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児玉麻里 新しい道 ブラームスとシューマン夫妻の出会い

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こんにちは、
ともやんです。

ピアニストの児玉麻里さんは、指揮者のケント・ナガノ氏の夫人です。
ケント氏とはベートーヴェンのピアノ協奏曲で共演して録音も残しています。
ケント氏も素晴らしい音楽家ですが、個人的には麻里さんはそれ以上に音楽家でピアニストだと思っています。
今日は、児玉麻里さんの独奏による若き日のブラームスのピアノ作品を聴きました。

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ブラームス 青春の記録

ブラームスは、シャイで内向的、優柔不断な人だったと思っていましたが、もちろんそんな面もあったかもしれません。

でも、児玉さんのピアノソロで聴くブラームス若き日の作品は、激しい情熱のうねりを感じさせるもので、せつなくも激しさが伝わってきます。やはりこれはクララの存在あってのものだったのでしょうか。

いま、吉田秀和著『ブラームスの音楽と生涯』を読んでいます。
吉田氏も次のように書いています。

“ブラームスは、やさしい無口な夢想家どころではなかった。彼は、北ドイツ生まれの重厚な、無口な、しかし、その表面の下に熱烈な魂をもっている青年でした。クララ・シューマンに宛てた手紙は、それをまず十分以上に物語っています。”

これからこの本を読み進めていくのが楽しみです

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児玉麻里 ブラームス ピアノソナタ第1番他

ヨハネス・ブラームス – Johannes Brahms (1833-1897)
ピアノ・ソナタ第1番 ハ長調 Op. 1
Piano Sonata No. 1 in C Major, Op. 1

1.(10:42) I. Allegro
2.(05:19) II. Andante (nach einem altdeutschen Minneliede)
3.(05:28) III. Scherzo: Allegro molto e con fuoco
4.(07:03) IV. Finale: Allegro con fuoco
total(28:32)

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シューマンの主題による16の変奏曲 嬰へ短調 Op. 9
16 Variations on a Theme by R. Schumann, Op. 9

5.(01:15) Theme
6.(01:18) Variation 1
7.(00:25) Variation 2
8.(01:20) Variation 3
9.(00:39) Variation 4
10.(00:47) Variation 5
11.(00:52) Variation 6
12.(00:56) Variation 7
13.(01:27) Variation 8
14.(00:36) Variation 9
15.(01:46) Variation 10
16.(00:50) Variation 11
17.(00:46) Variation 12
18.(00:40) Variation 13
19.(00:54) Variation 14
20.(01:40) Variation 15
21.(02:09) Variation 16
total(18:20)

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22.(11:09) 主題と変奏(原曲:弦楽六重奏曲第1番 変ロ長調 Op. 18 – 第2楽章 アンダンテ・マ・モデラート)
Theme and Variations in D Minor (arr. of String Sextet No. 1 in B-Flat Major, Op. 18: II. Andante ma moderato)

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ロベルト・シューマン – Robert Schumann (1810-1856)
23.(02:30) ミルテの花 Op. 25 – 第1曲 献呈(C. シューマンによるピアノ編)
Myrthen, Op. 25: No. 1. Widmung (arr. C. Schumann for piano)
編曲 : クララ・シューマン – Clara Schumann

児玉麻里 – Mari Kodama (ピアノ)
録音: July 2022, Reitstadel, Neumarkt, Germany

新しい道~ブラームスとシューマン夫妻の出会い 児玉麻里

ブラームスとシューマン夫妻の出会いと献呈を円熟の児玉麻里が描く

充実の児玉麻里初のブラームス・アルバム。彼女は長年ブラームス作品を温めてきており、まさに今、満を持しての発表となります。

今回のメインはブラームスの「作品1」であるピアノ・ソナタ第1番。1853年10月1日にブラームスはシューマン夫妻を初訪問し、この曲を自らの演奏で披露したといわれます。最初ローベルト・シューマンがひとりで聴き始めたものの、「クララにも聴かせたい」と止めさせたことが知られています。シューマンは晩年の病に苦しんでいましたが、その月末に「新しい道」のタイトルで熱くブラームスを楽壇に紹介しました。

児玉麻里はその邂逅のひとときをこのアルバムに込めています。これがきっかけとなり、ブラームスは翌年、シューマンの「色とりどりの小品Op.99」の「5つのアルバムの綴り」第1曲と「クララ・ヴィークの主題による即興曲Op.5」をもとに「変奏曲Op.9」を作曲、クララに捧げました。さらに6年後、ルイ・マルの映画「恋人たち」で用いられたことでも有名な弦楽六重奏曲第1番第2楽章による変奏曲を作り、やはりクララに捧げています。
後者はブラームスとしては悩ましいまでの感情があふれており、クララへの思慕の情が感じられます。

初対面の際にクララはお礼として何か弾いたと思われますが、伝わっていません。ここではローベルトの歌曲集「ミルテの花」の第1曲「献呈」をアンコール風に演奏。ローベルトが結婚式の前日に新婦へ送ったとされる感動的な音楽を何とクララの編曲でというのも貴重。この曲はリストの編曲が有名ですが当のクララはその版を嫌ったとされ、彼女の編曲はよりローベルトの思いが伝わってくるようなピアノ曲となっています。児玉麻里円熟の演奏で味わえるのは、このうえない贅沢と申せましょう。



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