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ピアニスト ラルス・フォークト 死去

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こんにちは、
ともやんです。

訃報です。

ドイツのピアニストで指揮者でもあるラルス・フォークトさんが9月5日に自宅で死去しました。
昨年癌と診断され闘病生活を続けていましたが、惜しくも帰らぬ人となりました。51歳。
治療しながらも演奏活動を続け、来月には東京と金沢で来日公演を行う予定でした。

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ラルス・フォークト ブラームス ピアノ協奏曲

ラルス・フォークトは、1970年、ドイツ西部の街デューレンの生まれ。

1990年の「リーズ国際ピアノ・コンクール」で第2位を獲得しましたが、審査員を務めた指揮者のサイモン・ラトルが彼の第1位を主張したこともあって話題を集めました。

その後、主要オーケストラとの共演に加え、ソロや室内楽で旺盛な活動を展開。時代考証を踏まえた新鮮な解釈を確かなテクニックが支える演奏スタイルで高い評価を得てきました。

実は僕のブログでも2019年5月にフォークトが弾くベートーヴェンのピアノ協奏曲に感銘を受け、以下の投稿をしています。

ベートーヴェン ピアノ協奏曲第1番&5番 ラルス・フォークトの名盤

当時のフォークトは48歳ということでこれから円熟期を迎えるピアニストとして楽しみにしていました。

僕が訃報を知ったの昨日午後だったので昨晩と今朝はフォークトの弾き振りによるブラームスのピアノ協奏曲を聴きました。

これがまたいいのです。

ブラームスのピアノ協奏曲は堅牢な構成と卓越したテクニックを要する作品です。
しかもロマン派の作品ですから、その情感豊かな演奏は最高です。

ブラームスの性格は内省的でシャイだったよく言われますが、その内面は決して淡白でなく多情多感だったのではないかと僕は思っています。

でもそれを抑制してしまう面もあり、ブラームスの内面には、そのふたつの感情が常にぶつかっていたのではないか、なんて考えてしまいます。

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ブラームス ピアノ協奏曲第1番とクララ・シューマン

クララ・シューマン(1819-1896)
ブラームスより14歳年上で、師と仰ぐロベルト・シューマン夫人。この作品にはクララが大きな役割を果たしています。

この曲は1854年21歳の時に2台のピアノのためのソナタとして草案されました。クララと試演を重ねましたが、ピアノ2台だけでは充分でないと認め、最初の楽章を交響曲に変更、さらに計画を変更してピアノ協奏曲として5年の歳月を掛けて完成させました。

初演は、1859年1月22日ハノーファーで行われましたが、ブラームスはさらに修正を加えライプツィヒのゲヴァントハウス管の定期演奏会で発表しました。

クララとブラームスの関係は、色々推測されていますが、1856年のシューマンの死後、恋愛関係にあったという説もありますが、その証拠は残っていないそうです。
ただ生涯友人として関係を続け、1896年5月20日にクララが76歳で亡くなると14歳も年下のブラームスは後を追うように1年も経たない翌1897年4月3日に63歳の生涯を閉じました。なにか意味深です。

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フォークト ブラームス ピアノ協奏曲第1番

ヨハネス・ブラームス – Johannes Brahms (1833-1897)
ピアノ協奏曲第1番 ニ短調 Op. 15
Piano Concerto No. 1 in D Minor, Op. 15

1.(22:40) I. Maestoso
2.(13:49) II. Adagio
3.(12:33) III. Rondo: Allegro non troppo
total(49:02)

ラルス・フォークト – Lars Vogt (ピアノ)
ロイヤル・ノーザン・シンフォニア – Royal Northern Sinfonia
ラルス・フォークト – Lars Vogt (指揮)
録音: 30 November – 1 December 2018, Sage Gateshead Concert Hall

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4つのバラード Op. 10
4 Ballades, Op. 10

ラルス・フォークト – Lars Vogt (ピアノ)
録音: 20 January 2019, Kammermusiksaal DLF, Cologne

4.(04:36) No. 1 in D Minor, “Edward”
5.(06:30) No. 2 in D Major
6.(03:55) No. 3 in B Minor
7.(07:56) No. 4 in B Major
total(22:57)

ブラームス ピアノ協奏曲 第1番 他 ラルス・フォークト ロイヤル・ノーザン・シンフォニア

2017年まで、ロイヤル・ノーザン・シンフォニアを自ら指揮し、ベートーヴェン協奏曲ツィクルスに取り組んできた名手ラルス・フォークト。

今作で彼が取り組むのは、ブラームスのピアノ協奏曲 第1番。それも自らオーケストラを指揮しながらピアノを弾くという難題に挑戦します。もともとオーケストラ・パートが充実しており「ピアノ付の交響曲」と呼ばれるこの作品、もちろんピアノ・パートも分厚い和音と困難なパッセージが続出するため、この曲を弾き振りするなんて不可能では…。

フォークトはそんな不安をよそに、実に雄大な音楽を創り上げていきます。劇的な第1楽章の冒頭からぐいぐいと聴き手の耳を引きつけ、音楽にのめりこませます。第2楽章では穏やかな旋律を心を込めて歌わせ、第3楽章では息をもつかせぬ迫力で作品に対峙します。

併せて収録されている「4つのバラード」はブラームス初期の作品。とはいえ、重厚な協奏曲に比しても遜色ないほどの完成度を誇っており、ここでもフォークトは隅々まで心の通った演奏を繰り広げています。



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