こんにちは、
ともやんです。
村上春樹の新刊『古くて素敵なクラシック・レコードたち』では、村上氏自身は、100曲のクラシック作品を選んで、それぞれ数枚のお気に入りのLPレコードを紹介するという企画をまとめた本です。
村上氏自身約60年に渡ってレコード愛好家で、ご自宅には約1万5千枚ほど所蔵されているそうです。ただ、数えていないのであくまで推測だそうです。
僕に一時期500枚ほど所蔵していた頃があり、1万5千枚というその30倍ですから、ほとんど一部屋潰しても入りきらないくらいで、木造アパートならその重量で傾くんじゃないか、というくらいの量です。
そこから好きなレコード、面白いレコード486枚を紹介しています。
さっそくこの本を購入して、村上氏のセンスに近づこうと思ったのですが、なんせLPレコード主体ですので、CDでは入手困難なものもあり、ただ、聴くことが出来るものは極力聴いていこうと最近は、村上コレクションを聴くことを楽しんでいます。
モーツァルト 交響曲第41番「ジュピター」4選
村上氏の選んだ100曲は、多彩なものですが、通俗的なものからマニアックなものまで幅広くあります。ただ、言わゆる一般的な名曲は少なく、モーツァルトのジュピターは、その少ない有名曲の一つです。
また、村上氏のいいところは一般的に名盤と言われるものにこだわっていないところです。あくまで自分で聴いて、気に入ったLPを紹介しています。
何を隠そう僕は、自分が気に入った評論家が薦めるLPを買うということをクラシック音楽を聴き始めた頃をからしていました。
当時はなんせLPが高価でしかも中学生にとって数ヵ月にせいぜい1枚か2枚買えるのが常でしたから、あまり失敗したくないという気持ちだからでした。
しかし、それは最初の頃で、大人になってある程度自由に買えるようになってから、中古店によく顔出し、ジャケットで選んだり、自分の感覚で選ぶようになりました。
ただ、やはりいろんな人が選ぶLPやCDから完全にひとり立ちは出来ず、特に知らない作曲家や作品の場合は、いまでの参考にしていることはあります。
さて、村上氏が『古くて素敵なクラシック・レコードたち』の中で紹介しているのは、以下の4つです。
Mozart: Symphonies “Prague” & “Jupiter”, Piano Concerto No.20, etc ブルーノ・ワルター 、 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
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モーツァルト:交響曲第39番/第41番≪ジュピター≫ ペーター・マーク 、 日本フィルハーモニー交響楽団
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ブルーノ・ワルターのウィーンフィルとの戦前の録音に同じウィーンフィルをカール・ベームが指揮した75年の日本公演(※但し、紹介しているCDは、翌76年のセッション録音です。)そしてペーター・マークと日本フィル。3人ともモーツァルトの演奏には定評のある指揮者で、ああ、なるほどねと思うのですが、トマス・ビーチャム&ロイヤルフィルは意外でした。
僕も聴きましたが、村上氏のいうように、練れた古典落語みたいな独特の趣のある演奏です。
しかも村上氏はビーチャムがお気に入りの指揮者で、『古くて素敵なクラシック・レコードたち』の中でトマス・ビーチャムの素敵な世界という項を設けているくらいです。
ぜひ、聴いてみたいですね。
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