こんにちは、
ともやんです。
今年は、朝比奈さんが亡くなって20年の年です。
93歳で亡くなる直前まで演奏活動を続けておられました。
ほんまにお疲れまでした。頭が下がります。
亡くなる前年の2000年9月から亡くなる9ヵ月前の2001年3月に掛けてサントリーホールで行われた新日本フィルハーモニー交響楽団とのブラームス・ツィクルスが17年ぶりに発売されます。
最初に発売されたのが、2004年ですが、それ以降の再販はなく、市中でもレアなセットとなっていました。
それは朝比奈さんの没後20年という節目にタワーレコード限定で、しかも価格を抑えての再販になりました。
発売は5月2日の予定で、現在予約受付中です。
幸いにも僕は以前のものを所有しているので久し振りに聴いてみました。
朝比奈隆 ブラームス 交響曲第1番 2000
テンポは遅めで、淡々としかし堂々と展開する演奏です。
しかもテンポはほとんど変わらず堅固な構成に格調の高さと全ての音符を弾き切るという職人的な頑固を併せ持った名演です。
だから遅めのテンポ故にしっかり演奏されている内声部の音の動きがよくわかり、こんなフレーズがこんなところにあるのか、と新たな発見があったりします。
朝比奈さんの飽くなき高みの演奏を極めようとする姿勢には大きな感銘を受けました。
ヨハネス・ブラームス – Johannes Brahms (1833-1897)
交響曲第1番 ハ短調 Op. 68
Symphony No. 1 in C Minor, Op. 68
新日本フィルハーモニー交響楽団 – New Japan Philharmonic Orchestra
朝比奈隆 – Takashi Asahina (指揮)
録音: 11 September 2000, Suntory Hall, Tokyo, Japan
1.(16:53) I. Un poco sostenuto – Allegro
2.(08:02) II. Andante sostenuto
3.(04:54) III. Un poco allegretto e grazioso
4.(16:51) IV. Adagio – Piu andante – Allegro non troppo ma con brio
total(46:40)
ブラームス 交響曲全集 (2000-2001年ライヴ)<タワーレコード限定> 朝比奈隆 新日本フィルハーモニー交響楽団
朝比奈隆(1908.7.9-2001.12.29)によるブラームスの交響曲全集の音源は、大阪フィルと2回(第1,3回目)、新日本フィルとの2回(第2,4回目)があるのみで、ベートーヴェンと比較すると残された音源は少ないため、貴重な音源ばかりです。
いずれも、記録された音源の収録時期の間隔がある程度開いていることもあり、それぞれの演奏がその時期の朝比奈の作風をそのまま反映していると言えます。
初めての収録は1979年から翌年にかけて神戸文化ホールで行われた公開ライヴで、既に御年70歳を超えた巨匠による風格に満ちた重厚な音楽は、まさに満を持してのブラームスと思わせる演奏内容でした(ビクター原盤。タワー企画盤として2019年にSACDシングルレイヤーでリリース。GCAC1027)。
2回目は1990年と92年に新日本フィルとライヴ収録を行い、朝比奈にとっても気力共にまだまだ充実していた時期の演奏であることが特徴です(fontec原盤。2014年にCDで再発。今回価格変更で同時リリース。FOCD9035)。
次がちょうど4/23にSACDハイブリッド盤として新規リマスターで再発する1994年から翌年にかけての大阪フィルとの第3回目録音です(キャニオン原盤。OVEP00011)。
朝比奈ファンの間ではこの録音の評価は高く、大阪フィルとの最後の録音であることや、解釈は一貫しているものの最晩年様式直前の溌剌した表現が曲によってはより目立つことが理由にありますが、今回リリースの第4回目の録音は、巨大な造形は不変ながらもルパートを排し、収斂したテンポで音楽を統一する作風を堅持、楽章によっては第3回目の演奏時より短い収録時間になっているのが特徴です。
最後に
ブラームスの交響曲第1番は、コンサートで盛り上がる曲です。
終われば、おー、と歓声を挙げたい気持ちはよくわかります。
しかし、曲が終わったと同時に拍手と歓声、というより蛮声は止めてほしいです。
交響曲第1番の演奏でも終楽章の16:52でそれを感じました。
多分朝比奈さんはタクトをちゃんと下げていないと思いますし、なんといってもまだホールに響きが残っています。
余韻を感じながら感動を味わいたいと思っている気持ちを強引に踏みにじられる思いです。
コンサートでは、とにかく人より早く拍手をし・な・い、ということを忘れないで欲しいです。
コメント