こんにちは、
ともやんです。
チェコの名指揮者ヴァーツラフ・ノイマンは、1920年9月29日生まれで、1995年9月2日に約75年の生涯を閉じました。
今日は102回目の誕生日ですね。
この人の録音では、亡くなる数年前の90年代にチェコ・フィルと録音したマーラーの交響曲が感動的だと評判ですが、僕はまだ未聴です。
また同じころ得意のドヴォルザーク交響曲第7番から第9番「新世界より」も録音していずれはぜひ聴いてみたいと思っています。
さて、マーラーやドヴォルザークの録音は、80年代以前にも録音していますが、それを改めて聴くのもいいですが、今日は、一気に50年代のまだノイマン30代の時の録音を聴きました。
ヴァーツラフ・ノイマンについて
ノイマンは、1940年から45年に掛けて、プラハ音楽院でヴァイオリンと指揮を学びました。在学中の41年に弦楽四重奏団を結成し、45年からスメタナ四重奏団と名乗り本格的に活動を開始し、同時にチェコ・フィルハーモニー管弦楽団にも加わりました。
へえ、そんなんだ、あのスメタナ四重奏団の創設メンバーだったんですね。
ノイマンはヴィオラで活動していましたが、48年にクーベリックの代役で指揮者でデビューしたことから退団しています。
その後は、54年から56年にはブルノ・フィルハーモニー管弦楽団、56年から63年にはプラハ交響楽団の首席指揮者を務めました。
今日ご紹介するCDは、この時のプラハ響との録音です。
また、上記のキャリアと同時にベルリンのコーミシェ・オーパーで首席指揮者、音楽監督(1955-64)も務め、64年からはコンヴィチュニーの急逝に伴い、名門ゲヴァントハウス管のカペルマイスターも68年まで務めました。
そして68年に「プラハの春」で、首席指揮者のアンチェルのカナダ亡命に伴い、ノイマンがチェコ・フィルハーモニー管の指揮者に就任し22年間務めました。
僕が、ノイマンに注目したのは、ブルックナーの交響曲第1番の凄い演奏を聴いてからで、この人は本物だ、と感じたのです。
ドヴォルザークの交響曲
ドヴォルザークの交響曲は現在では、9曲ということになっていますが、生前に発表されたのは5曲のみで、他の4曲は遺作でした。生前には、現在の第5番から第9番「新世界より」で、遺作の4曲は、作曲年順に第1番から第4番まで番号が付けられました。
古い資料やレコードでは、現在第9番「新世界より」が、第5番とか両方の番号が表記されていたしています。
第1番は、1865年の作でドヴォルザークは、少年期の1855年に家族で移り住んだズローニチェ(ズロニツェ)、ここでドイツ語を覚え、音楽を学び、楽団でヴィオラを弾いたりした経験を活かし作曲した作品です。
ただ、コンクールでは落選し、総譜も紛失してしまい、生前は演奏されませんでした。
しかし、1923年になってから遺品の中から発見され、それから10数年経った1936年ようやくブルノで初演されたのでした。
このCDセットには、ドヴォルザークの交響曲から遺作となった第1番、2番、4番が収録されています。彼の交響曲では、第7番、8番、9番「新世界より」まで人気でコンサートでもよく演奏され、CDも多いですが、若きノイマンは、同郷の大作曲家への敬意を込めて凛々しく再現しています。
60年数年前の録音ですが、音質は悪くないし鑑賞には支障ないと思います。
ノイマン 名盤 ドヴォルザーク 初期交響曲集
アントニン・ドヴォルザーク – Antonin Dvo?ak (1841-1904)
交響曲第1番 ハ短調 「ズロニツェの鐘」
Symphony No. 1 in C Minor, B. 9, “The Bells of Zlonice”
1.(11:26) I. Allegro
2.(12:50) II. Adagio molto
3.(08:27) III. Allegretto
4.(10:08) IV. Finale: Allegretto
total(42:51)
ヴァーツラフ・ノイマン – Vaclav Neumann (指揮)
プラハ交響楽団 – Prague Symphony Orchestra
録音: 13-15 February 1957, Dvorak Hall of the Rudolfinum, Czech Republic
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交響曲第4番 ニ短調 Op. 13, B. 41
Symphony No. 4 in D Minor, Op. 13, B. 41
5.(10:10) I. Allegro
6.(12:22) II. Andante sostenuto e molto cantabile
7.(07:07) III. Scherzo: Allegro feroce
8.(10:10) IV. Finale: Allegro con brio
total(39:49)
プラハ交響楽団 – Prague Symphony Orchestra
ヴァーツラフ・ノイマン – Vaclav Neumann (指揮)
録音: 4 and 6 November 1959, Dvorak Hall of the Rudolfinum, Czech Republic
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交響曲第2番 変ロ長調 Op. 4, B. 12
Symphony No. 2 in B-Flat Major, Op. 4, B. 12
9.(12:22) I. Allegro con moto
10.(11:58) II. Poco adagio
11.(12:22) III. Scherzo: Allegro con brio
12.(10:49) IV. Finale: Allegro con fuoco
total(47:31)
プラハ交響楽団 – Prague Symphony Orchestra
ヴァーツラフ・ノイマン – Vaclav Neumann (指揮)
録音: 9-12 April 1958, Dvorak Hall of the Rudolfinum, Czech Republic
チェコの生んだ大指揮者ヴァーツラフ・ノイマン(1920-1995)の初期貴重録音集。ほとんどが初CD化で、30代前半の若き演奏から、アンチェルの後任として1968年にチェコ・フィルの首席指揮者となるまでの芸術を堪能できます。
最も古いものは、1953年に映画交響楽団を指揮したチャイコフスキーの「四季」全曲。複数録音のあるガウク編曲ではなく、チェコの作曲家ヴァーツラフ・トロヤンのオーケストレーションによるのも興味津々で、チャイコフスキー・ファン必聴と申せましょう。
得意のドヴォルザークは初期の交響曲をはじめ、比較的珍しい作品なのも歓迎。さらにヴェラ・ソウクポヴァーを独唱者としたマーラーも収録されているのが嬉しい限り。ノイマン&チェコ・フィルのマーラーを満喫できます。
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