こんにちは
ともやんです。
カール・ベーム(1894-1981)。
オーストリアのグラーツに生まれ、同地で教育を受けたのち、やはり同地のオペラハウスで指揮者デビュー。
1934年からはドレスデンで、1934年からはウィーンで、ふたたび1954年からウィーン歌劇場音楽監督の地位に就きました。ザルツブルク音楽祭、バイロイト音楽祭にも盛んに出演した20世紀を代表する名指揮者です。
カール・ベームの思い出
中学生だった僕が、1970年からクラシック音楽に興味を持ちだし、小遣いを貯めては、LPレコードを買ったものです。
ただ、当時のLPレコードは、高額で一枚2,500円から3,000円していて、他の物価と比べても相対的に非常に高価なものでした。
当然中学生の小遣いでは、数ヵ月に1~2枚購入できればいいところでした。
だから、選ぶ際も真剣そのものです。
先日、300枚近いLPレコードをディスクユニオンに買取を依頼しましたが、中学から高校に掛けて購入したLP10数枚は手ものとに置いています。墓場まで持っていこうと思っています。
さて、その中でカール・ベームのLPが2枚(正確には1つが2枚組なので3枚)含まれています。
それは、ベルリンフィルとによるモーツァルト交響曲第40番&第41番”ジュピター”とウィーンフィルとによるベートーヴェンの第九です。
当時の70年代は、日本でのベーム人気は凄いものでした。
まさにカラヤンと双璧をなしていました。
外面的に豪華で華麗なカラヤンに対して、内面が充実しているベームという対立構造でしたが、これは両巨匠を擁するドイツグラモフォンの販売戦略だったかもしれません。
だから僕は当然ベームファンでした。むしろアンチ・カラヤンだったかもしれません。
ただ、今考えるとカラヤン以外のベーム、ワルター、クレンペラー、バーンスタインのLPで名曲を聴いて行ったのは感性を磨くにはいいことだったと思います。
ベーム&ウィーンフィル ハイドン交響曲選集
ベームがウィーンフィルと72年から74年に掛けて録音したハイドンの交響曲集を聴きました。
ウィーンフィルの有機的なアンサンブルと心地よい響き。そしてベームの正攻法の指揮で安心して楽しめる演奏です。
現代のハイドン演奏が、古楽器スタイルが主流で、それはそれでいいですが、50年来のクラシックファンの僕としては、伝統のスタイルで演奏するベームが安心して楽しめます。
しかも今回聴いて、新しい発見としては、第88番の第二楽章ラルゴで、オーボエが可愛くピヨピヨと奏でる部分があります。これは内声部なので聴き取れることが少ないですが、ベームで演奏では明確に聴き取ることが出来、それがまたとてもチャーミングでいいのです。
ぜひ、聴いて欲しい交響曲集です。
カール・ベーム ウィーンフィル ハイドン交響曲集
フランツ・ヨーゼフ・ハイドン – Franz Joseph Haydn (1732-1809)
交響曲第88番 ト長調 「V字」 Hob.I:88
Symphony No. 88 in G Major, Hob.I:88
1.(06:41) I. Adagio – Allegro
2.(07:20) II. Largo
3.(04:48) III. Minuet: Allegretto
4.(04:08) IV. Finale: Allegro con spirito
total(22:57)
録音: September 1972, Grosser Saal, Musikverein, Wien, Austria
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交響曲第89番 ヘ長調 Hob.I:89
Symphony No. 89 in F Major, Hob.I:89
5.(07:35) I. Vivace
6.(06:34) II. Andante con moto
7.(04:31) III. Menuet: Allegretto
8.(05:13) IV. Finale: Vivace assai
total(23:53)
録音: September 1972, Grosser Saal, Musikverein, Wien, Austria
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交響曲第90番 ハ長調 Hob.I:90
Symphony No. 90 in C Major, Hob.I:90
9.(07:31) I. Adagio – Allegro assai
10.(08:41) II. Andante
11.(05:26) III. Menuet
12.(05:03) IV. Finale: Allegro assai
total(26:41)
録音: May 1973, Grosser Saal, Musikverein, Wien, Austria
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交響曲第91番 変ホ長調 Hob.I:91
Symphony No. 91 in E-Flat Major, Hob.I:91
13.(09:38) I. Largo – Allegro assai
14.(07:11) II. Andante
15.(04:34) III. Menuet: Un poco allegretto
16.(05:44) IV. Finale: Vivace
total(27:07)
録音: September 1973, Grosser Saal, Musikverein, Wien, Austria
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交響曲第92番 ト長調 「オックスフォード」 Hob.I:92
Symphony No. 92 in G Major, Hob.I:92, “Oxford”
17.(08:54) I. Adagio – Allegro spiritoso
18.(08:00) II. Adagio
19.(06:08) III. Menuetto: Allegro
20.(06:00) IV. Presto
total(29:02)
録音: April 1974, Grosser Saal, Musikverein, Wien, Austria
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協奏交響曲 変ロ長調 Hob.I:105
Sinfonia Concertante in B-Flat Major, Hob.I:105
21.(09:49) I. Allegro
22.(06:10) II. Andante
23.(06:29) III. Allegro con spirito
total(22:28)
録音: May 1973, Grosser Saal, Musikverein, Wien, Austria
演奏
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 – Vienna Philharmonic Orchestra
カール・ベーム – Karl Bohm (指揮)
ハイドン: 交響曲第88番《V字》~第92番《オックスフォード》、協奏交響曲<タワーレコード限定>
晩年のベーム&VPOによる慈しみ溢れるハイドンを2枚に集成。交響曲と協奏交響曲全6曲を本国オリジナル・マスターより新規復刻。新規序文解説付
カール・ベームとウィーン・フィルによる、ハイドン演奏の模範演奏とも言うべき70年代のDG音源の中から、声楽曲を除く、管弦楽作品3枚分のオリジナル・アルバムを2枚のCDに集成しました。
これらのハイドンは、同じくDGとのベートーヴェンの交響曲全集等と同時期に録音されており、ベームが78歳から79歳にかけて収録が行われました。その後も特にウィーン・フィルとはDGに独墺系のメインレパートリーの再録音含め、注目される作品の収録をしていくことになります。
この時期のベームはまさに円熟期にあり、ゆったりとしたテンポを基本に、細部まで目が届いた端正な演奏となっているのが特徴で、日本ではハイドン演奏の受容がなかなか進まなかった当時においても、このベームの演奏によりウィーンに根付く伝統と格式を基盤に、ハイドンを初めて理解できたといったリスナーも多いのではないでしょうか。
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