こんにちは、
ともやんです。
ヘルベルト・フォン・カラヤン(1908-1889)
指揮者。1908年オーストリア、ザルツブルク生まれ。89年没。26年ウィーン音楽アカデミーで指揮法を学ぶ。29年ザルツブルク・モーツァルテウム管を指揮してデビュー。35年ウルム市立歌劇場の音楽監督に就任。ナチス党員だったため、戦後指揮活動を停止されたが2年後に復帰、55年ベルリン・フィルの芸術監督・常任指揮者として死の直前までその任にあった。新しい記録媒体を積極的に活用し、その磨き上げられた音楽は世界中に受け入れられた。
今年が生誕115年。
レコード業界では、特に大きな特集とかはないようですが、個人的に名盤をご紹介していきたいと思います。
まずは、ベートーヴェンの交響曲全集。
カラヤンの指揮によるベートーヴェンの交響曲全集は6種類あります。
その内、東京でのライブが2種類。
個人的には、1950年代のフィルハーモニア管とのモノラル録音(第九のみステレオ)。60年代のベルリン・フィルとの最初の録音。そして’66年の東京文化会館での来日公演。
70年以降の録音には、カラヤンの音響に対する美学をあり、別の意味で魅力的です。
カラヤン&フィルハーモニア管 ベートーヴェン交響曲全集 1950
カラヤン最初のベートーヴェン交響曲全集録音となったこのフィルハーモニア管弦楽団とのセッション録音による演奏は、若きカラヤンの颯爽とした指揮ぶりと、フレッシュなオーケストラの健闘ぶりで有名な存在で、LP時代にはモノラルながら聴きやすい音質ということで高評価を得ていました。
その後、交響曲第8番のステレオ音源がCD化されると話題となり、ベルリン・フィルの演奏とはまた違った魅力を持つ全集として、人気も定着、カラヤン芸術を知るためには欠かせない定番アイテムとなっていきました。
今回、その全集録音の中の交響曲第9番に、ステレオ・テイクが遺されていたことが判明、初めてCD化されることとなりました。この演奏は、カラヤンとフィルハーモニア管弦楽団が1955年7月にウィーンのムジークフェラインザールで4日間のセッションを組んでレコーディングされたもので、合唱にウィーン楽友協会合唱団、ソプラノにエリーザベト・シュヴァルツコップ、アルトにマルガ・ヘフゲン、テノールにエルンスト・ヘフリガー、バス・バリトンにオットー・エーデルマンを起用するという豪華な陣容によるもので、会場の響きの良さもあり、モノラルでも素晴らしい演奏に聴こえていただけに、今回のステレオ音源には大きな注目の集まるところと思われます。(HMV)
カラヤン&ベルリン・フィル ベートーヴェン 交響曲全集 1960
カラヤン2度目、ベルリン・フィルとは初だった62~63年録音の、ベートーヴェン:交響曲全集。どの曲も速めのテンポを基調としたきりりと引き締まった表現で、曲による出来不出来のむらもありません。後の全集と比較しても引けを取らない価値ある一組です。
ベートーヴェン 交響曲全集 1966年東京ライヴ
ものすごい気力と充実感。
カラヤン入魂のベートーヴェン交響曲連続コンサートカラヤンとベルリン・フィルは1966年4月12日から16日にわたりベートーヴェンの交響曲の全曲コンサートを行いました。毎日のプログラミングはカラヤン自身が熟考し、最大の効果があがるように工夫されています。また最初に「コリオラン」、最後の第9の前に「レオノーレ第3番」という序曲を置くことで、すべてがメインの第9へ向かうことを示します。これについては連日会場で聴き詳しくレポートし、カラヤンの意図を分析した柴田南雄氏渾身の名解説をブックレットに全文掲載しており興味津々です。
カラヤン&ベルリン・フィル ベートーヴェン交響曲全集 1975
カラヤンはベートーヴェンの交響曲全集を生涯に4回録音していますが、この1970年代の演奏が一番最良のものと言っても過言ではないでしょう。カラヤンの特徴とも言える豪快さと華麗さに、そろそろ耽美さが加わり絶妙のベートーヴェンを聴かせてくれます。
カラヤン ベートーヴェン 交響曲全集 1977年普門館ライヴ
XRCDとして生まれかわったのは、TOKYO FMが録音した帝王カラヤン&ベルリン・フィルの1977年ベートーヴェン・チクルス、東京・普門館での交響曲全曲ライヴ。ティンパニはテーリヒェンとフォーグラー、コンサートマスターはシュヴァルベ、シュピーラー、ブランディスという当時の黄金メンバーが来日し最高のサウンドを披露した伝説的ライヴで、カラヤンが激賞した田中信昭氏率いる合唱団との第九も見事な熱演となっており、まさに聴き継がれるべき記念碑的な録音と言えます。XRCDのキャラクターを生かした音造りにご期待ください。
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