こんにちは、
ともやんです。
フランツ・コンヴィチュニー(1901-1962)。
ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団のヴァイオリン兼ヴィオラ奏者として出発。1930年にシュトゥットガルト歌劇場の音楽監督。その後、フライブルク、フランクフルト、ハノーファーの歌劇場の音楽監督を歴任。
戦後、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管の常任指揮者(1949-62)。
また、オペラの分野ではドレスデン国立劇場(1950-54)、ベルリン国立劇場(1955-62)の音楽監督を歴任。
コンヴィチュニーは、1962年7月28日演奏旅行先のユーゴスラビアのベオグラードにて、ベートーヴェンのミサソレムニスのリハーサル中に心臓発作のため急死しました。
東ドイツ政府は、飛行機で帰国した偉大なマエストロの亡骸を国葬をもって弔いました。
享年60歳。
これから巨匠への道を歩む年齢なのに残念でなりません。
コンヴィチュニーが教えてくれたクラシックの楽しみ
僕は、1970年に初めてクラシックレコードを買ってから本格的にクラシック音楽を聴くようになりました。
最初に買ったLPレコードが、カラヤン&フィルハーモニア管とのベートーヴェンとチャイコフスキー。
その次がフルトヴェングラーのベートーヴェン、その後はあまり憶えていませんが、ワルター、ベームと言った巨匠たちに交じってコンヴィチュニーのLPを買っています。
当時は、LPレコードが、平均的な物価に比べ、非常に高額で当然中学生の小遣いでは、なかなか買えないものでした。
それだから、いざ買うとなるとかなり時間を掛け選んで迷って購入したものです。
僕が最初に買ったコンヴィチュニーのLPは、確かベートーヴェンの交響曲第4番と第5番だったと思います。
刺激的でなく、まっとうな演奏でこれで第4番と第5番が好きになりました。
そして時は流れ、僕は高校、大学と進学し、社会人になりました。そんなある日、クラシック好きな知人から、コンヴィチュニーのベートーヴェン交響曲全集がCDで出ているね、という情報を聞いて、すぐ買い求めました。
まあ、個人的には、ハンス・シュミット=イッセルシュテット&ウィーンフィル盤と共にこの2つの全集を聴き込めばベートーヴェンは語れると思っています。
そして、ベートーヴェン交響曲全集と共に、コンヴィチュニーの遺産と言われるシューマン交響曲全集は、実はいままで疎遠にしていました。
簡単に言うと怖かったのです。
シューマンの全集と言うとパレー、セル、サバリッシュといった素晴らしい全集を聴いてきました。コンヴィチュニーが好きゆえに、そんな名盤に比べて劣っているかもしれない感じるのが怖かったのです。
しかし、それは杞憂でした。
むしろ堅固な構成、内声部の充実、特に弦の充実は素晴らしいもので、非常に感銘を受けました。
録音されてから60年経ったいまでも現役のCDをして、しかもハイブリッド盤として発売されたことにレコード会社の良心を感じ、またこの録音をしっかり支持する耳の確かなリスナーがいることは素晴らしいことだと改めて感じました。
コンヴィチュニー&ゲヴァントハウス管 シューマン交響曲選集よりⅠ
ロベルト・シューマン – Robert Schumann (1810-1856)
交響曲第1番 変ロ長調 「春」 Op. 38
Symphony No. 1 in B-Flat Major, Op. 38, “Spring”
1.(11:34) I. Andante un poco maestoso – Allegro molto vivace
2.(06:35) II. Larghetto
3.(06:10) III. Scherzo: Molto vivace
4.(09:07) IV. Allegro animato e grazioso
total(33:26)
録音:1960年8月
=================
交響曲第2番 ハ長調 Op. 61
Symphony No. 2 in C Major, Op. 61
5.(12:27) I. Sostenuto assai – Allegro ma non troppo
6.(06:43) II. Scherzo: Allegro vivace
7.(07:42) III. Adagio espressivo
8.(07:48) IV. Allegro molto vivace
total(34:40)
ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 – Leipzig Gewandhaus Orchestra
フランツ・コンヴィチュニー – Franz Konwitschny (指揮)
録音:1961年8月26日-30日
ロベルト・シューマン:交響曲全集/フランツ・コンヴィチュニー&ゲヴァントハウス管弦楽団
“シューマンが生きていた時代に、彼のオーケストラ作品がどのように響いていたのかを知りたければ、まっ先にこのセットの演奏を聴くべきである。
まず、ゲヴァントハウス管弦楽団は実際にシューマンが指揮台に立っていた団体である。
その精神と伝統はまぎれもなく受け継がれている。さらに、コンヴィチュニーの指揮が破格に素晴らしい。
音符そのものが自然に楽音を奏でているかのようだ。これはまさに、音楽演奏の究極の姿とも言える。
平林直哉(音楽評論家)“
コメント