こんにちは、
ともやんです。
ドイツ・グラモフォン創立125周年記念として膨大な録音の中から厳選された名演の名盤100タイトルが4月と5月に発売されます。
その内、5月にデジタル録音された60タイトルが出ますが、その中のひとつに若き日のツィメルマンが、当時円熟期にあったバーンスタイン&ウィーン・フィルとの共演。
素晴らしいです。ぜひ聴いてみてください。
ブラームス ピアノ協奏曲第1番が好き
ブラームスのピアノ協奏曲第1番は、彼の最初の大規模な管弦楽曲です。
しかも相当な苦心作でもありました。
最初は1854年と言いますから、ブラームス21歳。2台のピアノのためのソナタとして企画し、クララ・シューマンと試奏を重ねましたが2台のピアノだけでは十分ではないと分かり、その後交響曲として改作しよとし、さらに計画を変更して最終的にピアノ協奏曲として落ち着いたのです。
まさに従来の協奏曲にはないピアノ独奏を伴った交響曲と言われることもあるこの作品は、そんな経緯を経ているからです。
初演は、1859年1月22日ハノーファーで行われ、5日のちは修正を加えられ、改めてライプツィヒで公開されました。
現在では、ピアノ協奏曲中の傑作とされていますが、初演当初は評判はよくなかったようです。
しかし、僕はこの作品が好きです。ブラームスにはその他、ピアノ協奏曲第2番、ヴァイオリン協奏曲、ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲と傑作があります。このピアノ協奏曲第1番は、20代前半の企画して作り上げた作品で、技術的に未熟な部分もあるかもしれませんが、なにか青春のほとばしりを感じるのです。
ブラームス ピアノ協奏曲第1番 青春の記念碑的作品
20歳でシューマンの門をたたいたブラームス。
その時のスケッチ画を見ると髪の長い美青年です。のちの髭ずらのおじさんとは別人のよう。そして21歳で2台のピアノのためのソナタとして企画したのは、もしかしてSchuman夫人のクララと一緒に弾きたかったから?なんて考えてしまいます。
しかもクララと試奏を重ね、彼女の助言などもあり、交響曲、そしてピアノ協奏曲として発展させていった。生みの苦しみだったかもしれませんが、ある意味幸せな時間だったかもしれません。
青春とは、人生のある一時期のものだと思っています。だから後でふり返って、もう戻ってこない季節を貴重なものだったと考えるのでしょう。
この作品を聴くとそんな思いがこみ上げてきます。
そしてポーランド出身の若くイケメンのツィメルマンが、バーンスタインと丁々発止の演奏を展開しています。ぜひ、聴いてみてください。
ツィメルマン&バーンスタイン ブラームス ピアノ協奏曲第1番
ヨハネス・ブラームス – Johannes Brahms (1833-1897)
ピアノ協奏曲第1番 ニ短調 Op. 15
Piano Concerto No. 1 in D Minor, Op. 15
1.(24:40) I. Maestoso
2.(16:29) II. Adagio
3.(13:07) III. Rondo: Allegro non troppo
total(54:16)
クリスチャン・ツィメルマン – Krystian Zimerman (ピアノ)
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 – Vienna Philharmonic Orchestra
レナード・バーンスタイン – Leonard Bernstein (指揮)
録音:1983年11月 ウィーン
晩年のバーンスタインと20代のツィメルマンによる熱量高い名演。重厚なテンポでひとつひとつのフレーズを噛みしめつつも、火傷してしまいそうなくらいに温度の高い演奏が繰り広げられる様はまさに圧巻。ツィメルマンとバーンスタイン、両者の初の協奏曲録音となった1983年の名盤で、後にツィメルマンは同曲をラトルの指揮でベルリン・フィルとも録音しています。
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