こんにちは、
ともやんです。
ドヴォルザークは、交響曲を9曲残しています。
その中でもっとも有名なのが、最後の第9番「新世界より」です。
特に第2楽章のメロディーは、家路という歌として歌詞が付けられ、普段クラシック音楽に馴染んでいない方でも、口ずさむことが出来るのではないでしょうか。
僕は、もちろん「新世界より」も好きですが、それよりも好きなのが第8番ト長調です。
ドヴォルザーク 交響曲第8番 イギリス?
僕が、まだクラシック音楽を聴き始めた頃、ドヴォルザークの交響曲第8番には「イギリス」というタイトルが付けられ、それを表記しているLPレコードなどがあったことを記憶しています。
だたし、近年はそんな表記は全くと言っていいほど目にしなくなりました。
調べてみるとこの作品に「イギリス」という呼称が付けられた経緯がわかりました。
ドヴォルザークは、ドイツのジムロックという音楽出版社と契約していましたが、ここの作曲料が低いのと、小曲ばかり要求している。この交響曲第8番のような大曲に対しても同様で、しかもドヴォルザークの意向を無視するように勝手に作品番号を付けたりしたため、頭にきたドヴォルザークは、一方的に契約を破棄しました。
そしてこの作品をロンドンのノヴェロ社から出版したため「イギリス」という愛称で呼ばれるようになったそうです。
僕がクラシック音楽に親しみ始めた1970年代は、例えば「運命」「未完成」やその他、作曲者自身が付けていない呼称や愛称で呼ばれるようなことが今よりかなり多かったように感じます。
ドヴォルザークの交響曲第8番もそんな風潮から、ある一時期「イギリス」と呼ばれていたのでしょう。
宇野功芳 推薦 アバドのドヴォルザーク交響曲第8番
クラシック音楽の聴き始めから影響を強く受けてきた宇野功芳氏(1930-2016)。何を聴いたらいいかわからない中学から高校生時代に掛けて、宇野さんの影響は特に多く受けました。
年若い僕には、宇野氏の歯に衣着せぬ文章が刺激的だったのでしょう。
当時高額だったLPレコードを買う時は出来るだけ彼の推薦するものを買うようにしていました。なんと言ってもLPレコードは、中高生の小遣いで買うとなると数ヵ月に1枚買えれば良いという時代でした。
またレコードが買えなくても宇野さんの本を読んでいれば知識も広がったのです。
そんな傾向は、社会人になっても続きました。
ただ宇野さんの推す音楽家は、割とはっきりしていて、僕がいいと思う音楽家には全く触れないということもあり、その内宇野氏の意見は参考適度にするようにもなりました。ただ今でも宇野さんの意見は一応チェックしています。
そんな中、ドヴォルザークの交響曲第8番に関しては、宇野さんの中ではあまり評価の高くないクラウディオ・アバドと小澤征爾の録音を勧めているのには、意外でした。
この二人以外では、宇野さんお気に入りのブルーノ・ワルターでしたから尚更な印象でした。
逆に、普段評価の高くないアバドと小澤の録音を薦めるくらいだから、この二人の演奏は相当優れているんだなとも感じたのです。
実際、両者の演奏を聴いて、これは素晴らしい、凄い!と感じないわけに行きませんでした。宇野さんもさすがにここまでの演奏をされたら無視できなかったんですね。
むしろ他の演奏でも、こんな演奏をすればいいのにと記しているくらいです。
実際のアバドの演奏は、陰影に富んだ素晴らしいもので、他の演奏は大人しすぎるように感じると記しています。
とにかく、ドヴォルザークの交響曲第8番が大好きで、多くの録音を聴いてきた僕にも、このアバド&ベルリン・フィルの録音は、素晴らしい内容です。
ぜひ、聴いてほしいな、と思わずにはいられません。
アバド ベルリン・フィル ドヴォルザーク 交響曲第8番
アントニン・ドヴォルザーク – Antonin Dvo?ak (1841-1904)
交響曲第8番 ト長調 Op. 88, B. 163
Symphony No. 8 in G Major, Op. 88, B. 163
5.(10:26) I. Allegro con brio
6.(10:22) II. Adagio
7.(05:56) III. Allegretto grazioso – Molto vivace
8.(09:50) IV. Allegro ma non troppo
total(36:34)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 – Berlin Philharmonic Orchestra
クラウディオ・アバド – Claudio Abbado (指揮)
録音:1993年11月 ベルリン(ライヴ)
ドヴォルザーク 交響曲第8番 他 クラウディオ・アバド ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
イタリアの巨匠アバドが当時音楽監督をつとめていたベルリン・フィルとドヴォルザークのもっとも有名な交響曲のひとつと比較的珍しいレパートリーの組み合わせで、アバドにとっては初のドヴォルザーク録音となりました。
いずれもベルリン・フィルの圧倒的なアンサンブルとアバドの音楽性が見事に合致した名演奏で、ライヴ録音とは思えないほどの完成度を誇ります。
民族色というよりは歌心と生命力に満ち溢れた美しい名盤で、共にアバド唯一の録音です。
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