楽章および第3楽章終了後に入場が一般的なようです。

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ワインガルトナーの第九

ワインガルトナーは第九を1926年と35年の2回録音しています。
現在は、1935年の録音が名演の名盤として知られています。

第九の演奏時間は平均70分。有名な話が、カラヤンが自分の第九の演奏を1枚に収めるためにソニーが70分収録出来るCDを開発したとか。

ところがワインガルトナーの演奏時間は約63分です。
聴いていて、その颯爽として軽やかでウィーン・フィルの優雅でエレガントな響きもあり、早すぎると感じることなく、むしろこの早さがぴったりくるって感じです。

しかも古さを全く感じさせない表現も特筆。そして探し求めた原盤と復刻エンジニアの執念ともいうべき見事な復刻。

現在は、全集盤でしか出ていないようですが、90年近い時空を超えて蘇る素晴らしい演奏録音にぜひ耳を傾てほしいです。

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ワインガルトナー ベートーヴェン交響曲第9番 1935

ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン – Ludwig van Beethoven (1770-1827)
交響曲第9番 ニ短調 「合唱付き」 Op. 125
Symphony No. 9 in D Minor, Op. 125, “Choral”
作詞 : フリードリヒ・フォン・シラー – Friedrich von Schiller

1.(15:30) I. Allegro ma non troppo, un poco maestoso
2.(10:01) II. Molto vivace
3.(14:47) III. Adagio molto e cantabile – Andante moderato
4.(23:06) IV. Finale: Presto – Poco allegro stringendo il tempo, sempre piu alle
total(63:09)

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ルイーゼ・ヘレツグルーバー – Luise Helletsgruber (ソプラノ)
ロゼッテ・アンダイ – Rosette Anday (コントラルト)
ゲオルク・マイクル – Georg Maikl (テノール)
リヒャルト・マイヤー – Richard Mayr (バス・バリトン)
ウィーン国立歌劇場合唱団 – Vienna State Opera Chorus
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 – Vienna Philharmonic Orchestra
フェリックス・ワインガルトナー – Felix Weingartner (指揮)
録音: 2-4 February 1935, Mittlerer Konzerthausaal, VIenna

ベートーヴェン: 交響曲全集<完全限定盤> フェリックス・ワインガルトナー

再生・復刻エンジニアのAkira A Fukushimaより。
ワインガルトナーのベートーヴェン:交響曲全集は巨匠の金字塔とも言える名録音です。

やはりSPで直接聴くことが望ましいのですが、数年前にオーパス蔵さんが立て続けにCDとして発表した音質が十二分と呼べるほどの素晴らしさで、感動しました。このまま9曲が復刻されて行くものと信じておりました。しかし、ウィーンフィルとの演奏4曲のみで終わったことは残念です。

今年はベートーヴェン生誕250周年であり、音質に満足いく全集が存在しない中で改めて復刻に挑戦するのも意義あることと思い作業に入りました。元来が名録音で、良く聴くと適度な残響も感じられ、当時の技術の高さにも改めて脱帽です。

ワインガルトナーは、後代のクライバーとも共通する澱みを排して流麗な流れを重視したベートーヴェンを創造する指揮者です。ワインガルトナー以降のベートーヴェンは大雑把に分けて、快速流線形型の機敏な演奏、荘重なテンポによる重厚な演奏に二分されるのではないでしょうか?

ウィーンフィル以外の演奏も立派なものです。ロンドンのオーケストラを振ってもウィーンの情緒を引き出して、木管のチャーミングや官能的なポルタメントにはどきりとさせられます。

「田園」は再録音を巨匠が希望していたのに叶わず、1927年録音(ベートーヴェン没後100年記念の録音企画!)と古い録音が採用されております。しかも80回転という昔の形式でこの再生には特に試行錯誤を繰り返しました。

使用した原盤は別掲の通りです。単純に言って日本盤はノイズが少ないものの音の線は細い傾向にあります。イギリス盤、アメリカ盤、フランス盤には力強さに魅力があります。これがマスター選択に関しての大いなる悩みとなっております。

一概にどこの国の盤が最高とも言えず、曲ごとに適切な盤を入手した結果がこうなりました。全て最新機器による洗浄の上で、独自の改造カートリッジで再生し、余計なイコライジングは避けております。

今年は、世界中がまさかの新型コロナウィルス禍に見舞われておりますが、ベートーヴェンの精神とも合致するPER ASPERA AD ASTRA(困難を超えて栄光に至れ)を心に抱き、ワインガルトナーの名演に親しむのも決して無駄ではないことでしょう。
ワインガルトナー自身の名著「ベートーヴェンの交響曲演奏について」の抜粋と新翻訳がライナーノートとなっております。



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