こんにちは、
ともやんです。
今日1月16日が、アルトゥーロ・トスカニーニの命日ということで、トスカニーニがエルガーの「エニグマ変奏曲」をしたCDを聴いたのですが、一緒に収録されている演奏も素晴らしいので紹介します。
まず、エルガーの最高傑作のひとつであるチェロ協奏曲。ピアティゴルスキーのソロとバルビローリ指揮のニューヨークフィルとの共演。
もう一つは、交響的習作「ファルスタッフ」。
これはロジンスキ指揮のニューヨーク・フィルで聴きました。
ピアティゴルスキー バルビローリ エルガーチェロ協奏曲
グレゴール・ピアティゴルスキー(1903-1976)は、ウクライナ生まれで後にアメリカで活躍するチェロ奏者。
ヴァイオリンのハイフェッツ、ピアノのルービンシュタインと共に「百万ドル・トリオ」と言われた一人。
モスクワで学んだが、国外に留学できないなど自由がなく10代で命を賭けてロシアを脱出。
その後、ベルリンやライプツィヒで学んだりしていたが、フルトヴェングラーと知己を得て、ベルリン・フィルの首席奏者を務めた。1929年にアメリカに渡り、以後アメリカを活動の中心として活躍した。
バルビローリは、1937年から43年までニューヨーク・フィルの音楽監督を務めこの録音はその時のもの。バルビローリと言えば、この録音の25年後に当時20歳の天才チェリスト、ジャクリーヌ・デュ・プレとこの曲で共演しています。
ロジンスキ エルガー 交響的習作「ファルスタッフ」
アルトゥール・ロジンスキ(1892-1958)は、クリアチア生まれで両親はポーランド人。バルビローリの後任として1943年にニューヨーク・フィルの首席指揮者に就任し、大改革をしようとしてが、経営陣と対立し、47年には辞任してしまいました。
一切の妥協も許さない音楽づくりは伝説化しているくらいです。
交響的習作「ファルスタッフ」は、1913年に完成し、その年の10月2日にエルガー自身の指揮で初演された作品。
ファルスタッフは、シェークスピアの「ヘンリー4世」と「ウィンザーの陽気な女房たち」に登場する主人公。
作風から見てリヒャルト・シュトラウスの交響詩に似ているが、より自由な形式でファルスタッフを描いています。
エルガー チェロ協奏曲&交響的習作「ファルスタッフ」
チェロ協奏曲 ホ短調 Op. 85
Cello Concerto in E Minor, Op. 85
16.(06:50) I. Adagio – Moderato
17.(04:40) II. Lento – Allegro molto
18.(04:32) III. Adagio
19.(10:06) IV. Allegro – Moderato – Allegro ma non troppo
total(26:08)
グレゴール・ピアティゴルスキー – Gregor Piatigorsky (チェロ)
ニューヨーク・フィルハーモニック – New York Philharmonic Symphony Orchestra
ジョン・バルビローリ – John Barbirolli (指揮)
録音: 10 November 1940, Carnegie Hall, New York City, USA
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交響的習作「ファルスタッフ」 Op. 68
Falstaff, Op. 68
20.(03:00) Falstaff and Prince Henry: Allegro –
21.(10:04) Eastcheap. The Robbery at Gadshill. The Boar’s Head Again. Revelry and Sleep
22.(02:22) Dream Interlude
23.(01:38) Falstaff’s March. The Return through Gloucestershire. The New King and the Hurried Ride to London.
24.(01:49) Interlude: In Shallow’s Orchard
25.(07:05) King Henry V’s Progress: The Repudiation of Falstaff and His Death
total(25:58)
ニューヨーク・フィルハーモニック – New York Philharmonic Symphony Orchestra
アルトゥール・ロジンスキ – Artur Rodzinski (指揮)
録音: 10 October 1943, Carengie Hall, New York City, USA
1905年、自作を指揮するために初めてアメリカを訪問したエルガー。以降、その翌年1906年と1907年、そして1911年の合計4回アメリカを訪れています。彼の作品はアメリカでも人気を博し、とりわけ「威風堂々」はアメリカの高校、大学の卒業式に欠かせない作品となりました。
このアルバムには1940年代のアメリカで録音された3つの作品を収録。1949年にトスカニーニとNBC交響楽団が演奏した「エニグマ」変奏曲、ピアティゴルスキーの唯一の録音となった「チェロ協奏曲」、ロジンスキの指揮による、イギリス国内ではなかなか認められることのなかった晩年の作品「ファルスタッフ」、どれもアメリカで着実に息づくエルガー人気を反映した熱演です。
これらはどれもオーディオ・エンジニア、ラニ・スパーの入念なリマスタリングによって当時の音が鮮やかに蘇っています。
ナクソス・ジャパン
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