こんにちは、
ともやんです。
ラファエル・クーベリック(1914-1996)は、チェコ出身の大指揮者です。
1934年にチェコフィルを振ってデビューしましたが、48年に祖国の共産化に反対して西側に亡命しました。
61年から79年に掛けてバイエルン放送交響楽団を初代のオイゲン・ヨッフムから引き継いで2代目に就任。
世界的なオーケストラに育て上げました。
僕自身古くからクーベリックの名前は知っていましたが、あまりその録音を聴いてこなかったのは、いまひとつ同年代のショルティ、ジュリーニ、ヴァント、チェリビダッケに比べ感じるインパクトが弱かったから知れません。
でも今回聴いてドヴォルザーク交響曲8番と9番には圧倒されました。
クーベリック ドヴォルザーク交響曲第8番
交響曲第8番 ト長調 Op. 88, B. 163
Symphony No. 8 in G Major, Op. 88, B. 163
1.(09:57)I. Allegro con brio
2.(10:19)II. Adagio
3.(06:39)III. Allegretto grazioso – Molto vivace
4.(08:04)IV. Allegro ma non troppo
total(34:59)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 – Berlin Philharmonic Orchestra
ラファエル・クーベリック – Rafael Kubelik (指揮)
録音: June 1966, Jesus-Christus-Kirche, Berlin, Germany
ドヴォルザーク 交響曲第8番・第9番≪新世界より≫ ラファエル・クーベリック ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
全集のなかで一番早い66年に録音されたもので、その他が71年~72年に録音されていることを考えると最初から全集の企画ではなかったのかもしれません。
だからか、この8番と次の9番”新世界より”との差がはっきり出ていて面白いです。
演奏は圧倒的に8番が凄くて、ヴァイオリンの集中力、チェロの瑞々しい覇気、木管の見事なテクニック、金管の輝かしい響き、どれをとっても世界最高のオーケストラの響きが、活き活きとして恐ろしいくらい迫ってきます。
思うにこの演奏が凄すぎたので、ベルリンフィル初のドヴォルザーク交響曲全集の録音へと進んだのではないかと勝手に考えています。
クーベリック ドヴォルザーク交響曲第9番”新世界より”
交響曲第9番 ホ短調 「新世界より」 Op. 95
Symphony No. 9 in E Minor, Op. 95, B. 178, “From the New World”
1.(09:32)I. Adagio – Allegro molto
2.(13:04)II. Largo
3.(08:08)III. Molto vivace
4.(11:52)IV. Allegro con fuoco
total(42:36)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 – Berlin Philharmonic Orchestra
ラファエル・クーベリック – Rafael Kubelik (指揮)
録音: June 1972, Jesus-Christus-Kirche, Berlin, Germany
SACDハイブリッド ドヴォルザーク:交響曲全集(第1番-第9番≪新世界より≫)<タワーレコード限定>
第8番を相当持ち上げましたが、いやいや”新世界より”も他の名指揮者の演奏と比べても抜きんでた名演です。
クーベリック自身、お国ものと言うことで、ベルリンフィル以外にもウィーンフィル(56年)、バイエルン放送響(65年日本公演ライブ)、シカゴ響(50年代初頭)、チェコフィル(91年プラハの春ライブ)との録音があります。
僕自身、このベルリンフィルの他は聴いていませんのコメントできませんが、音楽雑誌や各評論よりぜひ聴いてみたいと思うのは、56年ウィーンフィルと91年チェコフィルとの録音です。
まとめ
クーベリックは、華麗なショーマンシップやスター性とは無縁の人でした。
また音つくりにも強烈なインパクトを感じさせる人ではありませんでした。
ただただ誠実に完成度の高い音楽を作り上げていくタイプの指揮者だったと思います。
いやその完成度の高いという表現もなんかクーベリックの演奏に接すると陳腐に聞こえてしまいます。
地味だけどずっしりとして感銘を与える指揮者が好きな僕としては、もっとこれから聴き込みたい指揮者です。
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