こんにちは、
ともやんです。
今年2020年は、ジョン・バルビローリ(1899-1970)の没後50年に当たります。
そういうこともありレコード会社からも特別記念盤が出ています。
そしてバルビローリの名演も収録しているグスタフ・マーラー(1860-1911)の『生誕150年記念ボックスーマーラー・コンプリート・エディション』が、かなりお得な価格でタワーレコードで出ています。
マーラーの交響曲、歌曲などほぼ全作品をCD16枚組に収録したボックスセットが、なんと3千円台で購入できるのです。
これは買いです。
しかも収録されている演奏が凄いのが揃っています。
マーラー・コンプリート・エディション 生誕150年記念ボックス
今年は、グスタフ・マーラーの生誕160年です。
だから生誕150年記念ボックスなんて10年前の企画です。
でもクラシック音楽の場合、10年前だからと言って内容が古くなるわけではありません。
むしろ値下がりした分、かなりお得になっていて、ハッキリ言ってこの記念ボックスは買いです。
収録されている演奏がまたいいではないですか!
交響曲全11曲(第10番含む)を見てみましょう。
第1番:カルロ・マリア・ジュリーニ&シカゴ響
第2番”復活”:オットー・クレンペラー&フィルハーモニア管
第3番:サイモン・ラトル&バーミンガム市響
第4番:ヤッシャ・ホーレンシュタイン&ロンドンフィル
第5番:クラウス・テンシュテット&ロンドンフィル
第6番”悲劇的”:ジョン・バルビローリ&ニュー・フィルハーモニア管
第7番”夜の歌”:サイモン・ラトル&バーミンガム市響
第8番”千人の交響曲”:クラウス・テンシュテット&ロンドンフィル
大地の歌:オットー・クレンペラー&ニュー・フィルハーモニア管
第9番:ジョン・バルビローリ&ベルリンフィル
第10番:サイモン・ラトル&ベルリンフィル
ハッキリ言って、クレンペラーの”復活”と”大地の歌”、そしてバルビローリの第6番と第9番を聴くことが出来るだけでこのボックスセットは金額以上の価値があります。
そして今回、この中から第6番をバルビローリの指揮で聴きました。
実はこの器楽だけで1時間半近くかかる第6交響曲を僕は苦手にしています。
僕は、マーラーは好きかと聞かれれば、少し躊躇します。曲と演奏によって好きなものもあるし、聴かず嫌いなものもあります。
曲で好きなのは、第1番、2番”復活”、第9番は文句なく好きです。次点が第4番。
一方、演奏次第で好きなのが、第7番と大地の歌。共にクレンペラーの演奏CDなら聴くことが出来ます。
さて、第6番は苦手意識を持っていました。どうも聴き通すことが辛かったのです。
でも今回バルビローリの指揮で聴くと聴き通すことが出来、しかも深い感銘を受けました。
そう言えば、宇野功芳氏が、
“絶望や恐怖や憧れがシリアスな音楽美の中に結晶化しており、「第九」を好きな人は今すぐにでも聴いてほしい”
と書いていたくらいです。
第一楽章のイントロから、チェロとコントラバスで奏される有機的な響きが素晴らしいです。
終始、溢れる生命力とそれと呼応するような悪魔的な響き。そして終楽章のエンディングの衝撃的な終わり方。
この終わり方が意味することを考えれば考えるほど怖くなってきます。
バルビローリの演奏で1時間半近くの曲を飽きずに聴き通すことが出来ます。
次は、各楽章ごとに深掘りして行こうと思います。
そしてぜひ聴いて欲しい曲であり演奏です。
バルビローリ マーラー交響曲第6番”悲劇的”
グスタフ・マーラー – Gustav Mahler (1860-1911)
交響曲第6番 イ短調 「悲劇的」
Symphony No. 6 in A Minor, “Tragic”
1.(21:14) I. Allegro energico, ma non troppo. Heftig, aber markig
2.(15:51) III. Andante moderato
3.(13:53) II. Scherzo: Wuchtig
4.(32:43) IV. Finale: Allegro moderato – Allegro energico
total(83:41)
ニュー・フィルハーモニア管弦楽団 – New Philharmonia Orchestra
ジョン・バルビローリ – John Barbirolli (指揮)
1967年8月17-19日、キングズウェイ・ホール、ロンドン録音
『生誕150年記念ボックスーマーラー・コンプリート・エディション』
現代においてその存在感をさらに増し続けるマーラーの全作品ボックス
20世紀後半以降、グスタフ・マーラーは音楽家と聴衆のおおいな関心を占める存在になっています。彼は1911年に亡くなっていますが、交響曲と歌曲については完全に個性的な作品でありながら世界的な広がりを持ち、現代において望まれる存在となっています。
本ボックスの1949年から2010年にかけて収録され、高く評価されている録音は、偉大なるマーラー指揮者、歌手たち、管弦楽団によるもの。
ボストリッジとパッパーノによる3歌曲の新録音を含め、このセットはマーラーの世界を完全に網羅するものです。
EMIミュージック・ジャパン
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