こんにちは、
ともやんです。
イギリスの指揮者で古楽器演奏の先駆的存在だったクリストファー・ホグウッド(1941-2014)が、1983年かた89年に掛けて録音したベートーヴェン交響曲全集が復刻されます
これは、ホグウッドの生誕80年を記念しての企画です。
今年80歳を迎える大物としては、アルゲリッチとムーティがいます。
お二人共現役でしっかり活動されています。
しかもムーティは、先月4月にはこのコロナ禍に東京・春・音楽祭のため来日も果たしています。
ただ、この二人と同い年ながらクリストファー・ホグウッドは、既に7年前の2014年に永眠されています。
亡くなったというニュースを聴いた時、えっ?ホグウッドってそんな年だっけ?と正直思った記憶があります。
享年73歳。
音楽家としては早すぎるということはないにしても、もっと活躍して欲しかったというのは正直な気持ちです。
そのホグウッドの遺産ともいうべき、手兵エンシェント室内管とのベートーヴェンの交響曲全集が、生誕80年を記念して復刻されます。
6月16日のリリースということで、現在予約受付中です。
ホグウッド ベートーヴェン交響曲全集
ホグウッドのベートーヴェン交響曲全集は、1983年から89年に掛けて録音されました。既にモーツァルトの交響曲全集やJ・S・バッハやヘンデルといった後期バロック音楽の録音も手掛けてきて、満を持しての仕事という意味合いがありました。
ただ、古楽器スタイルでは、その後リリースされた、ガーディナー、ノリントンの録音に比べると刺激的ではなく聴こえました。
しかし、タワーレコードに解説にもありますが、ホグウッドの指揮は、極端ではなく的確さを重視しているため、その音楽は、内容的には攻めているにもかかわらず、むしろ間口を広くしている感がいまになって感じます。
個人的にはホグウッドの全集はかなり前に購入して、一通りは聴きましたが、改めてしっかり聴いていこうと思います。
まず最初に聴いたのが、交響曲第2番。
改めて聴くとリズムの鋭さ、フレーズのキリリとしまった感じは、古楽器グループの中では穏健派と言われていますが、全くそんなことはなく、先鋭的で新鮮です。
ホグウッド ベートーヴェン交響曲全集より第2番
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン – Ludwig van Beethoven (1770-1827)
交響曲第2番 ニ長調 Op. 36
Symphony No. 2 in D Major, Op. 36
1.(12:44) I. Adagio molto – Allegro con brio
2.(09:53) II. Larghetto
3.(04:24) III. Scherzo: Allegro
4.(06:33) IV. Allegro molto
total(33:34)
エンシェント室内管弦楽団 – Academy of Ancient Music
クリストファー・ホグウッド – Christopher Hogwood (指揮)
録音: August 1984, Walthamstow Assembly Hall, London, United Kingdom
ベートーヴェン 交響曲全集「コリオラン」序曲「エグモント」序曲<タワーレコード限定> クリストファー・ホグウッド エンシェント室内管弦楽団
録音当時、ブリュッヘンやノリントンといった特徴ある話題盤と同時期だったこともあり、現代ではその功績が十分認められていない感があるかも知れませんが、
自ら結成したピリオド楽器のエンシェント室内管弦楽団と共にこのベートーヴェンは、初期交響曲におけるフォルテピアノの付加や一部原典版を採用するなど、斬新なアイデアも入れた革新的な録音でした。
他の古楽器オケと異なり、ストイックなまでの演奏を含む追及は少ないものの、ホグウッドの解釈は探求心に溢れているものです。
極端ではなく的確な解釈がホグウッドの特筆であり、実は内容的にはかなり攻めているにも関わらず、その音楽に入る間口は広いしているなど、今考えてみてもある意味先駆的な活動をホグウッドは行っていたと気付くのではないでしょうか。
タワーレコードの解説より
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