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太宰治の誕生日に聴くティントナーのモーツァルト

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こんにちは、
ともやんです。

太宰治は1909年6月19日に現在の青森県五所川原市に生まれました。
少年の頃から学業優秀で、当時の東京帝国大学文学部に進んでいます。
しかし、破滅型の性格からか自殺未遂を繰り返したり薬物に依存したりしていました。
多くの文学作品を残しましたが、1948年6月13日に愛人の山崎冨栄と玉川上水で心中しています。太宰38歳、冨栄28歳。

さて、音楽家の自殺というと僕がすぐ思い浮かべるのが、ゲオルグ・ティントナー。
ティントナーは、1919年生まれで幼少からピアノを学び、ウィーン合唱団にも所属し、ウィーンで指揮者として活動していましたが、ユダヤ系ということでナチスの迫害で失業し、国外脱出を余儀なくされました。

まさに狂った権力者に人生を翻弄された一人です。
現在のウクライナでも一人の狂人によって人生を狂わされた人が何十万、何百万人にいます。
悲しいかな日本もそんな歴史を辿った過去があり、現在もその危険は大いにあります。
もうすぐ参院選ですが、国民には参政権があるのですから、せひ投票に行き、真に日本の将来を憂う人に投票してほしいと思います。

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ティントナーの栄光と悲しい最期

さて、ナチスにウィーンを追放されたティントナーは、ニュージーランド、オーストラリアで音楽活動を再開、それだけは食えないのでいろんな仕事に就いたようです。

それでも地道な活動が実を結び1986年にはカナダのオケからの要請でカナダを身を落ち着けることになりました。
ウィーンを追われて50年、ティントナーはすでに70歳近い年齢になっていました。
ここまで彼を支えたのは音楽と78年に出会ったターニャ夫人の力だと想像します。

そう言えば先日読んだ『カレル・アンチェル 悲運に生きたマエストロ』でも、アウシュビッツで両親、夫人と幼子を亡くしたアンチェルが、戦後再び指揮者として活躍する支えとなったのは、音楽の力と同じ境遇にあった夫人との出会いでした。

話をティントナーに戻します。ターニャ夫人の絡みでティントナーにビッグチャンスが訪れたのです。大手レーベル、ナクソスからオファーが来たのです。
それもブルックナー交響曲全集の録音というビッグ・プロジェクトでした。

それが1994年、そして3年後の1997年に第1弾ブルックナーの第5番が出ると世界的なセンセーションが起きました。この時初めて日本からもファンレターを受取ったそうです。

また音楽家にとって最高の栄誉の一つとされているイギリスの音楽誌『グラモフォン』の表紙も飾り、読売日響からの指揮のオファーがきて2000年7月に来日予定でした。

しかし、ティントナーは既に悪性の皮膚がんである悪性黒色腫を患っており、症状は悪化し、人や場所を正しく認識できなくなる症状になることもあり、1999年10月2日に自宅マンションの11階から飛び降り帰らぬ人となってしまいました。
享年82歳。年齢的には十分生きたと捉える向きもありますが、遅れてきたマエストロにとっては悲しい最期でした。

ティントナーの録音ではなんと言ってもブルックナーの交響曲全集で、どれから聴いても深い感銘を受けます。

でも僕は、まだメジャーになる前の80年代のモーツァルトも好きです。
質素で禁欲的でありながら、自愛に満ちた演奏から深い感動をもらいます。
ぜひ、聴いてみてください。

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ティントナー指揮モーツァルト交響曲選集

ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト – Wolfgang Amadeus Mozart (1756-1791)
交響曲第31番 ニ長調 「パリ」 K. 297
Symphony No. 31 in D Major, K. 297, “Paris”

1.(08:00) I. Allegro assai
2.(05:26) II. Andantino
3.(04:05) III. Allegro
total(17:31)
録音: 16 April 1989

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交響曲第35番 ニ長調 「ハフナー」 K. 385
Symphony No. 35 in D Major, K. 385, “Haffner”

4.(05:54) I. Allegro con spirito
5.(09:45) II. Andante
6.(03:00) III. Menuetto – Trio
7.(04:07) IV. Finale: Presto
total(22:46)
録音: 20 March 1991

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交響曲第40番 ト短調 K. 550
Symphony No. 40 in G Minor, K. 550

8.(08:36) I. Allegro molto
9.(14:06) II. Andante
10.(04:33) III. Menuetto: Allegretto
11.(09:56) IV. Finale: Allegro assai
total(37:11)

シンフォニー・ノヴァ・スコシア – Symphony Nova Scotia
ゲオルク・ティントナー – Georg Tintner (指揮)
録音: 1 February 1994

モーツァルト:交響曲第31番、第35番、第40番(シンフォニー・ノヴァ・スコシア/ティントナー)

『ティントナー・メモリアル・エディション 第1集~モーツァルト:交響曲第31番、第35番「ハフナー」&第40番』
ティントナーがカナダCBCレコードに残した音の遺産を世に広める貴重なシリーズ、ティントナー・メモリアル。第1作目は得意のモーツァルトの交響曲。小細工することなく自然に、大らかに、堂々と奏でています。「ハフナー」終楽章の力強さ、緊張感は出色。拍手入りのライヴ録音です。



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